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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
序章 異世界への招待
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第二話 異世界ショッピング

 第二話 異世界ショッピング


 二日目


 輝は目を覚ました。すると輝は見覚えのある景色を目の当たりにした。

「(ここって、アイリスのうちじゃねーか?)」


 もしかして、と思った輝は左側を見るとアイリスが寝ていた。

「(これって、もしかして死んだら時間が戻る的な!マジで!異世界最高!)」

「テル、起きたの?」

「(名前を知ってる?)うん」

「心配したんだよ」

「ありがと、でも……」


 輝は状況が理解できていなかった。同じような光景がまた見えていることがただ偶然とは思えなかったからだ。しかし破れたはずの服が直っていた。よく見ると縫い目が見える。これはアイリスが縫ったと考えるのが妥当だ。


「それで、どうしてここに?」

「昨日テルすごかったじゃん。あの火傷させたのってもしかして魔法?」

「わかんない、ていうか火傷って? 後あの後どうなったの?」

「テル勝ったんだよ。実は心配でついて行ってね。それでボーズキンが火傷になったの覚えてないの!」

「下着を見られたところまでしか……」

「もしかしてあれってテルの魔法じゃなかたりして……」

「わからないよ」

「じゃあまぐれなんだ」

「多分そう」

「今すぐ出て行って! 昨日は心配だったけどもういい。もう知らないから!」


 輝はもう追い出されてしまった。相当、魔法に興味があるようであるが、薄情とも取れる言動だ。家を出た輝は昨日のように大通りを道なりに進み始めた。


 すると早速話しかけられた。

「兄ちゃん、昨日はすごかったな。これが報酬だ」


 輝は封筒に入ったお金を手に入れた。

「ボンドだよな、ありがと」

「おうよ、よかったらまたな」

「それはね……」


 輝はボンドと離れたところへ行くと、封筒の中を確認した。中にはお札のような紙切れが数枚入っていた。10000と書かれた紙が三枚、1000とかかれた紙が五枚、100と書かれた紙が8枚入っている。合計は35800だということだ。

「(これって多いのか?円だったら、まあまあってとこかな?)」


 輝はこの世界に来て話したり聞いたりすることにはなんの不自由もなかったが、看板に書いてある文字は何一つ読めなかった。

「(どこかで読み書きを学ぶ必要があるな)」


 しかし看板のマークや品物を見れば大体の店はわかった。服や、武器や、宿屋などなど。


 輝はこの世界で必要なものと考えて見たところ、情報と、寝床と、ローブであった。皆がローブを羽織っているのに、周りからの視線が冷たいことは一目瞭然だ。ここで、輝はローブをまず買うことにした。


 輝はローブを飾っている店またはローブのマークが看板についている店を探しながら大通りを歩いた。すると早速ローブのマークが乗った看板を見つけた。

「(あれってローブ屋じゃね!)」


 輝は店に入って行った。店のドアは手動で何か文字が書いてある。日本語だと押す引くなどと行ったとこだろう。中には濃い緑色のローブを羽織った店員がいる。

「いらっしゃいませ」

「すいません、ローブを一つもらえますか?」

「どの色かね?」

「何色がありますか?」

「普段着なら紺色か赤茶色、商業目的なら濃い緑があるよ」

「あの、白は?」

「君、医者か住職なのか?それは資格を取る際にもらえるはずだよ」

「なるほど、赤茶色をください」

「一万ハイルだよ」

「(ハイル? お金の単位か)一万ね」


 輝は先ほどもらった封筒から一万ハイル札を取り出した。店員は壁にかけてあるローブをテルの前に出した。すると別の客が店内に入った。その客は紺色のローブをすでに羽織っている。とてもローブが必要には見えない。


「いらっしゃいませ」

「店員さん、いい商売してんね。そんなボロを一万ハイルだなんて。百でも高いぐらいなのに」

「人の商売には口を出すな! それでお客さん、一万ハイルを…」


 その客はそのまま出て行った。


「じゃあな、俺も行くよ」

「ちょっと待ってくれ! 千ハイルでいいから…」

 輝は無視してそのまま歩き出した。


「それなら、五百ハイル。嫌、百ハイルでいいから…」

「よし買った!」


 輝は封筒から百ハイル札を一枚出すと、店員に渡してローブをとった。

「ありがとうございました、またお越しくださいませ」

「(もう来るかよ!)」


 輝はローブを羽織ると先ほど助けてくれた客を探した。しかし紺色のローブを羽織っている人は多く判別がつかなかった。多い色は紺色と赤茶色つまり普段着ということだ。


「(全然見つからない、いてもわかんないし……)」


 輝は大通りの真ん中でキョロキョロしていた。すると背後から小さい声が聞こえた。

「何か用か?」

「(これはさっきの人の声!)」


 しかし輝は背すぎが凍る思いから、後ろを振り向くこともできなかった。

「先ほどはありがとうございました」

「あの手が気に入らなかっただけだ」

「(やっぱり、さっきの人!)」

「アドバイスしておいてやる、さっさと自分の世界に帰れ! ここにはお前の居場所はない。あと、それでも帰らないのなら情報屋に行ってみろ」


 輝はやっとの事で後ろを振り向くとそこには誰もいなかった。

「(情報屋か)」


 しかし輝には次の目的地ができた。情報屋はこの世界を知るのにも大変便利だ。輝は情報屋を探すべく大通りを歩き始めた。


 一時間ほど経過した。だが輝は一向に情報屋の手がかりがなかった。それは情報屋のマークや商品のイメージが湧かなかったためだ。

「(どうすれば……! 誰かに聞けば!)」


 輝は通りを歩いている歩行者に話しかけた。

「すいません、情報屋はどこか……」


 そのまま無視して歩き去ってしまう。この手ではらちがあかない。次にテルがとった行動はあのローブ屋の店員に聞くことだ。


 そして大通りを歩いて行くとあの店員が店の前で客を呼び込んでいる。

「安いよ!ローブはいらないか? 安いよ!」

「またあったな」

「お前はさっきの? 用はないだろ、さっさと帰れ」

「情報屋の場所知ってるか?」

「なんでお前にそんなことを」

「そうか、じゃあお前がぼったくろうとしてたこと言っていいんだな!」

「わかった、店に入れ」


 輝は店員と店に入った。すると店員は引き出しから紙のようなものを出した。

「これが地図だ。それでここがうち、ここが情報屋だ」


 店員は赤いペンのようなもので情報屋の位置を地図にマークした。

「ありがとな、おっさん」

「さっさと行け、あともう来んなよ」


 輝は地図を持って店を出た。これで情報屋までだけでなく、この場所全体の地図が手に入った。地図はそれほど大きくなく、半島が描かれているようだ。その中心にこの大通りがあることがわかる。輝は情報屋に向かって大通りを歩き始めた。

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