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かんたんファンタジー  作者: 挫刹
†最終ステージ
33/66

・駆け抜けるのは虚構と行動、追い駆けるのは青と金



 参議院選挙の投開票日まで、あと一週間……、


 政権与党は選挙活動を進めるものの、無機質な無党派層の存在感によって思うような手応えを実感することができないでいた。

 一方、野党共闘側の野党党首らも日増しに反応の薄くなる聴衆を前に、無気力な無党派層の真意と民意を掴み取る事が出来ず、やはり態勢の立て直しを必要としていた。

 その為、野党勢力は通常どおりの与党批判を訴える事で政策の内容をカバーし。

 一方の政権与党側も過去の野党の政権時の姿を露骨に批判することで、無党派層の支持を取り付けようとしていた。


 同じころ、「小説家になろう」運営からのお知らせを完全に無視した挫刹はマイページに篭り運営打倒の機会を窺っていた。

 しかし、憤懣やるかたない運営は警告メッセージに挫刹追討の命を載せ、

 さらに反逆者として再度、その首に懸賞金までは懸けなかった。身辺に身の危険を感じた挫刹は自分のマイページに意地でも齧りつくことを決意する……。


               『第三惑星地球史日本版第2019部第7章15話0900』



「……残りの一週間が始まるな……?


日本の国民はオレたち帝国民の様になるんだろうか?


オレたち帝国民は……、いやいい。

どうせこの著者は、

こういうロクに設定も考えていない事を適当に言わせて文字数を稼ぎたいだけだろうからな……」


 ドキッ!


「……ヤツら日本国民は政治に踊らされ続けるだろうッ。

それはオレたちも変わりねぇ。

なんか、クソ怪しい「前書き」が本文みたいな感じになっているが、

なるべく本文こっちの文字数を多くしてお茶を濁してやるさ。


話を戻そう……。


……日本の本土は沖縄化しつつある。

それはヤツラも分かっているだろう。


その時に、ヤツら日本国民はこう言うのさ?

兵器に犠牲にされていくヤツラを見て……。


アイツラは『運が悪かった』とッッ!!!


同じ日本国民が犠牲になっていくのを見て、

きっと間違いなく、そう言うだろう。


選民思想。


自分は国民の中でも「選ばれた側」だとッッ!


だから沖縄が犠牲にされても、山口が犠牲にされても、さらに秋田まで犠牲にされても平気でいられる。

『運の悪いヤツラ』だと言ってな?

同じ日本国民同士でだッ。


戦時中なんて、みんなそんなモノだろう?


偉そうな事を言ってるヤツラは、自分が引き金を引いても、

それで自分まで犠牲になるとは思ってもいない。


なぜなら自分は選ばれているからだッ!

『運のよかった人間』だとッッ!

運も実力の内だと「ヤツラ」は言うからなッッ!!!


だがな?

一旦、自分も運が悪くなると?

今度は「自分は悪くない」と言い出す始末だ……。

この言葉の意味が分かるか?

この「自分は悪くない」という言葉はな?

実は、責任逃れの為の「自分は悪くない」って意味の言葉じゃないんだぞ?


『自分の運は悪くないッ!』って意味なのさッ!」


 断言して言う黄金の騎士が満を持して笑う。


「今、選挙で偉そうに拡声器で喋っているヤツラはみんなそうだぞ?


『自分は運がいい』と思いたいんだ。

国民からの人気票が入って「自分は運がいい」んだとなッ?


そして、その「運のいいヤツ」らが……今度は人を殺していく……。

「運の悪いヤツラ」を殺していくんだ……。


その殺されていく「運の悪いヤツラ」ってのは誰のことだと思う……?」


「……選挙に行かずに投票もしなかった国民……でしょ……?」


 青いマントの少年アズルの言葉に騎士は笑う。


「その通りだよッッ!


運悪く投票する先が全く無かった国民だッッ!

不幸なヤツラだよなぁッッ!!!!


投票する先さえあれば……「運のいい奴」になれたのになぁッ?」


 現実を侮辱する騎士に、

 著者であるワタシもウンウン頷く。


「……おい挫刹?

笑っているお前は一体、どこに入れた?」


 え?


「お前はこの参院選の選挙で誰に入れたんだよ?

お前、日本人だろ?

だったら、日本人のお前は誰に票を入れたんだ?

期日前投票……行って来たんだろ?」


 げ……?

 え……っ、

 あ……、

 お、おれ?

 おれは……「マクスウェルの悪魔」……。


「は……?」


 いや、だから?

 『マクスウェルの悪魔』って書いてね?

 投票用紙には、選挙区も比例代表も、それで投票箱に入れたよ?


「……お前、それ『無効票』だぞ……?」


 そうだよ?

 別にそれでいいんだよ?

 投票率上げるためにやってんだもん?

 それでいいだろ?

 でも今回は「白紙」票じゃ、ちょっと味気なかったんで?


 『マクスウェルの悪魔』って書いて、一票を入れてみたよ?


 『マクスウェルの悪魔』って書いてね?


「挫刹……お前は「マクスウェルの悪魔」に一票か……?」


 そうだよ?

 厨二病で裏山カッコいいだろ?

 おれは『マクスウェルの悪魔』に一票だッ!


「ダ、ダセェな。おい……。

それはダサすぎるぞ……っ、

って……ん?……」


 黄金の騎士が少年を見た。

 その少年は後ろ姿で言葉をつぶやく。


「……マクスウェルの……悪魔……?」


 そうだよ?少年?


 キミは半野木昇に似ているが半野木昇ではない。

 可愛気ならキミの方が何倍もある。


 さあ、どうする?剣はもうない。


 それでも、まだ君にやれることは残っていそうかい?


「……うん……」


 よろしい、なら走れッ!


 駆け抜けろッ!この虚構をッ!

 そうすれば、ここがキミの為の世界になるッッ!!!


「……うん!……」


 そんな著者ワタシの言葉で、少年は走ったッ。


 少年がまだ、捨てていない物をそこに掴んで……。






(※お好きな次回予告BGMを鑑賞しながらお読み下さい)



【次回予告】


 きっと、これは誰かが考えていた事なのだろう……。

 だが、誰もやってくれなかったから私がやった。

 なんで……誰も、これをやってくれなかったのだろう?

 その理由はきっと、今の私の気持ちが物語っている……。

 せめて参院選挙が終わってから数日間は「無事」でいたいとしみじみ思う……。



 次回! 前書きが本文と化した かんたんファンタジー 第33話。


 『捨てきれないもの』


 来週まで、私は無事に生き延びる事ができるだろうか?(デン♪デンデデデン♪)


 【注意!!】

 この作品は公職選挙法に抵触する可能性が非常に高い内容がある為、

 参議院選挙の投開票日2019年7月21日夜20時まで紙媒体への印刷はおやめください。


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