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かんたんファンタジー  作者: 挫刹
†書棚
23/66

・第三惑星地球史 7月号



 第三惑星地球史。


 正式名称は、

 『第202回ビッグバン宇宙、天の川銀河系オリオン腕太陽系第三惑星地球史』


 それは、

 このハイファンタジー世界『ハイファント』には存在しない想像上の架空の世界、

 宇宙という名の真っ暗闇な空間の中に存在するとされる惑星と呼ばれる球状の摩訶不思議な大地「地球」を舞台として、そこで生きとし生ける人々の深い喜怒哀楽の歴史が、数千年規模で綴られ展開されて描かれていくという、

 現在進行形の壮大で綿密な架空の超大人気一大叙事史物語である。


 この本の出版元は「世界樹書杜」。

 著者の名はヒデン・バリアブリスとなっている。


 この正体不明の人物ヒデン・バリアブリスなる者が描く「第三惑星地球史」とは、

 人の最高寿命を遥かに超えた二十世紀以上を跨ぐ超長期不定期連載でもあることもさることながら、

 長大な物語の内容の濃密さから舞台描写、及び科学技術設定や世界設定の細やかさや緻密さに至るまで、

 その全てが常人離れしており、

 著者は人間ではなく、

 また一人でもないと、誠しやかに囁かれているが、その真偽は不明である。


 現在、

 この著者について、

 世間一般に広く公開されている情報があるとすれば、

 それは唯一、この謎多き著者が「女性である」という事実だけであり。

 それ以外の情報は全て「謎のベール」に包まれている。


 しかし、

 やはり読者の興味がその事実だけで満たされることなどある筈もなく、


 物語中の、

 魅力的な登場人物の圧倒的な数々、

 その人格たちに相乗されて倍々に比例されて巻き起こる悲劇的、残酷的でありながら、どこか人間味も溢れる物語展開、

 それ以上の壮大な国家間的な歴史的動静、

 そこから取り残された、未だ明かされることのない世界の歴史の数々の謎ッ!

 などなど、


 それらについて、

 ある者は一晩中、自分に迫る現実そっちのけで「地球史」のことを語り。

 ある者は、三度の飯さえ抜きにし、寝る間も惜しんで、

 「地球史」の謎解きに残りの人生を全て捧げるという。


 そんな愛読者を惹きつけてやまない、

 小憎い仕掛けが盛りだくさんで散りばめられている「第三惑星地球史」。


 その為に、

 この本の愛読者は、

 既にこのハイファンタジーなファンタジー世界、

 ハイファントでも総人口の9割にまで達しているとまで言われている。


 それはこのハイファントを構成する三界の内の一つ、

 人間たちが住む、この世界、人界《ニズム》だけに止まらず、

 残りの二世界、

 神族たちの住まう世界、天界《へデン》や、

 魔族たちが住まう世界、魔界《ガルド》にまで広く魅了されている者もいるというのだから、驚くよりほかにない。


 いまや、この第三惑星地球史という物語の先の展開は、

 この人界や天界や魔界での世界情勢よりも、

 遥かに重大であり注目を集めていると言っても過言ではないほどの熱狂ぶりである。


 ……ちなみに?

 不定期刊行であるのに、ときどき「○月号」などとも付け加えられる、

 現在も絶賛連載中である第三惑星地球史の、最新話の時間軸は丁度、

 地球で西暦と呼ばれる現実こちらのこの暦の2019年の6月末辺りのことである。


 ……と。

 ここまで云えば、


 ……もう、おわかりいただけただろうか?

 そう、このファンタジー世界では、

 我々この現実世界で生きる人類史の出来事こそが、『架空の物語』として著されているのである。


 重ねて言おう。

 このファンタジー世界の住民は全て、

 我々、地球人類の情報の全てこそを『虚構の架空の中の世界』として理解しているのだ。


 その為、

 彼らはスマートフォンやインターネットといった科学技術の言葉の意味でさえ全てが理解できる


 もちろん今のこの最新の時事トピックを賑わせるニュースでさえも……。

 剣と魔法のファンタジー世界の中で……理解されているのだッ。


 太陽という星も、地球という大地も、

 日本という国の成り立ちや日常でさえも、その存在も言語も全てを理解し認識しているのだ。


 虚構の世界の架空の存在として……。


 もちろん、これらの異世界ハイファンタジーの住民と、

 我々、現実の世界の住民は、現実と異世界で行ったり来たりは完全に『不可能』だ。


 繋がっているのは異世界あちら現実こちらで描かれる「活字の存在」だけなのだから。


 しかも?

 更にタネ明かしをすると?

 その「第三惑星地球史」を描いているとされる著者は、「思い付き」で書いているに過ぎない。

 このハイファンタジーな異世界の中で、

 ただの「思い付き」という「空想」だけで、虚構で「地球の物語」を書いているだけのはずの事が?

 偶然ッ?

 我々、現実世界の「地球での出来事」と寸分たがわずに「一致」している「だけ」なのである。


 偶然にね。


 これは、そういう設定なのだッ!

 読者諸兄には、お分かり頂けるだろうか?



 ……さて?

 では、ここからが本題なのだが?


 実は、このハイファンタジーな物語世界ではね?

 よくケンカをすることがあるらしいのだよ?

 例えば?


「お前って、地球史で登場する国で一番好きな国ってどこよ?」

「え?おれ?おれは韓国」

「韓国っ?なんで韓国なんだよッ!おれは韓国なんて絶対にキライだっ!

完全にヘイトネスッッッッ!!!!!!

おれは断然アメリカだねッ!」


 ……みたいな会話をよく頻発させてしまうらしい……。


 いやあ?よくある話じゃないか?


 自分たちが大好きな物語の中で?

 登場人物は、誰が一番好きかとか言う、他愛のない下らない話。


 それをね?

 この異世界の住人同士でもね?

 よくやってしまうらしいのだよ?


 『敵味方を問わず』に……。

 この我々、現実で生きているはずの地球の実在の著名な人間たちの名前まで、

 架空の虚構の人物として名指しにしてね……?


 この言葉が何を意味するのか……、お分かりだろうか?


 では、少しだけヒントを与えておこう。


 この虚構物語の世界で生きる人々たちは?

 当然、「地球史の中での劇中劇」にもなってしまう、

 この著者ワタシのもう一つの別の虚構、「地球転星」も、やはりご存知でね?


 理解しているのだよ?


 ……「半野木昇」という別世界の人物をッッッッ!!!!!!!!!


 そう。

 この物語でも……「半野木昇」という名前の存在が出せるのだッッ!!!!!


 この意味を、よく考えておくといい。


 この虚構ファンタジーを読んでいるあなたは、とても運がよかった……。


 もう一度……、『彼』に出会えるかもしれない……。


 彼自身には会えなくても……、

 彼自身が放つかもしれない「言葉」にはね……?



 ……では?

 やっと舞台は整った。


 これから戦争を始めようか……。


 二度目の「人が死なない戦争」というものをッ!



 その為に用意した「戦いの場(ステージ)」の名は、そう……。






(※お好きな次回予告BGMを鑑賞しながらお読み下さい)



【次回予告】


 戦争は、常に唐突に始まる。

 まさか、この我々の生きる現実世界をまるまる、

 虚構の世界の中で描かれる「劇中劇」にするという前代未聞のこの凶行。

 いやぁ、本文中は、本当に乱暴な言葉遣いで誠に申し訳ありません。

 え?それよりも、

 誰も思いつかない事をやっているんじゃないのか?

 いやいや、実はそれは既に先人たちが思いついていても、

 あえてやらなかった「外道」なのではないのだろうか?

 しかし!例え既に手垢にまみれた外道の表現だったしてもッ!

 誰も描かなかったのであればッ!私が描くッッ!



 次回! ついに禁じ手に手を出した かんたんファンタジー 第23話。


 『マキナの要塞』


 この夏の夏休みは、出来るだけ、

 お好きなゲームの戦闘音楽をありったけ用意することをお薦めしよう。

                      (デン♪デンデデデン♪)


 ※次回の更新は日曜ではなく土曜の朝8時を予定しています。

 また、7月から8月末日までの更新頻度はスペシャル特別編成として、

 毎週土日の朝8時と9時に一回ずつの豪華二本立ての更新で予定しています。



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