甘えん坊
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。深めのキスシーンがあります。
苦手な方はご注意下さい。
仕事帰りの恋人を迎えると、彼女は両手を伸ばしたまま固まった。掌を握っては開きをくり返し、わずかに小首を傾げる。不器用ながらも甘えて来たのは分かった。
「君、少し抱き締めさせてくれよ。そうだな……それから……うん。全てを溶かす程のキスをさせて欲しい」
「今日は珍しく甘えん坊ですね」
俺の恋人は物凄い強い人だった。弱音も、愚痴も、悪口も、彼女の口から聞いた事は殆どない。誰かに頼るの前に自分でどうにか消化する。人を必要としない自己完結性。
そんな彼女が俺からではなく、彼女から甘えて来ている。嬉しくない訳がない。それでもその有頂天になった気持ちを悟らせ無いように、先ずは抱き締めた。
それから瞼を閉ざして思い切り唇を奪った。舌を捻じ入れて、絡ませて、離れないように髪を巻き付ける。結構熱烈な、奪い、奪われる口付け。どうでしょう? ご満足?
「んぐ」
やはり苦しいのか、襟首を後ろから引っ張る。そろそろにしないと窒息死させる。名残惜しいながらも舌を出したまま離れた。唾液が糸を引く。
彼女は何だか全てを吹っ切れた様な笑い方をして、俺の胸元にしがみつく。
「ははは。私は甘ったれだよ、君。ただ顔も知らない、心も許して居ない奴に頼るのが嫌いなだけさ。不特定多数に構って欲しくない。構ってくれるのは君だけで良い」
「……っ」
本当に、この人は!! どうしてそんな口説き文句をさらりと言えるんだ!!
俺は額を押さえたまま、溜息をついた。彼女方は特段意識をして言った訳では無いようで、きょとんとした顔で、此方と目を合わせて来る。此処までは良かった。うん。此処までは。しかし。
「でもま、甘ったれだからね。どうでも良い奴に意地悪されたら、それはそれで傷付くんだ。無関心貫いてくれりゃ良いんだがねぇ」
全て無自覚で会話を進めるのは大変宜しくない事だと思う。しれっと地雷を踏み抜くのも、良くないと思う。だからこれは嫉妬心も思い切り込めて。
「ふぁぅ……」
またも唇を奪う。突然の事で驚いたのだろう。容易く舌の侵入を許し、格好の餌食となる。可愛い人。強い癖に素直。故に俺に好き勝手にされる。
「今は俺だけの事を考えて下さい」
まぁ続きはリビングで。
殆どない。というだけで、聞いた事はあるにはあると思います。でも自己解決してしまうので、殆どないです。
他の誰かかに構われても、嬉しくない。鬱陶しい。
意地悪と一緒で、無関心でいて欲しい。
だって面倒臭いから。
傷付く。なんて可愛い言葉使ってますけど、本来は上記の意味。
けども好きになった人から相手にされないのは嫌。
物凄く嫌。そんな子です。
暴君ですね。私は好きですよ。
追伸
付和雷同だけど、自分と同じ価値観の人相手には真面目に話す子が見たくて。
人と一緒だと自分が無いんです。だから自分を守る為にフラフラしている子が見たくて。
そんなずる賢い子を書いていきたいです。
純文学で書きたいですね。