・道具屋
道具屋の看板マークがある。
透明な水瓶のビンに水色の液体が入ったようなマークの看板だ。
「あら、見かけない子だねぇ?
おや、最近来た子なのかい?
ひょっとして坊やが村長の言ってた?
まぁまぁ、それは大変じゃないのっ。
そうかい、そうかい。
そんな歳でねぇ。
お父さんとお母さんは?
地元に残って?他にも兄弟が十人以上っ?
それで、ここまで来たっていうのかい?
大変だったじゃないのっ!
そんな歳で、こんな仕事をッ。
え?13なのかい?
その歳なら、ウチの子と同じぐらいかねぇ?
女の子だよ。ウチの娘。
時々、ここの店番もやってるから、その時はよろしくお願いね☆
え?
それで品物を見せておくれって?
はいはい、こっちよ」
店の女性が棚を指差す。
・薬草
・傷薬
・栄養剤 ピッ、
・水筒瓶 ピッ、
・非常食 ピッ、
・弁当(要予約)
・薬草の種の実《緑》 ←\チッカ、チッカッ/
・薬草の種の実《青》
・薬草の種の実《赤》
・薬草の種の実《黄》
・携帯、原始肉(マンガ肉)焼き器。
←《1/2》→
手に掴んでヒョイッと取り上げる。
「……薬草の種の緑、一つでいいのかい?
そうかい。下の農園でねぇ。
パンちゃん、口は悪いけどいい子だから、仲良くしてやってね?
パンちゃん?
ああ、そうそう、あの歩くバンブーちゃんよ。
パンダ?……ああ、そういう向きで言う人もいるわね……。
都会から来た人には、やたらそう言われるかしら。
でも、あの子、コボルトって種族なのよ?
コボルトのバンブーって種族の子なの。
コボルトはだいたいヒトと同じ手と足のある子熊みたいな感じの種族だから、しょうがないと言えばしょうがないかもしれないんだけれどねぇ。
なんだったかしら……、パンダって呼んでる「地球」の方ではコボルトは「犬」の姿で一般的だったのかしら?
都会はすぐに「地球」なんてところにカブれちゃうからダメよねぇ」
道具屋の中年女性が鬱屈そうに外と店内の間にあるカウンターの台で頬杖を突く。
「アンタも簡単に「地球」なんてところに影響されちゃダメよっ。
こっちにはこっちのやり方があるんだからッ!
え?
それで、まだ御用があるの?
はいはい?
次は武器屋か防具屋を見に行く、ですって?
だったら武器屋はすぐ隣よ。
とは言っても、そんなにいいものは置いてないはずだから。
これからボクちゃんがこの村で活躍でもしてくれれば、
店の品揃えも充実してくるかもしれないけどねっ。
ウチも隣もっ」
店の窓から身を乗りだしてオバチャンが見送ってくれた。
(※お好きな次回予告BGMを鑑賞しながらお読み下さい)
【次回予告】
なんとか今回のサブタイトルは予定通りで、ほっとしたのも束の間。
著者が、ファンタジーで地球の事を持ちだそうとすると途端に物語がつまらなくなることを悟った時。
次の武器屋がまた一筋縄では、いかなかったっ?
次回! かんたんファンタジー 第五話。
『武器屋』
なんか女の子の影……多くありません……?(デン♪デンデデデン♪)
来週もまた読んでねー!!♡