・草原
今度は緑草地帯に飛びおりていた。
草原だ。
気候のいい、穏やかな風が吹く草原。
草原へと、やって来た事にとくに目的はない。
ただ草食の魔獣がいて草食の魔物がいて、
草をハミハミ、モシャモシャしながら穏やかな時が流れていく場所。
……平和。
……平和だ。
平和な時間だ。
平和な時間が流れている。
……。
……、
…………書くことが全然ねェッッッッ!!!!!(作者の暴言ッッ!!!)
やはり平和はダメであるッ!
物語の世界が平和だと、面白いことが何も起きないッッ!
つまり不幸がないと、物語はまったく面白味が出ないのだッッ!!!
戦争だッ!
戦争がいるッ!
それとも不幸かッ?
不幸?
架空とはいえ、現実でも苦しむことになる不幸にはあまり言及したくないが……、
それでも一体この場では、
誰が不幸になればいいのだろうか?
……チラリ……。
黒い竜が少年を見た。
草原で立つ少年の背後でお座りしていた黒竜が、
少年の背中を意味ありげに見つめている。
「……また、おれを狙うのか?
でもお前、おれに斬られたから仲間になりたくなったんじゃないのか?
そして、おれの仲間になりたいのなら、
もう動物は、襲って喰うなよ。
アイツラだって一生懸命生きてるんだぞ。
……って言ってもお前は石が食べ物なんだっけ?
それはどうだっていいんだけど、
さて、どうするかな。
草原の奥に森がありそうなんだけど、あそこには何かあるかな?」
頭をポリポリ掻きながら、首を傾げている。
頭に?マークを浮かべている少年は職場の親分から、
竜を手に入れたのなら色々と世界の各地でも見て回って来いと言われていたのだった。
『どうせ、ソイツがいればすぐに行って帰って来れんだろ?
だったら行って来いよ?
その間に、お前の大切な女の子たちには全部オレ様がツバつけとくからよぉ♡』
「……すごい、不安になってきた……」
白いヒゲ面しておいて、さらにロリコンとはタチが悪い。
選ぶ上司を間違えたのかもしれない……。
ディーィ♪ディーィ♪ディーィ♪
ディー・ディー・ディー・ディーーー♪(上司に恵まれない音楽、のつもり)
この世界はもちろんファンタジーなので電話などないので、
この世界では上司や職場を変えることはできないが、
自分を変えることならできるので、心機一転、
「はあっ」
と少年らしからぬ、
盛大なため息だけ最大に吐いて、
草原の奥地にある森を目の前にしておきながら、
少女たちの身が急に心配になると、竜の背に乗って自分の村に帰ることにした。
(※お好きな次回予告BGMを鑑賞しながらお読み下さい)
【次回予告】
砂漠、草原ときて、また村に戻ってどうすんの?
読者さまの当然な疑問は、著者の追及されたくない弱点でもあるッ!
いやぁ、まさか岩場とか火山とか沼地とかいろいろ考えてたんですけど「メンド臭くなってヤメた」とか、
とても口が裂けても言えない、この不始末ッッ!!!
次回! やばい!こっからどうしよう!な かんたんファンタジー 第19話。
『帰宅』
え?ちょっとまって?ここまでやっといて、結局それだけで終わるのかッ?!
(デン♪デンデデデン♪)
次回もまた読んでねー!!♡




