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あかるい空
そして花々は
あさつゆをこぼし
ゆびさきのようにひらく
よそおいのようにゆれるかぜに
華やかなひかりがながれる
まだすこし冷たいけれど
もう遠くはないあかるさがあり
陰には年老いたふゆがうずくまっている
また突き抜けていくだろう痛みとなり
人々の表情はすこし雑になり
土や水や空の手触りは柔らかくなる
訪れはいつも儚くそっと触れ
離れてはまた寄せて来る
まるで空の漣のように
穏やかだったころを遠く思い
山際の黄昏を追うほどに
黒々とした枝に若葉が萌える
楚々と蕾はほころびゆく
おわりのないはじまりに