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美少女ギャルの罰ゲーム告白見抜いて許したら絡まれるようになった件  作者: 夜依
美少女ギャルの罰ゲーム告白見抜いて許したら絡まれるようになった件
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第24話

「おっ、こっちも出来てるね。私たちのとこも出来たよ」

「じゃあ、あーしたちそっち行くわ」


 あーしさんともう一人がそれぞれの分を持って、廣瀬たちの班の方へといってしまった。しかし、入れ替わりで若宮さんと廣瀬がこちらにやってくる。


「私たちのとこで作ったグラタンも食べてね」


 机の上に2人が置いて行った半人前4セットと同じように、半人前のグラタンが4つ机に並べられる。

 どうやらこの4人で食べることは決まっていたみたいだ。俺は知らされてなかったけど。けど、あれだな。篠崎が班決めのとき言ってた楽はしたいけど、若宮さんの手料理が食べたいって願望叶ってるじゃん。顔が良いと願望が叶うのか……。

 席について手を合わせれば実食の時間だ。


「美味しい……」

「でしょ!」

「お前、調理器具洗ってただけなのに、なんでそんな自慢げなんだよ」


 若宮さんの感想にやたら胸を張ってこたえる篠崎にツッコミを入れておく。


「ほんと美味しい。手際も良かったし、毎日作ってるだけあるね」

「そう言ってるけど、そっちの作ったグラタンだって美味しいじゃん」

「ありがと」


 顔を赤らめ、うつむく廣瀬。褒められてそんなに嬉しいものかね。それとも、ミネストローネ熱かった?


「雨音君、名前で呼んであげなよ。芽衣ちゃん頑張って作ってたんだよ」

「そうだぞ雨音。うまいこと逃げるな」


 理由は分からんが、この間から廣瀬を名前で呼ぶように強要されているけど、うまいこと代名詞やらで逃げてたら、若宮さんが指摘するようになってきた。篠崎は毎度若宮さん側につくから、1対3になって不利なんだよなぁ。というか、休み明けに一緒に昼飯食ってから、4人で一緒にいること増えたな。


「えと、グラタンも美味しいよ芽衣」


 顔を更に真っ赤にしてしまう廣瀬。

 これやっぱり駄目じゃない? っていうか俺の方が恥ずかしくなってきた。


「いきなり呼び捨てとはやりますね、和也君」

「雨音はそういうやつだからなぁ」

「そういうやつってなんだよ」


 君らが煽るから俺はそうしたんだけども。まったく冷やかすなら帰ってくれ。


「とはいえ、これで雨音君に唾つける人はいなくなったんじゃない」

「だろうな」


 唾つけるって何なの? いじめ? 唾吐きつけるってこと? 廣瀬のことを名前で呼ばなかったらいじめの対象になるところだったの? 意味が分からないしトップカースト怖いんだけど。


「また変な勘違いしてるの?」

「だろうね。顔真っ青にしてるし」


 変な勘違いってなんだよ。唾つけるには、ほかの意味でもあるの?


「しかし雨音の作る飯美味いよな。毎日でも食いたいくらいだ」

「お前それ彼女が作ったグラタン食いながら言うのかよ」


 作る側としては嬉しいが、若宮さんから殺気を感じるから。若宮さんが怖いよ。言うタイミングというものを考えてほしいものだ。


「和也君、お話ししよっか」


 さよなら篠崎、俺を巻き込まないでくれよ。


「あーあ」

「どうせ放っておいたら、いちゃつきだすだろ。しかし、ほんとに美味いな」

「そう? 最近マ、お母さんの手伝い始めたからかな。壮太ほどじゃないけど、手際よく作れるようになってきたの」

「なるほどね。ところで足りなくないか? あれならパン食べる?」


 足りない気がしてたので、コンビニで買ってきたフランスパンを食材入れて持ってきた袋から取り出す。


「一切れだけもらおっかな」

「このままでいい?」

「何かするの?」


 まあ、見てなさいなって。

 篠崎に片付けさせず残しておいたソテーのバターソースの余りをフライパンに少し戻してパンを投入。少し待てばいい香りが調理室いっぱいに広がる。

 これは悪辣な飯テロ行為なのでは? 上の階で4限の最後の10分間、空腹と闘ってる生徒に怒られない? 武装蜂起して抗議しに来るのだけはやめてもらいたいね。


「雨音、くれ」


 お話しが終わった篠崎が皿持ってこっちにやってくる。

 篠崎よ、お前なんでお話しすることになったか学んでないでしょ。


「まあいいけどよ」


 ニンニク、でも美味しそうと迷っているのは廣瀬だけでなく、若宮さんもだ。

 ところでこのフランスパン5切れしか入ってないんですよね。篠崎がいつの間にか2切れ食ったせいで俺の分一切れになったんだけど……。こいつ、遠慮って言葉を知らないのかね。


「焼いたの食べる」

「私も」

「はいよ」

「「あと、今日の勉強会は中止だから」」


 さようですか。

 しかしそんなに匂い気になるのかね。俺らも同じもん食ってるのに。祐奈が持ってる少女漫画のヒロインは、両方匂うなら問題ない、みたいなこと言ってたけど。


「焼けましたよ、お二人さんの分も」

「なんかこうやってうまくやるのは毎日台所立ってないと出来ないよね」

「料理慣れてる感じだよね」


 いや、今日のは最初からこうするつもりだったんだよ。てか俺の分端っこじゃん、あとで篠崎に購買で何かたかっとこう。

 色々あったが、調理実習は想像してたよりもあっさり終わった。

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