表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あかるい空  作者: につき()
3/8

とおいむかし

信じていたかった子ども

夕焼けは黄昏になった


おとなたちは黙ったまま

黒い服で傘をさしていた

虹が出ると蛇が出た

誰もが恐れ誰もが大切にした


母のとき

祖母のとき

父のとき

祖父のとき

いつも青い蛇を見た


あれは静かに育っていた悲しみだろうか

あれは一匹だけ残った

残されてしまうものとして


幾冬を越え

幾夏を過ごし

冷たさは変わらぬままに

熱さはいつも忘れられた


お前はわたしを見ていなかった

いつも棺を見つめ

葬列の馬鹿馬鹿しいしめやかさを見た

何れも変わらないものたちを


またあの窪地に熱が籠り

そしてこの庭に春が来る

それでもお前は隠れているだろう

そのことが死とは関わりあわない限り


いつもそうやって繰り返した

不思議なことに冬には誰も死ななかったから

誰もが雨に送られた

その雨はぬるく生臭かった


四度の葬儀に四度蛇を見たのです。何時もの青大将が見送るのです。そしてそれは見るたびに育っているのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ