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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼ編
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機甲大祭大騒動その3

メニューで自分のステータスを確認し終わったクロウ。デスペナがないという点と、クロウはなぜかお腹一杯になっている点、さらにメニュー画面のいくつかのドレイン系、ヴァンパイア系、ドラキュラ系のスキルがクールダウンに入っている点から、もしかしなくても<不死王>か<吸血鬼>のエインヘリアル、もしくはスキルを使用してなんとか生き残ったのだろう。ふむ、メアリー・スーを含むドラクルズのメンバーの血を全て吸い切ったおかげで、彼らの記憶やスキルなどを全て手に入れた。


<読者の理想>メアリー・スー

<ゲームバグ>の一つで、出会った人の願いや希望を不自然な形で叶えることができる存在(NPC)。流石にゲームシステム崩壊や世界破滅などは願っても叶わないが、<ドラクルズ>のような危険組織の<貴族以外の人間を殺す>という願いを叶えるために行動していたようだ。


「<メアリー・スー、蘇って>」


クロウは吸収したメアリーの能力を使ってメアリーを蘇らせる。後で掲示板やゲーム告知を調べて、この<ゲームバグ>と呼ばれる存在達についても調べておかないといけないなと思った。メアリー・スーのような存在が最悪魔王達に利用されたら溜まったもんじゃない。


「あれ?私?」

「おかえり」

「貴方?クロウ?」

「<メアリー・スー、私に従って>」

「うっ!は、はい」


なるほど。言葉に強力な魔力を乗せて()()()()としてメアリーに放てばそれは彼女を縛る言霊となるのか。ふむ。魔力を言葉にね。


「<体内魔力炉起動、効率150%>」


鎖をいくつか解除し、クロウは体内の魔力炉に魔素を入れる。MP上限とMP量を指数関数的に上昇させる効果を利用して、今のクロウが耐えられる臨界点ギリギリのMPを全て魔力に変換し、禁呪に近い言霊をメアリーに告げる。


「<メアリー・スー、友達になろう>」


膨大なMP量がほぼ可視化していたクロウからどんな恐ろしい事を言われるか分からず、怯えていたメアリーだったが、禁呪に近い効力を持ってそんなうやむやな事を言われるとは思っていなかった。


「さて、メアリー、<友達>なら、俺たちの事襲ったり危害を加えたりしないよな?」

「うぐっ」


メアリーの振りかざしていた手が空中で不自然に止まる。まるで見えない何かに手を掴まれているようで、彼女は険しい顔をしながら、してやられたという感情をあらわにしていた。


「敢えて曖昧な願望を告げる事で、解釈の穴を突いた卑怯な手さ。<友達>ならケンカする事もあるけど、お互いを殺したりはしない、そうだろ?」


クロウがそう言うと、メアリーは再び動けるようになった。だが、彼女の攻撃は非常に優しいものになっており、どれだけ彼女が物凄い攻撃を繰り出そうとも、多少のかすり傷になるだけで、致命傷にはならなかった。


「クロウ!無事か!」


今更ながら、シャルがようやく到着する。彼女は小さな日傘を持ったゴスロリ少女がポカポカとクロウに攻撃しているのを見て、その場に立ち尽くしてしまった。


「おっ、シャル、よっ」


軽い気持ちであいさつするクロウ。メアリーは標的を変え、シャルに飛び掛かろうとしていたが、クロウに頭を掴まれ、無理矢理クロウ、シャル、アリアンナ、リリィ、フェリス、タタ、そしてセシリアとマキナの情報と顔を流し込まれる。


「<メアリー、こいつらは友達だ。危害を加えるな>」


再び禁呪に近い魔力を乗せてメアリーに告げる。するとメアリーは再び動けなくなり、悔しいながらもシャルに自己紹介した。


「初めまして、シャル、私はメアリー、メアリー・スー」

「ああ、よ、よろしく」


シャルは驚きながら、クロウとメアリーを交互に見て握手した。


「そいつはメアリー、ドラクルズのメンバーに利用されていた存在だ。詳しい事はリリィとセシリアに話す必要がある。だがその前にまずは機甲大祭の続きを」

「そっちは大丈夫だ、既にリリィ様が場を収めてくれた。何名かは帰ったようだが、多くの観客は引き続き残ってくれるだろう。」

「そかそか」


クロウはメアリーとシャルと共にリリィ達のいる場所へ向かう。既にドラクルズのメンバーたちは完全に鎮圧されており、黒虎隊と後ほどやってきたクロセルべ正規軍の協力も相まって機甲大祭は直ぐにいつもの雰囲気に戻った。


クロセルべ正規軍もやってきたらしいので、久しぶりにアマネ達に会えるかなと思っていたけど、来てはいなかったようだ。


「クロウ様!お疲れ様です!」

「お疲れ、シャル、後よろしく」

「え?クロウ」

「わりぃ、今日は疲れた、まかせたわ」

「あ、ああ、そういう事なら」


クロウは早々にシャルに任せると、寮にある自分の部屋に戻った。


「さて、運営にメールを送らねば」


物凄く今更だが、クロウはメアリー・スーのような存在、つまり<バグ>の具現化のような存在をのさばらせておくわけにはいかないと思った。クロウもそうそうバグのような存在だが、他にも、例えば<HPの値がマイナス9999になっているため、死なない存在>みたいなバグの具現化が現れたら本当にクロウくらいしか倒しようがない。そこらへんも含めてクロウは運営に問い合わせてみることにした。

小説家になろうのアプデでものすごく仕様と見た目が変わりましたね。読者の皆様はどうですか?

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