第五十七話 偶然か必然か 二部
この四国戦争ではローマ数字をスターテスに使用させてもらいます。
ローマ数字の数え方!!
I=一、V=五、X=十、C=百です。後は基本的に日本語の感じの足し算です。例えば、八十一はVIIIXIになります。
ですが、四などはIVつまり、五から一を引いた値ということです。これを機にローマ数字を百まで読めるようになりましょう!!
第五十七話 偶然か必然か 二部
二階へ上がると、一階の浮かれた空気ではなかった。皆が話し、何か忙しそうにしている。
「一気に雰囲気が変わったな」
「ここがギルドなのね、現世とは違うわね」
「それではこちらでスターテス機能の解法を行ってください」
すると、ある機械の前に立たされた。
「(おいおい、こういうのいい思い出ないぞ)」
[なに? 私のことを行っているのですか?]
「テル? 私先行こっか?」
「はい」
サクラは機械のスイッチを押し、そのタンスのような機械に入っていった。
「……」
機械からは特に音は聞こえなかった。
「あのすいません、案内人さん」
「はい、なんでしょうか?」
「そのスターテス機能っていうのはどう使うのですか?」
「機械から出る頃には、視界に自分のスターテスが浮かんで見えるはずです」
「あと、中では何が怒っているのですか?」
「それはお楽しみですよ」
そういうと、サクラが機械の扉が開くとともに出てきた。
「おぉ! これが本当の四国対戦の世界ね」
「えぇ? それでどうなったの?見た目に特に変化はないけど……」
「まぁ、入って見たら」
輝は中に入った。というよりは、サクラに押されて入れられた。
中に入ってみると、意外にも広くゆとりがあった。すると、スクリーンのようなものが目の前に映し出された。
そこには、TERUと名前が書かれており、スターテスと書いてあるところには、腕力、脚力、精神力、そして知力に加えて、魔力があった。
[腕力:V、脚力:VIII、精神力:I、知力:II、魔力:VIII]
「(これっていいのか?)」
[まぁ、わからないですよね]
すると、次に画面が移り変わった。
[魔法選択]
「(魔法を選べるんか!)」
すると、ずらりと様々な魔法がうつされ、その時だった。
「(あれ……)」
輝の目の前は暗くなり、何も見えなかった。
「(もしかしてこのタイミングで機力切れ……)」
実際そうであった。輝はE-gameを耳から取り出し、機力が回復するのをまった。待った、といっても実際輝はどれほどの魔力がどのようにして回復するのかも知らなかったのだが…
「(いいタイミングで……)」
そして輝は待つはずが、結局は寝てしまった。
「……あぁ!」
輝が飛び起きると、輝は先生の部屋で寝そべっており、外はもう暗かった。サクラ先生はどうやらゲーム内にまだいるようであった。
輝は急いで、イアホンを装着、そしてゲームを開始した。最初の地点から、ゲームゲートまでの道は容易いもので、輝は飛ぶようにして向かった。
そしてゲートを通る。
「(ちゃんとオートセーブされてるよな……)」
すると、あの機械の中に戻っていた。スクリーンの表示も変わっていなかった。
「(よかった)」
輝はふと安心し、スクリーンに手をついた時、その後すぐに、機械の扉は開いた。
輝は倒れるように機械から出た。
「(あれ? 魔法の選択は……)」
[いま、手をついた時に押してしまったのではないでしょうか?]
「(まじか? 俺みてなかったぞ……)」
[そのようですね、ほら見てください、スターテスが見えるじゃないですか]
「(……)」
輝の視界にはスターテスと書かれた空想物が浮かんでいた。
[腕力:V、脚力:VIII、精神力:I、知力:II、魔力:VIII、同じことが書いてありますね]
「(でも魔法の方はどうなんだよ)」
[あぁ、こちらにありました……パフューム……だそうです]
「(ん?)」
[はい、パフュームとありますね]
スターテスの横にはそう書いてあったのだ。
「テル!」
サクラは輝の方へ急いで駆け寄った。
「なんだよ、サクラ?」
「どうしたの?そんなに迷った?」
「(そっか、俺が寝てたこともわからないのか…)うん、いろいろあったからね」
「それで何にしたの?」
「いや、そんなことよりもこのスターテスって何?」
「あぁ、そうだよね。これは大抵IからXまでの何かから始まって、成長していくにつれて、最高でCまでいくっていうものだと聞いてるよ」
「百まで!」
「そう、私のは腕力:VI、脚力:VI、精神力:VII、知力:VII、魔力:VII、って感じで平凡だったけどね…」
「(平凡?)……」
「それでテルは?」
「えっと……腕力:V、脚力:VIII、精神力:I、知力:II、魔力:VIII」
「へぇー、じゃあ魔力と脚力がすごいんだね」
「いや、でもサクラの方が…」
「そんなこと……それで、魔法は?」
ギルドが静まり返った。どうやらこのゲームでは魔法が重要らしく、その選択も重要な要素のようだ。
「それより、魔法って変えられるの?」
「いいえ、魔法によっては発展、進化するとも聞いたけどね」
「そうなんだ…それで、サクラはどの魔法?」
輝はさりげなく、聞かれた質問に答えずにして、相手に聞いた。
「すごい種類あったから迷っちゃんたんだけど、結局は遺伝子操作魔法にしたわ」
「えぇ?」
「珍しいよね、そんなにいないって聞いてたから面白そうだなっと思って……」
「普通はどれが人気なの?」
「種類は二百以上って言われているけどね、まだ五、六個誰も選ばないって言われているのもあるのよ。攻撃的なのはやっぱり人気って聞くわ」
「選ばれてないの?」
「そう、後人数限定のものもあるって聞くけど、そこらへんはやっぱりゲームが仕切っちゃっているのよね」
「へぇー」
「それでテル?」
「パフューム……」
「何? パフューム?」
「そう、香りとかじゃないのかな?」
「それって、まだ誰も選んでないって言われるほどの最弱ものよ!」
「そうなの?そうよ、香りを魔法でなんて……」
「(なんだよこの悲しい気持ちは……)……」
ギルドの人は皆話し始めた。とにかく、スターテス機能を得た二人はいったんゲームを離れて休憩を取ることにした。
喉あたりを押し、そして戻ってきた。
「テル? なんでパフュームなんかに?本当に誰も選ばないようなものなのよ」
「実は押し間違えたんだ……」
「だから、変えられるか聞いたの?」
「そう、本当に何ができるのかもわからないし……」
「帰るというか、新しいE-gameの機械があれば一からってできるけど、もう売り切れているしね…」
「リセット機能とかないのですか?(やばい、現世では敬語じゃないと)」
「ないわよ、ゲーム会社に負担がかかるかららしいんだけどね」
「(匂い魔法を使って戦争だなんて……)まぁ、どうにか考えます」
「そうね、今日はよく寝るといいわ、明日からはもっと楽しくなってくるだろうしね」
「そうですね」
輝は自分の部屋に戻っていった。また、輝はサクラ先生の下着姿に興奮を覚えなくなったことにも気づいた。




