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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
七章 四国対戦
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第五十五話 ゲーム開始?

第五十五話 ゲーム開始?


「じゃあ、まずはお金をどうにかしないと……」

サクラが改まって言った。


「でもどうやって? 後このクッキーは?」

「こう言う限定品はこのクッキーは繁殖じゃないかしら、だってハート型ですもの」

「確かに……」

「それで、働くしかないわよ」

「働くって言ったって……」

「この世界ではね、法力も使えないし、世界にいるために、機力も使っているでしょ」

「はい」

「だから、別にスターテスっていう機能があるらしいの」

「(ゲームっぽくなってきた)それで?」

「それでいってなかったけどゲーム内には四つの国が存在するの」

「(国同士の戦争ってことか?)それで戦う?」

「そう、チュートリアルを終えると、それぞれの国に向かって、その国のために戦うっていうオンラインゲームらしいのよ」

「でも生き物要素は?」

「生き物を使えるってことも大きいのよ、他のゲームにはないからね。まぁ、要素が少しって可能性もあるけどね」


「へぇー、でもなんでこのゲームを選んだんだ?」

「それはね、ジュライの最終日にゲームが終わるようにできているのよ」

「学校が始まる全前!?」

「そう、だからそれまでしか遊べない限定ものなのよ」

「そういえば、生き物の繁殖とか言ってなかった」

「そうね、よくわからないけどね……もしかして、生き物好きなの?」

「いやそんなことは……(ただ似たゲームに似てるかってね……)」


輝とサクラはゲートから続く道沿いを歩いていくと、大きな村のような、小さな町のような場所を見つけた。


輝の目の前は突然真っ黒になった。そして、急に先ほどまでに感じていなかった鼓動の高まりを覚えた。

「(なんかものすごく疲れてんな、どうなってんだ)」

[機力切れではないでしょうか?]

「(じゃあ、普通に目を開けていいんだな)」


輝は目を開くと、すでに日光はなかった。


「(もう夜か?)」


輝は耳からイアホンを取り出し、サクラの方を見ると、やはり上半身は下着姿であった。

「(あぁ!)」

[いけませんよ]


輝は誘惑に負けて、サクラに近づいて行ったところ、サクラも目を覚ました。

「あなた、まだまだね」

「機力切れっていうことですよね」

「そうね」

「データとかは大丈夫なのですか?」

「えぇ、オートセーブ機能があるからね」

「それで……」

「今はもう機力ないから、明日しましょうね」

「明日の朝ですか?」

「そうよ、そしてお昼に休憩して、また夕方からね」

「はい(ゲーマーだな)」


輝はサクラ先生の部屋を出て自室に行った。そこには夜ご飯が準備されており、それを食べ終えた輝はすぐに眠りについた。



一年二日目・ジュン十六日


輝は次の朝飛び起きると、まっすぐにサクラ先生の教員室に向かった。


「失礼します」


扉をノックして開けた輝は、準備満タンのサクラ先生を目にした。

「ちょっと遅かったんじゃない?」

「すいません」

「まぁいいわ、昨日のところから始めましょ」


二人はイアホンを耳に装着、そしてスイッチを押した。サクラ先生は相変わらず上着を脱いでいた。


たどり着いたのは昨日の日本風の風景であった。

「ここに戻るのですね」

「そうよ、じゃああのゲームに戻りましょ」


そうして同じ風景を見ながら昨日のゲートに到着した。

「そういえばこのゲームはなんていう名前なのですか?」

「四国戦争とかだったかしら」


「(そういえば、もしかしてこのゲームクリエーターが俺の現実世界出身だったりしてな)」


ゲートを通ると、昨日出た場所ではなく、昨日輝の機力が切れてしまった場所にたどり着いた。

「ここに戻るんだ」

「そうよね、言ったでしょ、自動で保存するって」

「確かに……」

「じゃあ、あの第一の町ニュービータウンに向かいましょ」

「ニュービータウン?」

「そうよ、あそこに書いてあるじゃない」


そこには大きな看板があった。

[第一の町ニュービータウンへ、ようこそ]

「(変な名前だな)」


「そういえば、サクラはこのゲームに詳しいみたいだけどどうなの?」

「そんなことはないよ、全然ね、ちょっと調べているぐらいのことよ」

「調べるって?(インターネットとかもないんだし)」

「あの最初に行くプラットホームで色々調べ物ができるのよ」

「なるほどね」


そうして歩いて行くと多くの人がいた。皆輝たちと同じように、綿でできたTシャツとズボンを履いている。

「それでここからはどうするのですか?」

「それがね、情報があまり外に出ないようになっているみたいでね、ここからはこの町で一番大きい建物へ行くとしか書いてなかったの」

「じゃあ行きますか?」

「そうね」


町には様々な建物があった。市場に、小さな商店とのようなものも多い。

「(ルーマスの寂れたバージョンって感じだな)」


そして、最も大きい建物といってもほかが平屋で、その建物だけは二階建てであった。


サクラは焦ったように周りを見渡すと輝に言った。

「まずは入って様子を見ましょ」

「そうですね」


そしてギルドらしいきボロボロの建物に入った。そこには、多くの綿服の人々がいて、おそらく初心者ギルドといった様子であった。


「ようこそ、ギルドニュービーへ」

すると、案内人のような人物が話しかけてきた。

「今日はどんな用事でいらっしゃいましたか?」


輝とサクラは顔を見合わせた。

「えっと、ここでは何ができますか?」

「はい、ここではそれぞれの国に向かう前に資金集め、スターテスの強化などを目的にしたギルドなのですよ」

「はい、それでこのギルドに入るにはどうすれば良いのですか?」

「あちらに向かってください」


二人は案内人の指した方向にいる別の女性に話しかけた。

「ここでギルドに入ることができると聞いたのですが…」

「ということはスターテス機能の方をまだお持ちでないということですね」

「機能を持つ?」

「はい、この機能を解放するとこの四国大戦を本格的にプレイできますし、これがなければ何もできないですよ」

「じゃあ、その機能をください」

「では、ミッションを与えます。この町の外れにある牧場から一頭シウホーンという角のある生き物を捕まえてきてください」

「一人一頭ずつですが、一緒に二頭でも構いません」

「でも、俺たち何も持っていないのですが……」

「こちらです」


すると、その女性は木の棒を一本ずつ渡した。

「これですか?」

「はい、ではミッションを頑張ってください」


輝とサクラは木の棒を受け取るとギルドをでた。

「これでどうするってんだ?」

「まぁとりあえずいって見ましょ」


「そういえば、ここでは日にちとかあるのか?」

「ないはずよ、戦争中に日が暮れても困るかららしいけど」

「じゃあ、夜襲とかはできないってことだな」

「夜襲?まぁ、いいわ。とりあえずシウホーンを捕まえてきましょ」


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