・農園
今日から自室となる部屋が二階にある下宿先の民家から外に出た。
村の代表者だという村長の話は意外と短く、村の現状とこれからの事についての簡単な説明だけで簡潔に終わった。
ここから先は、もう自由時間となる。
とりあえず周囲の様子を知っておくためにも村の内部を見て回ることにした。
外に出ると、新しい故郷となる白い世界の空気は冷たい。
雪溶けの村の、地肌が見える道は乾きつつある。
そこを散策も兼ねて歩いてみた。
民家の自室がある二階からも外へ出るための出入り口があり、
そこから出て、坂を一段下がった、自室のある民家の一階の出入り口からも出れる。
村の広場の道には、
道具屋、武器屋、防具屋、鍛冶屋などがある。
ここで装備を整えて、村の外で活動するのだろう。
村長もその様な事を言っていた。
道具屋、武器屋、防具屋、鍛冶屋。
村の外で手に入れた鉱物などの素材をここに持ち込むと、
独自に加工して専用の特注品などにも仕上げてくれるらしい。
あとで寄ってみようと思う。
楽しみが増えていき、鼻歌を鼻遊んでいると、
さらに下へと下る道があった。
この村の更に下に「何か」がある……。
気になって、見つけた下り坂の道を小走り気味に駆け下っていく。
すると……、
林の樹々をかき分けて、暗かった道を抜けた後に、
明るく広い農園へと出たッ。
「お、来たな。ニぃチャン。
用事はなんだい?
村長から話、聞ぃてんだろ?」
鍬を肩に担いだ二足歩行のパンダが話しかけてきた……。
「ア、アイr……っ!」
「バンブーッッッ!!」
牙を剥いてパンダが咆哮する。
「ア、アiるぅ……っ!」
「バンブーッッッ!!!」
牙を剥いてパンダが咆哮している。
「ア、アイrゥ……ッ?」
「バンブー!だッ!つってんだろぉがぁッ!
ワレ、こらァっッ!
ネコじゃねぇよッ!
メんタマついてんのかっ、このガキゃぁっ!」
可愛くキバを剥いて喋ってくる、バンブーと呼ばれたいらしいパンダが咆えかかってくる。
「なんでアイr……い、いや、
この単語が、ネコみたいなキャラクターのことを言ってるってわかるんだ?」
疑問の言葉に、バンブーと呼ばれたいパンダはため息を吐く。
「知らないと思ってんのかよ?
地球じゃ有名じゃねぇのか?
地球の日本って国で有名な狩リ狩リのゲームに出てくるヤツだろ?それ?」
……すまん、ここはゲームなどない異世界ファンタジーのハズなんだが?
「ああ、そうだよ?
知ってるよ、そんぐらい。
むしろ『地球』ってトコロの方が異世界だろ?
コっチから見ればさァっ?」
ならば、なぜ?
その、そちらでは異世界である筈の『地球』の事をキミは知っているのか?
「あん?そんなのこの話の、これからダイブ先の話でわかるだろ?
あれだろ?
『小説家になろう』だったっけ?
そこで利用規約違反になるかも知んねぇっとかビビってんだろっ?」
『小説家になろう』様をご存知……、なのですかッ?
「おおともよ。
あ、言っとくけどオレ、転生者じゃねえからな?
転移もしてねえぞ?
つーか、あんまり『地球』って所、棲みたくねぇよな?
話聞いてる限り、ぜってーゴメンだわ。あんなところ。
テ、そんな事よりッ!
どうすんだよッ!
ココのことをオマエに説明すんのに文字数足らなくなったじゃねえかよッ!
どうしてくれるんだッ?
こらェッ?」
……では、それはまた来週のお楽しみ……。(デン♪デンデデデン♪)
(※お好きな次回予告BGMを鑑賞しながらお読み下さい)
【次回予告】
知らない間に前回予告していたサブタイトルが微妙に変わっている、
今回のこの重大な大失態。
それでも反省せず、
まさに行き当たりばったりで書いている事がまるわかりのこの物語。
さて次回は一体どうなる事になるのやら?
パンダが咆えるっ!パンダが指差すっ!
え?なんか「上野」とか言っちゃってんですけどッ!?
次回! ファンタジーなハズの、かんたんファンタジー 第三話。
『農園の秘密』
本当に次回こそ、このサブタイトル通りで行ってくれるのか?
それともはたまた、またやってしまうのか?
それは来週になってみないと分からない……。
(デン♪デンデデデン♪)
次回もまた読んでねー!!♡