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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
六章 一年最終試験
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第三十九話 懐かしい顔ぶれ

 第三十九話 懐かしい顔ぶれ


 輝は目を覚ますと彼は箱の中に立っていた。

「(ここは?)」


 レノルドは輝の顔を見た。

「おい、大丈夫か?」

「えぇ、はい」

「テル、行くぞ!」

「(ベルト!)」


 輝は周りを見渡した。すると、周りには輝と同じようにいくつもの箱と人がいた。

「あぁ、ジジイ!」

「無駄だ」

「テル言っただろ、全員レノルドの魔法で仮想世界にいるんだ、だから無理に起こそうとしてもできないんだ」


 輝は少し残念そうに、ベッドから降りた。そこは真っ暗な部屋にあり、部屋の扉を開けるとジクールにでた。

「ここは!?」

「そうだ、魔法界学法都市ジクールだ」

「そういえば仮想世界で亡くなった人は……」

「いくら仮想って言っても現実と一緒になっているんだ」

「ほう」


 ベルトが扉を出ると扉は消えた。

「これって……」

「主要都市ならどこにでも繋がっているドアだ」

「すげー」

「お前も何回か使ってるだろ」

「あー(現実世界と魔法界をつないでいる扉のことか)」


 そして輝はベルトに連れられて、魔法学校に再びたどり着いた。

「ここは…」

「じゃあ行け、あと日にちを仮想世界で数えていたかもしれないが実は仮想世界の一日はちょっと長くてな」

「(今日って何日だ?)」

[二百六十三日目・マーチ二日]

「マーチ二日じゃないってことか?」

「そうだ、ジュン一日だぞ」

「えっ……」

[私の方も時間直しておきますね]

「(頼んだぞ)」


 三百五十二日目・ジュン一日


 輝は一人学校に入って行った。

「(父ちゃんがいたらこんな感じなのかな)」

[ベルトは若すぎるでしょう]

「(それぐらいはわかってるよ)」

[レイのことはいいのですか?]

「(あぁまだ勝てもしないからな)」

[ですが次いつ会えるか…]

「(ベルトは何かと俺の生活に関連してきてるからな)」

[そうですね]

「(行くか)」


 輝は学校に入ろうとすると、門番が輝を。

「どこに行くんだ?」

「えっとここに……?」

「それはできないな」

「でも前ここに……」

「なんだ使えなくなった生徒か」


 門番は鼻で笑って言った。

「俺を通して門を押せたらいけるけどな」

「どういうことだ?」

「俺を抜くだけの速さと、門を押すだけの力がいるってことだ」

「じゃあ行くぞ」

「来いよ」


 輝は法力の解放に集中した。

「(身体中に流すイメージで、一気に)」


 輝は一瞬で門番を追い抜き、扉を開けて入って行った。

「こいつは……」


 門番は唖然としている様子も輝の目には写っていなかった。

「……」

「(意外と余裕だったな)」


 輝は右手にある小さな城に入って行った。

「(ここだよな?)」

[そうですね]

「(何階だったか覚えているか?)」

[三階ですね]

「(ありがと)」


 輝は階段を上がっていき三階にたどり着いた。

「先生、法力ってどこから来てるのでしたっけ?」

「それで法力の根源はいまだに解明されていません」


「(これはソウマとダルクの声か)」

[そのようですね]


 輝は扉を開けた。


「誰だ?」

 ダルクは怒鳴った。


「今日からお世話になります……」

「テルか……って、えぇ!?」


 皆驚きに戸惑っていた。しかしやはりダルクは知っていたようであった。

「遅いぞ! 席に座れ!」


 輝は小走りで席に座った。


「テル、一様教えておいてやるが十三日後のジュンの十四日にテストがあるからな」

「えぇ……」

「なんだ聞いてないのか?」

「はい……?」

「これを落としたら退学だから頑張るようにな」

「はい……」


 クラスにいる皆は特に変わりはないようであった。全員がいて誰か特別変わった様子もなかった。もちろんケレンもちゃんといる。逆に輝の肌が黒くなったぐらいだ。


「いいか、じゃあ次のところを復習するぞ」


 授業はその後も続き、輝は絶望に見舞われた。

「(退学って……)」


 授業がその日の分が終わった。


「そういえばテルがボビーの部屋に戻るからソウマにはスバルとフレイの部屋に戻ってくれ」

「えぇー」


 そして輝はボビーの部屋に向かった。

「久しぶりボビー!」

「テル戻ったんだね」

「いきなりテストなんて聞いてなかったよ」

「今まで何してたの? 随分黒くなったけど……」

「ちょっとね、それより勉強教えてくれない?」

「勉強? 実技試験だけだから心配はいらないよ」

「じゃあさっき勉強していたのは?」

「知っていると実践でも役に立つからね」

「それで法力のテストそれとも機力の?」

「両方使っていいんだって」

「へぇー」


 ボビーは彼のべッドに向かった。


「じゃあ僕はもう寝るよ」

「最後にいいか?」

「何?」

「テストの内容は何もわからないの?」

「あぁ、何もね」

「そうか、じゃあ寝ようか」

「そうだね」


 そして二人は明かりを消して眠りについた。



 三百五十三日目・ジュン二日


 輝は目を覚ますと朝食を終えて制服に着替えた。


「ボビー、教室に行けばいいんだよな」

「どうしたの? そんなに気合入って」

「ちょっと確認したくてね」

「何を……」


 輝はボビーの話を聞かずに部屋に向かった。

[ケレンですよね]

「(それはそうだよな)」


 そして輝が教室の扉を開けるとケレンとカレンがいた。


「おはよう」

 輝は明るく挨拶をした。


「私トイレ行ってくるね」

「えぇ!?」


 カレンは教室を出て行った。


「おはよう、テル……久しぶり……」

「久しぶり……」

「元気そうだね」

「カレン……」


 輝は俯いた。


「テル、腕のことは気にしないで、魔法は使えなくなったけどね」

「でも……」

「あと私右腕を切り落としたの」

「えっでもそれって……あと、手のひらだけじゃ」

「これは氷でできているの……てのひら以外の神経もやられちゃって……」


 すると、ケレンの右腕が消えた。

「すげー」

「テルが元気そうでよかったよ」

「本当にごめんね」

「いや、気にしないで、それよりもテスト大丈夫なの」

「それがね……」


 すると、フレイとスバルが教室に入ってきた。


「ケレン、明日の朝にでも話せるかな?」

「いいよ」


 そして、二人は席についてその一日の授業を真剣に受けた。



 三百五十四日目・ジュン三日


 この日も輝は人早く起きて朝食を済まし、教室に向かった。

「(いるかな?)」


 教室に入ると誰もいなかったが、輝が少し待っていると扉が開いた。

「(ケレン!?)」


 振り返ると、そこにはカレンがいた。

「(カレンか……)おはよう」

「あのさ…」

「えぇ、なに?」

「もうケレンに近づかないでくれる?」

「……」

「知ってるでしょ、彼女の右腕のこと」

「……」

「それでも一緒にいるつもりなの?」

「……」

「何か言ったらどうなの?」

「あぁ……そうだな……うん」

「もういいから、よろしくね」


 そういうとカレンは教室をムッとした様子で出てゆき、扉を勢いよく閉めた。

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