・決戦
「やっと普通の戦いができるようになったなッ?
行くぞっ、半野木昇ッ!」
「だからぼくは半野木昇じゃないッ!」
飛びかかってきた黄金騎士の一撃をあっさり避けて、
剣を持っていない青いマントの少年が天空の橋の道の先で着地する。
「ではお前の名前はなんだ?
半野木昇?」
しつこく半野木昇に拘る黄金騎士に少年はため息を吐いた。
「ぼくの名前はアズル・アズアールだ。
アズルでも、アズアールでも好きな方で呼んでください」
「よし、わかった。
ゆくぞっ?半野木昇ッ!」
コイツ、全然わかってねぇ……ッ。
うんざりした顔で『少年』は騎士を見た。
「……なんか、目の前の騎士以外からも名前で呼ばれてないような気がする……?」
ドキッ!
まったくカンの鋭いガキは危険である。
一応、言い訳をしておくと少年を、少年ではなくアズルと地の文で書こうとするとなんかしっくりこなかったんだよね?
だから当分は、名前があっても少年と書いてしまうような気がする……。
「ひどい話だなぁ、お坊ちゃんッ?
あれ?
なんかオレのセリフもミノフ節に戻らねぇぞ?
おいっ?どうなってんだ著者ぁッ?」
なんでこの物語を一生懸命綴っているこの著者が、
こんなタダの単なる物語の登場人物に怒鳴られなければならないのか?
「それはテメエの文章力が不安定だからだッ!
このクソ挫刹ゥッ!!!!!」
……泣いていいですか?
え?ダメ?あ、ハイ分かりました。
頑張って書きます(やっとここまでで500文字……フ、長いッ《泣き》)
「そんな事よりどうすんだよ?
オレのミノフ節で喋るっていう設定が消えたぞ?
それはいいのか?おいっ?」
……いい。
「……ヤロォ、開き直りやがったなッ?
まあいいや、オレもああいう喋り方はメンド臭くなったてきた所だッ。
まあどっちかって言うとメンド臭くなったのは挫刹の方なんだろうがなッ?」
……スンマセン。
「謝んなよッ?
どうせ簡単なファンタジーなんだろ?
まあ、それで割り喰って嫌気差してブラバかますのは読者なんだけどな?
挫刹、お前、それでいいのかよ?」
そんな事より、お前は彼の相手でもしてやって下さい。
「へっ、言うじゃねぇか?
そんなら行くぜっ!
まだ千文字もいってねぇがここで終わらせるッッ!
俺の得意技はなァッッッ!!!!!!」
黄金の騎士が自分の持った最大の凶器をタメにタメて無防備な少年に向けて、
照準を合わせるッ!
「……シールド・バッシュッッッ!!!!!」
それは……黄金の剣の一撃では無くて、
黄金の盾による……ただの単なる真正面からの『突き』だった……。
後半「戦う者たち」に、つづく(今日9時更新)
この作品の中のうちで、
この今回のお話「決戦」は通常のファンタジーのお話ですので、
この回のお話「だけ」なら印刷されても大丈夫です。




