・悲を流せ……、
突如現れた、
怪獣王のような二足歩行怪物機械が放った咆哮熱線を避けて、
やっぱり着地した少年は最近よく着地ていると感じながらも、
青マントを羽織り直して天空の橋を走りだした。
「おい。オーロラロードを三つに分けろッ!」
黄金騎士が独り言を叫んで命じると、
公転していた浮遊小島が作っていた巨大な天空の街道となっていた橋が、
三つに分かれだす。
「ウルトラアームズ。略してウジラ。
え?ウとラの間にある「ジ」はどっから来たんだって?
そりゃ、ごり押しに決まってんだろ?
濁音ねえとカッコよくならねえの知らねえの?
パクリ元の事も考えて暗喩してやらねぇとわっかんねえだろ?(あ、言っちゃった)
つっても、まあ、濁音あってもしまらねえけどなぁッ?
クカカカッカカカカッ!
で、ウジラ。
テメェはそこから一番端の橋に飛び移って走れッッ!(超ダジャレッッ!)
おれたちはこっちの反対の橋から走って小僧を追い詰めるッ!」
黄金の騎士が怪獣機械に命じると、
怪獣機械がドっ神と真ん中の橋の道から向こう側の橋の道に飛び移った。
三本の橋の線が、右、左、中央から
地平線でも水平線でもない空平線の彼方へと遠近法に集まって消えている。
青いマントの少年は一人、
敵の視線に耐えながら真ん中の橋をひた走っていた。
「へいへい、半野木昇。
俺たちを無視して何処へ行こうって言うんだ?
なぜ、俺たち敵側の本拠地を目指す?
そこに何があるのか知っているのか?
お前はいったい、ここに何しに来たッ?」
橋と橋の間にある断崖絶壁の航空空間を挟んで、
黄金の騎士が青いマントを風になびかせながら走る少年を見る。
「本当は、お前は何も分かってねえんじゃねえのか?
なぜ?お前をここに呼んだヤツらは、俺たちの本拠地を目指すのかッ?
そこを目指して、
そこに何があるのかッ?
そこで何をするのかッ?
お前はそれを分かって上で、
本当にここに来ているのか?」
黄金の騎士の問いに少年はやっぱり答えない。
「おれとは反対の橋で走っている、あの「怪獣王」みたいな機械よぉ?
あれ、ウルトラ「アームズ」とか言っただろ?
著作権ッ!
くくく、
お前ってさぁ、マンガは読むか?
読むよなぁ?ガキだもんなぁ?
なら週刊少年誌の漫画は読むかッ?
週刊少年漫画雑誌の名前は知っているか?
地球の日本の三大週刊少年漫画雑誌だ。
ならここでは、その名を言ってやろうか……?」
……な?いや、まさか……、そんな……。
「……ククク。挫刹、慌てているな?
そうだッ!著作権違反だッ!!!
だから、
いまこそ、ここでその「三つ」の名を言ってやろうと言うのだッ!
覚悟せぇよッ?挫刹ゥッ!」
や、やめろ……っ、
止めろぉっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
「はあ、はっははっはあはははあっはっはは、
三つの三大少年漫画雑誌の名前とはなぁッ?
跳躍、弾倉、日曜日だッッッッッッ!!!!!!!」
………………っえっ?………………。
「……なに間の抜けた顔してんだ?挫刹ぅ?
こんなのは英語に直しゃあすぐにわかんだろ?
それとも何か?ビビってんのか?
ビビってたのかぁッ?」
ベ、別にビビッてなんかッ、ないんだからねッ!
「なら、ここでもう一度トドメだァ!
まずはお前の心の奥底から出るッッ!!!!
そのッッッ!!!!!!!!!」
そして、
なぜか黄金の騎士とは反対の橋で走っている機械怪獣メカウジラ(ん?)が咆え叫ぶッ!
「悲ヲ流セッッッッ!!!!」
後半、「憐れな虫けらどもよ……、」は今日の9時に更新!
後半に続く。




