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かんたんファンタジー  作者: 挫刹
†そして顛末へ……
62/66

・抜刀剣の使い手



 雪融けの村モフリの外れにある魔法屋兼喫茶店の店内。


 テーブルの上に、紅い香茶の揺れるカップが置かれた。


「それであれからの事なんだけどな?」


 ふんぞり返って、テーブル席の正面に座る魔王少女が言う。


「おれの名前がアンメリエット・ロズマリー・ゴアから、

アンメリエット・アンメリー・ゴアに変わった。

まあ、また変わるかもしれんが気にするな」


 著者の気分で、

 本名が物語的には形式的に変わってしまった魔王少女が言うと、

 となりに座っていた帝国皇女もこっくり頷く。


「わたしの名前もプリンヘレン・ガルギアに変更になりました。

これからはこちらの名前で呼んでください」


 その笑顔にも、

 少年は、引きつって笑い、

 目の前にある自分の黒い珈茶(ブラックコーヒー)の入ったマグカップに手を伸ばそうとした。

 耳をすますと、

 何やら店の外が騒がしい。


「おい、今日こそ決着をつけてくれるぞっッ!

聖騎士ッッ!!」

「望むところだッッ!

我が正義の一撃を受けるがいいッ!暗黒騎士ッ!」


 チュドーン!

 ドコーン!と盛大に爆発音と振動が伝わってくる。


 が、

 少年は努めて、気にしないようにしていた。


「高潔は崇高にして排すべからずッ!

被るッッ!

神聖剣、神技ッ!第2剣!

不静明星剣イーベルン・サレスティッッッ!!!」


 カキカキーンと何かが凍るような効果音がここまで響く。


「黒に崇拝し暗の境地ッッ!!

その身で味わうがいいッッ!!!

暗黒剣ッ!片鱗解放リンシャンカイホウッッ!

刑都螺王剣ッ!暗・剣・闇ッッ!!!!!」


 ウワ~ン、スコーンと空間が歪んで何かが突き抜けたような音もするが、

 やはりここでも気にしないでおくことにする。


「くっ、殺せっ!」

「殺さんッ!苦しめッッ!ぶほっ!」


 膝をつき、

 体も弾き飛ばされて、

 それでも、

 カキン、ズドドドドドドと立て続けに続く効果音が止みそうになかったので、


 少年は仕方なく脇に置いてあった鉄の剣を手に取ると、

 鞘から少しだけ剣身を引き抜いて、

 またチンと納刀する。


 ……、


「アーっ!」

「キャッー!」


 どこかのシュミレーションRPGのような断末魔が聞こえる。

 これでどうやら外でケンカしていた二人の騎士も黙ったようだった。


「何をやった?

アズル・アズアール?」


「なにって、

遠隔で刀徹を当てただけだよ。

抜刀剣の一つ、遠当て用の技、アシュウラ。

それを下から痛覚だけを激痛で走らせて、もんどり打たせただけ」


 あっさり言って。

 ブラックコーヒーを口に含んで、

 英字新聞を広げる。


 さすがは中学二年の一歩手前である、

 中学一年生の少年アズル・アズアール。


 中二病の要所を押さえている見事な「闇歴史」っぷりである。


「……で、そのあれからの事なんだがな?

アズル・アズアール?」


 魔王少女の意味深な視線に、

 少年も自然と目を落とした。


「この村に本人も来てるんで、場所を変えよう。

こっちだ」


「えっ……?」


 驚く少年に、

 魔王少女も、皇女も、聖女も(いたんです!)立ち上がって、


 場所を変えた。




(※お好きな次回予告BGMを鑑賞しながらお読み下さい)



【次回予告】


 やっと普通の日常に戻ってホッとするのは家事に従事する者だけだろう。

 お母さん、いつもありがとう。

 親父、てめえは金だけおいて帰ってくるなッ!

 こんな理不尽がまかり通る無情な世の中……。

 おお、世の中は何と世知辛いことか……。

 え?かく言うワタシは何をやっているのかって?

 それはもちろん、

 まだ「中学生の悩み」用のエッセイの文もまだ一文字も書けてませんッッ!

                   (8月31日午後17:10分現在ッッ!)

 まったく。

 活動報告ではあれだけ豪語した今日の9月1日用のエッセイは間に合うのか?

 期待されているぞッ?ワタシっ!


 次回! 宿題に追われるのは大人も同じな かんたんファンタジー 第62話!


 『初心者の酒場』


 さて?特別企画に追い詰められて、私の物語構成力はどれだけ上がった事だろう?

                           (デン♪デンデデデン♪)


 ※次回の更新は、お知らせ通り来週9/8日曜日朝八時の一回だけです。

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