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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼ編
155/227

機甲大祭大騒動その5

「皆さまお待たせいたしました、機甲大祭大目玉、本当の実戦形式で行われる実戦試合最終試合の開始です!最初のマッチはフレイヤ学園vsポスカヤ学園だ!」


クロウは久しぶりに図書館11階で全員と午後について話していた。昨日から今日の午前までは所詮、()()、100を超える生徒を串刺しにしたクロウの偉業は確かに驚くべきものだが、午後からの実戦試合こそが本当に盛り上がる大トリ。あらゆる学校の代表者が全て一同に出場する最終試合、本来ならば、主催校である聖セシリア学園の代表者達と最終日までに勝ち残った代表校と戦う事になっているが、クロウが勝ちすぎてこのままだとクロウvsリリィ達と言う内戦になってしまうため、急遽、他の代表校同士で戦い、勝ち残った最後の学校が聖セシリア学園と戦う事になった。クロウだけではなく、他の観客が見ても特に見どころが無い試合のため、結果から言うと、フレイヤ学園が最後まで勝ち残った。


「ん?あいつは?」


聖セシリア学園の代表はフェリス、クロウ、シャルの3人。

フレイヤ学園の代表はアロエラを始めとした総勢80名の代表生だ。例年通りならこちら側は最低でも40名ほどを用意するが、リリィとアリアンナはセシリアに呼ばれて国賓接待だとかなんとかで、タタはシャルの分の生徒会の仕事をするために、人狼状態で全力で仕事をしているようだ。


「フェリス、クロウ、事前に話した通りだ。圧勝のみが我々の強さを誇示できる。私は正面から戦う。フェリス、お前は遊撃手として中、遠距離から支援を、もちろん敵を撃ち破れるならそれも上々、そしてクロウ」

「おう」


戦いの前の鼓舞だとうか、シャルの言い分を聞いているだけで血肉湧き踊る。ワクワクしてきた。


「手加減して」

「えぇ.....」

「いやだって、その気になれば私達完全に要らないでしょ」

「うんまあそうだけど」

「ほらね、だからほどほどにね」

「.......」

「頼むよクロウ」

「分かったよ」


フェリスは既に換装を済ませており、既に無数の弾を空中にストックしていた。シャルも脚部だけ換装していたが、クロウとの話を終えると全身を<血桜>に換装する。正直フェリスと全身換装を済ませたシャルの2人だけで勝てそうなので、クロウは後方から支援中心に様子を見る事にした。


***


「桜花二刀流・乱れ桜の構え」


シャルはその二刀を両手で左右に大きく広げて構える。そうして試合開始のブザーと共にシャルは斬りかかってくる相手の群れの中に飛び込んだ。いくら無数の敵が相手とは言え、80人が一斉に斬りかかってくるわけではなく、最大でも4人か5人を相手にする事になる。つまりは1対4もしくは5を80人分行えばいいわけだ。もちろん並みの人間ならば最初の数人を倒せたとしても、疲労に武器破損と避けられない事実によっていずれ打ち倒される。だが<血桜>ならばそんなことを気にする必要もなく、同時にその桜花二刀流の構えによって流れるように一撃で多数の敵を斬り伏せられる。あらゆるスキル、魔法の使用が許されている今、シャルにとっては彼女の桜花二刀流の実力をあらわにできるいい機会だった。


「どうした?来ないのか?」


他校とは学園代表にもなれる生徒達。彼らは特注した強力なエインヘリアルを装備しており、校内での厳しい選抜を勝ち抜いたそれぞれの精鋭とも言える。だが、そんな彼は一呼吸で特注のエインヘリアルを数十人斬り捨てたシャルに近づくことができなかった。全員でシャルを円形に取り囲むように陣取っており、シャルの足元には一撃で斬り捨てられた特注型のエインヘリアルが数多く転がっていた。安全区画には自分の首が繋がっている事に安堵する生徒が数多くおり、残っている他のメンバーもそんな彼らの様子を見てすっかり怖気づいてしまった。


「つまらんな」


シャルは足元に転がっている壊れたエインヘリアルの頭を蹴り上げ、そのまま囲うだけで戦意を失った生徒の頭部に蹴り当てる。それだけで頭部陥没を起こした生徒は即座にエインヘリアルの保護システムによって転移させられた。


「フェリス、全員撃て」

「分かったわ!」


遠くにいるフェリスが銃弾に弾を込め、上空に一発だけ撃つ。するとシャルを囲っていた生徒の頭上に赤い的のような魔法陣が出現する。彼らは走って逃げ去ろうともその魔法陣は固定されたように彼らの頭上から離れられず、暫くした後、上空から降り注いだ銃弾に頭を打ち抜かれた。全員即座に安全区画へテレポートされ、彼らは頭のてっぺんを触りながら、どろどろに溶けていく自分のエインヘリアルを見て恐怖していた。


「戦意喪失したならば自ら戦闘エリアから出ていくがよい」


シャルにそう言われて、数人は惨めに逃げ出した。現在戦闘エリアに残っているのは30人程度、彼らの目には決死の覚悟が顕わになっていた。


「良く残った、ならば貴様らは...」


そこまで言って、シャルは再び彼らに攻撃を繰り出そうとした時、


「はーい!ストップストップ!シャルちゃんごめんね~、彼らは貴重な人魔結晶(ヒューマンクリスタル)の元なんだ。だからそのまま動かないでね~」


戦闘エリアの中央に突如、蒼い雷と共に白いコートを羽織った人物が現れた。

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