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美少女ギャルの罰ゲーム告白見抜いて許したら絡まれるようになった件  作者: 夜依
美少女ギャルの罰ゲーム告白見抜いて許したら絡まれるようになった件
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第28話

 篠崎の家を出て若宮さんの家を目指す俺と篠崎。

 買い出しという体で若宮さんと芽衣と別れた俺らは、飲み物と軽くつまめる菓子を買い、ケーキを受け取ってから若宮家に後から向かう予定だった。しかし、篠崎に連れてこられたのは篠崎の家。買い込んだパーティーグッズの回収かと思っていたが、篠崎が手にしたのはヘアワックス。俺の寝ぐせ交じりの髪はあっという間に整えられていく。

 さらに、くたくたの制服を剥ぎ取られ、この時期らしい爽やかさを感じる私服に着替えさせられた。


「おい、そろそろ俺のこの格好を説明してくれ」

「俺と菜々香からの廣瀬へのプレゼントだぜ」

「いや、意味分からんて」

「おしゃれしたお前をプレゼントにするってことだ」


 意味分からんし、それプレゼントになるの? いらないとか言われて一番傷つくの俺じゃん。


「安心しろ、他にも軽く用意してる。メインはお前だが」

「そこは冗談だ、と言ってほしかったぜ」

「服とワックスはお前にやるから、これからは廣瀬の前くらいちゃんとしろよ」


 いや、なんでだよ。意味が分からん。なんて俺の声はもちろん無視された。

 それはさておき、先程からチラチラ感じる視線がうっとうしい。篠崎といると、この視線浴びなきゃならんから困る。さっきからちょくちょく声もかけられるし、若宮さんに密告してやろうか、このイケメンめ。


「もう着くからこれ渡しとくな」


 手渡されたのはクラッカー。これも予定にない。計画変更は電話で教えてくれるんじゃなかったの? またしても、篠崎の伝達ミスか?


「なにこれ?」

「これはクラッカーって言ってだな、割と有名なパーティーグッズなんだぞ」


 おい篠崎、俺の友好関係が異常に狭いからっておちょくってるのか? 俺とてクラッカーくらい知ってるし、使ったこともあるわ。祐奈の誕生日祝いで昔に1回だけだけども。


「いや、それくらい分かるから。そうじゃなくてどうするの?」

「玄関を廣瀬が開けてくれるようにするらしいから、そこでクラッカーを鳴らすんだ」


 そういいながら篠崎が入っていったのは、最近出来たであろう家賃が高そうな高層マンション。玄関のロックを開けてもらい、エレベーターに乗る。

 うちの両親が住んでいるぼろマンションのエレベーターとは違い、広くて静かだ。なんだか、えげつなく場違いなところに来てしまった気がしてならない。篠崎は平気みたいだが、何度か来ているのだろうか? まあ、あまり深く考えると生々しい話につながりそうだしやめとくか。


「じゃあ、インターホン押すから準備しておけよ」


 くだらないことを考えながら、篠崎の後ろについて歩いていると声をかけられる。立ち止まったのは角部屋の前。

 こんな高そうなマンションの上層階角部屋って、若宮さんは何者なんだよ。お嬢様だったりするのかね? 俺が持ってきた昼飯は、安物の食材で作ったパーティーメニューだけど大丈夫?


「ようやく来た、待ってたよ」


 俺の返事を待たず、インターホンを押していたらしく、ガチャっと音を立てて扉が開き芽衣が迎え入れてくれる。後ろには若宮さんがクラッカーを構えてこちらを見ている。俺らは一歩踏み込んで部屋に入ると、口を開いて、クラッカーのひもを引っ張る。


「誕生日おめでとう」

「おめでとさん」

「おめでとう」

「えっ、ちょっ、え?」


 困惑している芽衣。まあ、びっくりだよな。試験の打ち上げって言われてたのに、突然玄関で誕生日祝われるんだもん。


「みんなありがと」


 照れながら、はにかんで礼を言う芽衣は絵になりそうだ。

 リビングへと移動した俺たちは、家主に持ってきた昼飯や荷物を預け、席につかせてもらった。


「ところで壮太どうしたのその格好」

「篠崎にやられたんだよ」

「私と和也からの誕生日プレゼント! おしゃれな雨音君です!」

「えっ?」


 そうだよな。それが自然な反応だよな。篠崎もだが、若宮さんも自信満々にそう言うから若干自信なくなってたんだよね。


「前にお休みの日に二人と会ったじゃん。その時の雨音君はちゃんとしてたけど、普段は残念な感じだからって。発案は和也君です。まあ、もう一回くらいちゃんとした雨音君見たいって芽衣ちゃんが言ってたからってのもあるんだけどね」


 よし、篠崎。お前さっきのこと若宮さんにチクっとくからな。しかし、そんなこと思ってたなら言ってくれれば良かったのに。自力で髪セットできる気はしないけど。


「なるほど、ありがとっ!」


 おい、莫迦二人に気を使わないでいいんだぞ。


「壮太もありがと、嫌じゃない?」

「別に嫌じゃないけど、そんなに良いものかね?」

「かっこよくなってるよ。声かけられたりしなかった?」

「篠崎のおまけで声かけられたくらいだな。あいつと歩くと視線もすごいし。そうだ、若宮さん。篠崎が他校の女子に声かけられてデレデレしてたぞ」

「ほんと? 情報提供ありがと」


 タイミングよく、何も知らずトイレから戻ってきた篠崎は、若宮さんの手でキッチンに引き込まれた。キッチンは凶器が多いけど、篠崎なら大丈夫だって信じてるぜ。

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