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四月に入って新年度が始まった。私は第一志望の大学に合格でき、今日が入学式だ。
「うう……、真裕も今日から大学生かあ。しかもプロ野球選手との掛け持ちなんて。立派だけど心配だよお」
朝。大学へ出発しようとする私を、お父さんとお母さんが見送ってくれる。
「大学は変な男がたくさんいるから、気を付けるんだぞ。ていうか無理に異性と関わらなくたって良いんだからな」
「はいはい。朝から五月蝿いよ。そんなこと言ってたら真裕も行きにくくなるでしょ」
相変わらずのお父さんを、お母さんが宥める。好い加減恥ずかしくて仕方無いが、微笑ましい気持ちも正直ちょっとある。
因みに椎葉君と付き合い始めたことはお父さんには話していない。お母さんに相談したところ、おそらく知ってしまえば泡を吹いて倒れかねないということで、頃合いを見て報告することになった。
「ふふっ……。じゃあ行ってくるね!」
玄関を開けて家を出る。胸の高鳴りと騒めきが交錯する中、私は眩しい朝焼けに照らされる。
大学生活の、そしてプロ野球選手としての第一歩を踏んだ――。
……home in.
いつもお読みいただきありがとうございます。
今回を持ちまして、『ベース⚾︎ガール!!!!』は最終回、並びに『ベース⚾︎ガール!』シリーズ完結となります。
初投稿から五年半、苦労も少なくなかったですが、当初考えていたラストまで描き切ることができました。
読者の皆様の支え合ってのことです。
本当にありがとうございました。
……ということで。
流石にシリーズは完結です(笑)
先の物語も頭にはありますが、それはまた機会があれば描きたいと思います。
その代わり来週から『ベース⚾ガール!!!! スピンオフ~AFTER SUMMER~』を複数回に渡ってお送りしたいと思います。
真裕や京子、紗愛蘭たち三年生の夏大後の物語を描く予定です。
改めてになりますが、ここまでお読みくださった読者の皆様、本当にありがとうございました。
もう少しだけお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
2024年3月21日
『ベース⚾ガール!』シリーズ作者 ドラらん




