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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
七章 四国対戦
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第六十六話 ひとり旅の続行

 第六十六話 ひとり旅の続行


「私たち、パワリストは力を信じます。腕力それこそが正義。最強の武器を手にした我らこそがこの戦争に書くのに相応しいのであります。鍛治屋、そして腕力に自信のあるものは私たちのギルドに来ない理由はありません!」


 しかし、その男性のアバターはむきむきという見た目でもないことから、おそらく実際の人物だろうと、輝は悟った。



 次は女性であった。人が多く、名前がよく見えないが、輝はそこではっきり確認した。名前にサクラと書いてあったのだ。


 輝は不思議に思い、注目した。



「私たち、マジストは魔力が全てです。魔法が世界を変えるそう信じています」


 そういうと、その女性は空に向けて唱えた。

「アイス・ザ・バード」


 そうすると、空に氷でできた大鳥が現れ、女性の元にやってきた。


「そう、魔法が全てを制するもの。いかなる魔法使いも問いません。攻撃魔法こそが、現実でも、ここでも全てなのです!」



 そう締めくくると、その女性はその鳥に乗ってどこかへ言ってしまった。



 そして最後の男性が話し始めた。


「我々マルチリストは誰でも歓迎しております。魔法のできない、腕力もない、モンスターとも仲良くできない、そんな方でも何も問題はありません。もし、ほかに断られてしまったのなら、私たちのギルドがあることを覚えておいてください。ちなみに、まだここにきて、間もない人たちにこの演説は何なのかを話しておきましょう。明後日の三十日以降からこの第四の街にたどり着けた人たちに四国への案内があります。そう、それぞれの入国試験を受けて入るのです。そしてこの戦争こそが四国戦争、このゲームの本番です!」


 その男性の話をほとんどの人は耳を傾けていなかった。内容からしても、誰でも歓迎なんて強い国がすることではないのに加えて、お節介であったからだろう。


 しかし、輝には違った。知らなかった情報、そしてどこにも入れそうにないところに見つけたそんな国ような気がしていた。


 そして、それぞれの長なのかリーダーはしばらくすると解散し、人々もいなくなった。



 百コンクを三十日までに稼がないといけない事に気付いた輝は、大きな第四の街の中を初心者ギルド、ギルドニュービーを見つけるため歩いた。歩き回った。


 しかし、どこにも見つからなかった。


 そこで輝は他のプレーヤーに聞いた。

「あの……ギルドニュービーって知りませんか?」

「初心者ギルドのことか? それならこの街のはずれにボロい建物があったからそれのはずだよ」

「ありがとうございます」



 輝は現実世界では相手にされなかったのに対して、このE-gameでは受け答えされたことに幸福感を抱いた。だが、それ以上に、街のはずれに行くことになった。


 輝は歩いていた街中から外れ、外の方へと向かって行くと、突然と言っていいほど様子の変わった地域に入った。

「(なんか寂れてんな)」

[そうですね、でもニュービーって名前にピッタリなチープな感じがしますね]


 ちなみに、悪魔のムリュウは輝の魔力が底を尽きると、しばらくして消えてしまうようで、結界を破った際に消えてそれっきりだった。





 そして、その質素な風景には質素な建物がつきものであった。二階建ての木造建築。そう、ギルドニュービーだ。


 輝は恐る恐る中に入って行くと、中には誰もいなかった。お酒を飲んでいる人が一人さえもいない。そして、輝は何かミッションを受けるために、二階に上がって行きった。



 そこにもモブ以外には誰もいなかった。

「えっと、ミッションを受けたいのですが……」

「はい、それではこちらの機械でできますよ」

「それでは……」



 輝はその機械に触ろうとしたその時だった。


 モブの声が小さくなった。誰もいないというのに……

「あの秘密のミッションはどうなりましたか?」

「諦めました。無理でした(悪魔が仲間になりましたとか言えね)」




 輝は全く同じミッションだと思っていた。しかしそうではなかった。二やら三コンク平均だった前に比べて、ここでは十から二十コンクのものもある。そうだ、十コンクなら話は早かった。


 だが、輝は現実を甘く見ていた。偶然とはいえ、悪魔と契約などというものがあったために、百コンク以下のこれらミッションは余裕と思っていたのだ。



 そして、それらのミッションらはどれも難関とは言わなくとも、多少の危険やら、時間を要するものばかりであった。


 だが、テルには選択肢がない、片っ端から当たってみることになった。



 そんな時、ギルドを通して、輝に連絡が来た。

「テルさんですよね、第二の町ビギナーズタウンのサクラさんからの連絡がありますが、どうしますか?」

「えっと、お金はかかりますか?」

「はい、料金は後ほどでもいいですよ」

「ならそうしてください」



 輝は電話のような機械を耳に当てた。

「えっと……」

「サクラ先生ですよね」

「えぇ」

「それで用はなんですか?」

「あと二日でしょ、私はもう百コンクたまってるからいいけど、テルはどうかなって思って……」

「ぼちぼちです」

「三十日までにたまると思う?」

「頑張ります」



 輝は一コンクもない現実を塗り返すような勢いで話した。

「ちなみに、一つ問題が……」

「何?」

「手違いで、今第四の街アドバンスドタウンにいます」

「えぇ!?」

「アドバンスドタウンであっていたはずですが……」

「えぇ!!!???」



 そう、驚くのも仕方がない。これから、まだ第三の街があるというのに、第四の街にいるからだ。


「それで……?」

「そこにいていいわ、もうそろそバラバラで行動してもいいかもしれないわね」

「そうですね(早く貯めないと)」

「そうね、じゃあジュライの十日にまた会うってどうかしら?」

「はい」

「そうしましょ、私もそれまでに第四の街に行くように頑張るわ。あなたの成長が楽しみね」


 そういうと、電話?は途切れた。


「それではテルさん、値段の方は三十コンクになります」

「えぇ!?(三十!?)あの、後払いでもいいですか?」

「はい、構いませんよ」

「ありがとうございます」


 輝はそういうと最初のミッションに取り掛かることにした。その名も、ヌテライラフという、蝶を見つけ出すことのようだ。


 このミッションを選んだ理由は、賞金が三十コンクであることと輝のフラワーフレグランスに可能性を見出したためであった。


 そして、輝はまず渡された地図を見た。この寂れた地域の周辺らしい。そして、輝の十五日間の時間制限付き、ミッション生活が始まるのであった。


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