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かんたんファンタジー  作者: 挫刹
†最終ステージ
38/66

・まだまだ戦う者たち



 盾を縦に構えながら黄金の騎士は自分で自分に問答する。


「盾で攻撃をするのなら、

剣は一体何に使うのかッ?

その答えは……CMのあとッ!」


 えっ?

 登場人物の話し言葉を記述している著者ワタシが驚く顔に、

 黄金の騎士は訝しんでおどける。


「なに驚いてんだ、挫刹?

まずはオレの手の内をバラす前に、

反省会からしなくちゃなぁ?


参議院選挙が終わって、その結果がこっちにも来ている。


2019年7月の参議院選挙は、

与党の自由民主党は単独での獲得議席過半数は獲れなかった。

そして投票率なんだが……、

こいつはヒデェな。

48.80%……。


おい挫刹?

お前は、これを見てどう思う?」


 ……。


 当初の目標だった全政党の獲得議席数過半数割れについては

 赤点ギリギリで補習は免れたってところか……。


 投票率に関しては……、完全な落第点だ。

 正直言って、こいつはお手上げ。


「フンっ?

では、その投票率が下がった原因は、どう分析して捉えているッ?」


 ……。

 2019年7月の参議院選挙の投票率が下がった原因は主に二つある。


 一つは、都市圏の有権者の一票の重さを軽くし、

 薄くもしている『一票の格差』。


 そして、

 もう一つが、

 現在の無党派層が、恐らく「無温」の状態だという事……。


「『無温』の状態だと?どういうことだ?」


 言葉通りの意味だ。

 熱くもなく冷たくもない状態。

 それが現在の日本の有権者の51.20%を占めている。

 選挙権を持つ『粒子』の半分以上が熱を持ってないし感じていない状態だという事だ。


 つまり熱を持ってない粒子は、熱を持っていないが故に動いてすらいないのだ。

 だからマクスウェルの悪魔は二つの部屋に分ける事が出来ない。

 マクスウェルの悪魔は『動いている粒子』を二つの部屋に分けるのだからな。


「粒子自体が動いていないのか……。

なら、それを動かすにはどうする?」


 焚きつければいいのではないのか?

 日本人は流行に敏感だからな?熱しやすく冷めやすい人種。

 何か熱を与える流行でも起こしてやれば、簡単に投票率も上がるだろうよ?

 ただしっ!それをやると既に選挙というものが必要ないッ!

 選挙はマクスウェルの悪魔だからなッ?


 粒子自体が熱に変わっていくのなら、

 それはもはやマクスウェルの悪魔という第二種永久機関の力ではなく!

 熱エネルギー自体を直で生みだす第一種永久機関の力ということだッ!

 恐らくその時点で選挙は機能しないだろう。

 政治も、もはや機能してはいまい。

 民主主義が暴力主義にとって変わる。

 切り替わるのだ。


 戦争だろうな?


 それが第一種永久機関の役割だからな?


「投票率が上がったと思ったら一気に民主主義を台無しにして戦争に突き進むのか?

良い話だな?

おっと、そう言えば、

……もう一つの原因は「一票の格差」だと言ったな?

参議院選挙が終わった直後、それについて法廷活動として動き出したヤツラがいる。

その事についてはどう考えている?」


 ……はあっ、

 あれさ、

 なんで選挙が終わった途端に急に「一票の格差」だと言って騒ぎ出しているのか、オレにはよく分からないんだよね?

 選挙が終わった途端にいきなり「一票の格差」で違憲だッ!とか言われてもさ?

 だったらそれを政策として考えている党を選挙で一票、入れて選べよッ!って俺は思うよね?

 まあ、オレの隣で半野木昇もそう言ってるんだけどさ?

 あー、うるさいっ!


 それで、

 一票の格差とは政策上で語られるべき問題だッ!

 それなのに、

 それをそんな選挙が終わった途端にわざわざ「一票の格差があるから、この選挙は無効だッ」って話には、少なくとも俺は一票はやれないなッ!


 それを言う前に、

 国民は、政党の連中たちにそれをこの参議院選挙中の選挙運動で言わせるべきだったッッッ!

 ま、それをやってなかった時点で、これは「国民側の落ち度」だッッ!

 と、日本国民である俺はそう思っているがな?


 いまさら騒ぐなよ?

 騒ぐんだったら次の選挙まで我慢しろ?

 それは次の選挙の争点だッ!

 それも出来ない国民にッ!「一票の格差」など語る資格はないッ!


「……威勢のいいコト言ってるけどよ?

一票の格差と投票率って関係あるの?」


 大いにあるな。

 現在の日本国民の有権者数の大部分は大都市圏に偏重している。


 例えば有権者人口1000万人の大都市県と100万人の郊外の県があったとする。

 人口が1000万の県の選挙区の議席数は仮に10としておこう。

 そして100万人の県はたったの1。

 さて?一票の重さはどちらが重い?


「どっちが重い?うーん、よく分からねぇな?」


 なら、こう言おう。

 どっちの県の方が……たったの一票の動きで一議席の立候補者の当選と落選が決まると思う?


「100万人の県か?」


 その通りだ。

 1000万人の県は議席数が10あろうと投じる事が出来る票は「一つ」なんだな?

 つまり議席数が10あろうと、有権者が10回投票できるわけではないッ!

 大都市圏の有権者はな?

 選挙区の議席数が複数あった場合、他の議席数の投票権には関知や関与ができずッ!

 放棄している事にも等しいのだ。


 得票数とは人気順で決まるからな?

 暴論上、一番上の議席に当確した候補者が900万票をかっさらったとしたら、残りの9議席は100万票で決まることになる。

 その時に残った立候補者は20人とでもしておこうか?

 残り20人で残り9議席を争う。

 その時に使える票はたったの100万票。

 さて?

 最初の人気取りで1議席に集まってしまった900万票の中でムダになった票はどれだけあると思う?


「すげぇな?

大都市では一人に票が集まり過ぎると、そこに集まった一票の殆どが効力や意味を失くして薄くなるのかッ?」


 そういう事だ。

 これが投票率の低下に拍車を駆けている根本的な原因の一つッッ!


 大都市圏の投票価値は、数字上の数値以上に他県に比べ著しく低下しているッ。

 だから投票しても無駄だと考えるんだよ。

 実際、人口過密の都市圏での一票の効力は薄いからな?


「それの解決策ってのは考えてんのか?」


 それは、この虚構では詳しく描写するつもりはないが、

 触りだけは、次の後半にしとこうか。





後半、「未確認戦闘シンドローム」は今日の9時に更新!


                     後半に続く。


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