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勘違い魔王のVRMMO征服記  作者: 愛良夜
学園都市ロゼ編
133/227

アリアンナとの特訓と学園配布のエインヘリアル

「さて、準備もできたし、さっそく訓練を始めよう。魔法とナイフ、どっちから鍛えたい?」

「まずはナイフを」

「了解」


クロウはそう言って、改めて立ち上がったアリアンナと少し距離を取る。


「ゴチャゴチャ理論を語ってもいいけど、そういうのは望んでないだろ?」

「ああ、よくわかってるな」

「ふふ、その顔を見ればわかる」


アリアンナはクロウと戦えると気づいては、両手に2本、魔力線で操作している4本を入れて、合計6本のナイフを構えた。


「ナイフは勇者のあのヒノカが多分一番よく知っているから、詳しく習いたいなら今度あいつに会えた時に色々聞くといい」


クロウの本職は魔法使い。武器大師、今はウェポンマスターという呼び名になった。その系統のスキルは習得しているものの、本職には至らない点がある。


(鑑定)


こっそりアリアンナの持つナイフを鑑定する。


---


流血短刀

レア度:星4

ブラッディハウンドの牙から作り上げたナイフ。刃の背に付いた牙からは、未だに止血を防ぐ液体が分泌している。


---


悪くはない、悪くはないが、アリアンナの目標である魔王を打ち倒すにはまだまだ弱すぎる。何本か彼女が使えそうなナイフがあるが、今渡すにはまだ早い。


「召喚:鋼鉄短刀」


同じく星4のレア度のナイフを同じ本数取り出す。アリアンナとクロウは一度見合うと、クロウは、「死ぬなよ?」とだけ言って、二人の戦闘は開始した。


***


10の頃には従軍し、15で初めて人を殺した。17の時に魔物を殺し、18になる頃にはクロセルべの先鋒隊に入り、20になった日に<千切将>の異名をもらった。22の時にリリィ様に会い、まだ情勢不安だった時に、数多くの暗殺者や反乱軍を殺した。


「立てる?」


弱くはないはずの私は、この男の前では非力な蟻と同じだった。戦いが始まってから既に30分が経過しているが、気が付いたら私は地面にたたき伏せられていた。私の変幻自在のナイフは彼の服の端すら触れられず、彼のナイフは私の服をずたずたにしていた。地面に倒れた私を気遣うように彼は尋ねてくる。


「大丈夫だ」

「おっけ、じゃあ最後に一回な」


震える足を叩き、なんとか立ち上がる。既に魔力糸で操作もできなくなり、肩で息をしながら両手で必死にナイフを構える。目の前の男は両手でナイフをお手玉のように弄ぶ。最初は2つ、やがて3つになり、4つ5つとどんどん増えていく。


「ほいっと」


ビュンという音と共に、私の顔の横を一本のナイフが掠める。まったく身動きも反応もできない私は、ただ脳が反応するのを待つしかなかった。だが、クロウはそれを待ってくれず、一瞬で近づいた彼は私を体術の方法で地面にたたき伏せる。


「今日は、これくらいにしておこうかな」


***


「じゃあ、明日は魔法の訓練ね」

「はい、また明日」

「またね」


ふぁ~ねみぃ。ゲーム内とは言え、仮眠行動を取らないと疲労感は取れないシステム、おまけにステータスを下げている今、現実でいう1徹くらいの疲れだ。明日、っていうか今日も授業があるから早く帰って寝なければ。クロウは足早に帰って軽くシャワーを浴び、早々にベッドに入った。


翌日、アイテムボックスから取り出した眠気覚ましのポーションを飲み干しつつ、教室に向かう。あれ?誰もいない....


頭を搔きつつケータイのアプリから改めて朝の授業を確認する。あー、今日はエインヘリアルの貰う日か。

1年生の中間考査が終わり、マナプログラミングという1年生前半の最難関単位も獲得したので、期末考査までは1年生は2年生に向けてエインヘリアルの基本動作の練習だ。


一般区画の第3模擬戦闘場。中に入ってみると既に1年生達は先生から順番に小さなブレスレッドのようなデバイスを受け取っている。クロウも列に並び、黒と緑色のデバイスを受け取り、左手に付ける。<鑑定>してみると、手の甲側が少し幅広くなっており、細い方形の部分に薄く伸ばしたコラテラル・クリスタルが内蔵されているようだ。


「全員受け取ったな。このデバイスは特殊な鉱石を内蔵しており、最初に身に着けた時に、少しチクっとすると思う」


あっ、ホントにした。


「DNA登録をして、他者に奪われたり窃盗されないためだ。これで諸君らはデバイスに触れるだけでエインヘリアルを取り出すことができる。他にもそこそこ様々な物品が入るから、アイテムボックスとしても使えるぞ」


なぜか戦闘場の周りにはエインヘリアルを展開した2年生達が護衛のように立っている。恐らく浮かれた1年生達を叩き落とすためか。あっ、早速先生の話を聞かずにエインヘリアルに着替えて飛び上がった生徒が


「列に戻れ!」


すかさず近くにいた2年生が手に持った槌で飛び上がった1年生を叩き落とす。おーこわ。大人しくしておこう。


「よし、全員受け取ったな、全員距離を取ってエインヘリアルを展開しろ!初めて換装した後は、エインヘリアルの初期設定が始まる。それぞれの使用者に合わせた大きさ、武器、出力に自動で調節してくれるから、暴れるなよ?」


全員距離と取って1年生全員がエインヘリアルに換装する。40名全員がデバイスに触れ、全員が深緑色のエインヘリアルに換装した。

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