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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼ編
150/227

機甲大祭開催

「皆さん!お待たせいたしました!今年も血肉湧き上がるこの大祭りがやってきました!聖セシリア学園主催!第14回目機甲大祭です!」


放送部の部長が学園内放送システムを使って盛大に機甲大祭の開催を宣言している。今日は機甲大祭当日、クロウは早速朝からアリアンナと共にリリィの傍に控えており、風紀委員会、治安維持委員会と共に黒虎隊も派遣して紛れ込んだ魔王やその他の危険組織の警戒を行っている。既に何人か摘発しており、問答無用で風紀委員会本部で黒虎隊の人間が尋問を行っている。


「それでは、まずは開催の言葉を代表して、我らが生徒会長、シャルロットさんにお話をいただきたいと思います」


機甲大祭の会場でもある聖セシリア学園野外巨大闘技場。現実で言う東〇ドー〇3個分くらいの巨大な会場の中心で、既に全国各参加校の代表人物は出場を済ませており、主催者としてまずはシャルが壇上で話す事になっていた。


「諸君、まずは今年も例年通りこの機甲大祭を開催できた事を嬉しく思う。例年通りの見知った顔も、新しい顔も今年は見られること、嬉しく思う...」


シャルは生徒会長として、桜との最終試合を終え、正式に桜花二刀流の後継者となった今、彼女は以前にも増してその強さと威厳を身に着けていた。どうやら最終試合を終えた後、勢いそのまま今でうやむやにしていたロゼ家次代当主を決める試合でも29連戦29連勝を収め、文句なしで従軍経験もあった次男すら叩きのめし、ロゼ家次代の座を勝ち取ったらしい。そして真打の<陰><陽>も手にした彼女は、きっと以前とは違い、もう過去の敗北に囚われることないだろう。壇上に立って話す彼女のその余裕さと威圧感は、そのクロウの思いを証明せんとしていた。


「会長!お話ありがとうございました!次はリリィ・サウフォード様よりお話をいただきたいと思います!」


本来ならセシリアが話すべきだが、代わりに皇女であるリリィが話す事になっている。


(む?)


本来ならば下にいる各学校の代表生徒達は跪くはずだが、一部の生徒は依然立ったままである。壇上に立っているリリィも流石にこれには困っていたが、後ろに控えるアリアンナが殺気を飛ばす前に、既にシャルが震えるような殺気を飛ばしていた。桜との修行、そしてロゼ家後継者争いをその実力で勝ち抜いた彼女の殺気は流石に他校の生徒も耐え切れないようで、跪くというより、腰が抜けていた。


「皆さま、今回も弊学園の機甲大祭にご参加いただき....」


ハプニングはあったものの、無事に開会式は続いていく。そうして数時間経った後、


「それでは!10分後に第一種目を行いたいと思います!出場予定の生徒は係員の指示に従って、所定の場所で待機をしてください!」


予定表によれば最初は学園対抗飛行レース。エインヘリアルを展開して、所定の場所まで飛行するレースタイプの競技だ。特に問題なく競技は開始している。リリィやアリアンナ、そしてシャルは最終競技までは基本的に何も出ないので、リリィとアリアンナは迎賓室で他校の校長や来賓の応対、シャルとタタは校内見回りと他学校の挑戦者を相手したりなど、暇はしていない。なのでクロウは自分のクラスに戻ってしっかりと手伝うことにした。


「おかえりなさいませご主人様」

「あっ、いや、クラスメイトです」

「あっ」


(気まずい)


ていうか大丈夫なのかこれ?自分のクラスの装飾とクラスメイトの衣装は完全に過激めのメイド服と過激めの執事服。公序良俗に反さないかこれ?


自分のクラスは貴族科とは違って、淑女が多いわけではないが、皆、美男美女だらけで、非常に目の保養になるが、クロウはそういうのは慣れていないので、裏方に回って食事と飲み物の準備をする事にした。既に裏方に入っているメンバーは全員死にそうな顔をしており、近くのクラスメイトに聞いてみると先ほどまで大盛況で、バイトしているとは言えひっきりなしにやってくる注文をさばいていたとか。


「よし来た、手伝おう」


クロウは制服を脱ぎ、袖をまくり上げてエプロンをつける。それと同じく、外のフロア担当の生徒から、「8名様ご来店です」という声を共に、ひっきりなしに注文がやってきた。そういえばと思い、メニューを見てみるクロウ。はやりの固形食にフルーツやソースをかけただけの料理が多く、誰でも出来そうなものばかりだった。


(おま、レンチンしてソースかけただけじゃねぇかよこれ)


レストランの厨房で働いたことのあるクロウからしたらなんで他のクラスメイトがこんなに疲れているかまったくわからなかった。クロウは厨房経験のあるクラスメイトと一緒に新鮮な食材を使って一から作り直す。


クロウとクラスメイトが作る料理はそれはそれで評判になり、再びクラスを大きく賑わせたが、忙しい厨房にも響き渡るほどの巨大な爆発音が野外闘技場から学園中に響き渡った時、クロウはなりふり構わずに作りかけの料理をクラスメイトに任せて急いで野外闘技場へ向かった。

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