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美少女ギャルの罰ゲーム告白見抜いて許したら絡まれるようになった件  作者: 夜依
美少女ギャルの罰ゲーム告白見抜いて許したら絡まれるようになった件
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第37話

「夏休みの予定決めるの今日にしてほしいんだが、大丈夫か?」


 夏休みを前にした大掃除も、分担された場所は終わり、放課後になるまでの時間教室の端でのんびりしていると、篠崎が声をかけてくる。


「俺はいいけど、若宮さんと芽衣はどうだって?」

「みんな今日の方が都合がいいんだと」

「なら、この後の方がいいな」


 篠崎と少し話していると、放課後になったことを告げるチャイムが鳴る。明日は成績表配るからサボるなよー、とだけ言って宮野先生が教室を去り、放課後が始まった。


「壮太、話聞いてる? 夏休みの予定決めが今日になったの」

「さっき篠崎から今日になったってことだけ聞いた」


 どこでやるのか知らないから、のんびりと篠崎が戻ってくるのを待っているところだ。篠崎は宮野先生が喋り終わるのと同時に、教室を出て行ったから場所の確認はできていない。特に何も言われなかったから、この教室だろうと思うが。


「じゃあ私たちも行こ。二人は一足先に自転車で席取りに行ってるから」

「えっ、ここじゃないの?」

「ほんとに今日になったことしか聞いてないんだね。駅前の喫茶店だよ。長くなるかもしれないから、なんかスイーツでも食べつつ、のんびりやろうってことでね」


 ほら行くよ、と言われるがままに、芽衣と共に炎天の下駅前の喫茶店まで歩く。駅まで続く大通りは陽炎が見え、汗でワイシャツがべた付く。もう夏だということを嫌でも強引に教えてくるような暑さだ。


「ねえ、私に呆れた?」


 駅前まで続く大通りを歩いていると、芽衣が突然そんなことを言い出す。


「えっ、何? どうしたの急に」

「いや、昔の話をこの間お見舞いに来てくれた時に聞いたらしいから、それで、その」

「あの話に呆れるようなところあったか?」


 俺だって突然そんなことになったら驚くだろうし、多少なり混乱したり精神的に参ったりはすると思う。それが中学に上がって環境が変わるタイミングならなおさらだ。


「それに、そんな状況でも家に帰ったら下の子たちの相手をしてたらしいし、それだけで十分すぎるくらいだと思うけど。まあ、少なくとも俺は呆れちゃいないよ」

「そっか。じゃあいいの。ごめんね、突然。ずっと気になってたから」


 そんなに気にすることだろうか。いや、まあ、よく話す奴に呆れられてるってのは嫌か。


「他になんか吹き込まれたりしなかった? お母さんすごいご機嫌だったから」

「いや、特には……。あっ」


 夕食をごちそうになった後も、やたらと俺にかまってきた芽衣のお母さんとは、連絡先を交換した。その後は定期的に芽衣の写真がエピソード付きで送られてくる。


「なに、何言われたの」


 ワイシャツの胸元をつかみグイグイ引っ張る芽衣。やめて、なんか酔いそうだ。多分、今背中にかいている汗は暑さからではないのだろう。

 大人しくメールボックスを開いて、携帯を差し出す。


「ちょっ、これ何」

「芽衣のお母さんが事ある度に送ってくるんだよ」

「ねえ、これ折っていい?」

「折るってなんだよ。一応携帯は使うから」


 もうやだ、最悪、とこぼす芽衣は、俺のメールボックスにあった芽衣のお母さんから送られてきたメールを次々消していく。女子高生用にカスタマイズされた携帯じゃなくても、女子高生の操作速度についてけるらしい。

 俺が使うとスペック持て余してる感がすごいな。


「送られてきたのは全部忘れて」


 芽衣は顔を真っ赤にして、携帯を返しながらそう言う。

 おう、とだけ答えたが微妙な空気が漂う。そんな空気を払拭しようと、お互い適当に話しているうちに駅前の喫茶店についた。



 喫茶店に入店し、おーい、と手を振る篠崎と若宮さんのところに向かうと、席は隣り合うように空いている。

 二席とも座りやすいように、軽く引いてから俺は篠崎の前に座る。


「お前、場所決まってるなら先に言えよ。この間も言ったろ、ホウレンソウは社会人の基本だって」

「次から気を付けるわ」


 俺はいったい何度こいつからこの言葉を聞いただろうか。

 若宮さんと篠崎は、すでに注文を終えていたので、俺と芽衣も注文を済ませる。それから間もなく、飲み物が運ばれてきたタイミングで、ノートからページを2枚切り取って、若宮さんが机の上に置く。


「さて、じゃあ夏休みの予定を決めよ。まずはこれに予定のある日だけ書き出して」


 4分の1に切られたノートのページが渡される。予定らしい予定は、親のとこに行くだけなので、その3日分だけ書き出す。皆は部活や生徒会、友達付き合いでそれなりに予定が埋まっているらしく、一人手持ち無沙汰になる。今を生きる高校生なら携帯でも弄って時間をつぶすのだろうが、ご生憎様俺に携帯を使いこなすだけのスキルは無い。


「おい、課題をやるな。課題を。楽しい夏休みの予定を立ててるのに、そんな嫌なものを出すな」


 嫌なものって言い方は無いだろ。どうせ立てる予定の中には勉強会も入ってくるんだし。


「悪かったよ」

「みんな書き終わってるみたいだし、やりたいこと出していこ」


 俺の手元には全員分の予定表が集まっている。とりあえず集まれる日を整理するのが俺の仕事らしい。まあ、エアコンの効いた部屋で祐奈と駄弁るか、ゲームするか、勉強するか、家事やるかで去年の夏休みを過ごした俺に、夏休みだからといってやりたいことが思いつくはずもないのでいいのだが。いわゆる適材適所というやつだろう。

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