表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
三章 ギルド入会
24/120

第二十三話 ミッションの失敗?

 第二十三話 ミッションの失敗?


 ギルドに入ってきたのは女性であった。見た目は同じく三十代前半、体は引き締まっている。顔も美しいと言ってもいいが、自身のことをあたしと呼ぶのとや、胸がまな板であることは減点対象だろう。


「そんなやつは入れさせないよ」

「アカリ、お前仕事は?」

「そんなのやってられないわ、テルとやら、さっさと出て行きなさい」

「そんな急に……」

「アカリ、俺たち三人だぜ、あと俺一様リーダーだぞ」

「あんたは暇だからでしょ、フィンも私も忙しいだけだからじゃない」

「……」

「それでもさ、副リーダー。テル君はベルトの弟子なんだよ」

「だから嫌なんじゃない、あと副リーダーって呼ばないでよ、フィン」

「アカリ!」

「二人とも黙っていて! そしてあんたはさっさと出て行って」

「*さっき三人で創設したって言っていただろ、それはベルトさん、アカリ、そして*」

「フィンやめて! もしかして、もう紋章あげちゃってるの」

「あぁ」

「じゃあ、もういいわ。だからその話だけは!」

「わかったよ」


 輝はフィンの話そうとしていたことを知りたかったが、あえて聞かないでおいた。

「テル! ベルトは今どこなの? 教えて!」

「知らないんだ」

「知ってんでしょ! 教えて!」

「本当に知らないんだ」

「アカリ、テル君は知らないよ。ベルトのことだから、うまく逃げたんだろうね」

「……」


 アカリは座り込んだ。

「私はアカリよ、魔法はコピーそれだけよ」

「コピーって、これも条件稼働系か?」

「そうよ、条件は左手にそのコピーしたいものを握って、右手は空けておくの、するとコピー品が右手に現れるわ。それで、左手を離すと、コピー品が全て消滅するっていう仕組みなの」

「全然使えるじゃん、ミサンガに比べたら……」

「おい、テル!」

「ミサンガ、あんた教えてないの?」

「……何をだ?」

「ミサンガは学校を首席で卒業した、天才よ。そんな彼が皆より一秒長く考えられるというのはね、かなりの違いなの」

「なるほど(まさか頭がいいとはね)」

 するとアカリはポケットからお札を出した。

「(十マジクだ)」


 それを左手にぎり、右手を空けて置いた状態で、下に向けた。すると、みるみるうちに、お札の山ができた。

「これ使えば大金持ちに!」

「まぁ、そんなに簡単にはいかないけどね」


 左手をかけた途端、山は消え去った。

「でも、支払う時に握っていれば……」

「コピー品は魔力の塊なの、だから、魔機を使うと簡単に確認できるのよ」

「魔機って?」

「何も知らないのね」

「アカリ、テル君はH級だ。魔法学校にも行ってないから、仕方ないよ」

「ばかは嫌ね」

「テル君、魔機は、君の使った魔法の地図とか、使用者の機力を使って使う魔法の道具のことだよ」

「なるほど、幾つでも入る魔法のリュックもか?」

「そうだ、よく知ってるな」

「アカリさん、制限はありますよね? 例えば、家や人までは…」

「できるわよ」

「……(えぇ!?)」

「だけど無理なの」

「ん?」

「魔力が足りないのよ、ものの大きさや複雑さによって魔力の消費量が違うの、だから複雑な動植物は難しいのよ。あと一様、教えて置いてあげるけど、魔法を使うときの魔力は法力っていうのよ」

「機力と法力か……」

「ちょっといいか!」


 ミサンガが席を立った。

「アカリ、フィン、俺はテルがいくら十七歳でも魔法学校を受けるべきだと思うんだ、お前らはどう思う?」

「いいんじゃない」

「そうですね、ちょっと待ってみてはどうでしょう」

「おぉ、いいな、フィン。一ヶ月、テルに与える。その中で仕事を見つけることができたのなら、ここに残っていいぞ。そうじゃないなら、魔法学校に行ってもらうからな」

「解散でいい?」

「あぁ」


 アカリ、フィンは二人とも、ギルドをでて外に行ってしまった。ミサンガは、輝にギルド内を案内した。一階には講堂と一つの部屋があり、二階には五つの部屋がある。それぞれの部屋には、机、ベットのみがあり、トイレ及びシャワーは一階にあるとのことであった。すると、ミサンガもギルドを出て行った。


 輝は二階に上がっていき、ベルトと書かれた部屋を見つけた。そこには、何も置いてなかったが、机の上には、紙が置かれていた。

「(なんだ?)」

[読んでみますね

 テルへ


 ドレアニクにどうにかついたか? 多分、全員一致で魔法学校に送ることになるだろうから、学園生活楽しめよ。あと、全員本当の魔法は教えないだろうから、信じ込みすぎんなよ!


 ベルトより]

「(ベルト! これも魔機なのか……)」


 すると紙はチリとなって消えた。このメモはおそらく輝が着く前に書かれたものと考えられる。つまりは、ベルトはここに来ていたということだ。輝は不気味に思いながらも、冷水シャワーの後、ベルトのベッドで眠りについた。

「(長い一日だった……)」


 六十日目


 輝は起きて、用を足し終えると、ギルド内を見渡した。ギルド内には、多くの紙が貼り付けられている板があった。

「(これって全部、ミッション的なやつなのか?)」

[そうみたいですね]


 しかし、どのミッションもさえないものばかりであった。

[畑のお手伝い:日給一マジク

 店番:日給一マジク

 留守番:日給一マジク]

「(全部安すぎんだろ、後こんなつまんないのかよ)」

[そうですね]

「(もうわかんねーから、適当に選ぶぞ)」


 輝は板から一つの紙をとった。

「(これはなんだ?)」

[ブーム畑:日給一マジク食事付き]

「(ブームってなんだよ、でも食事付きだからいいか)」


 輝はギルドをでた。しかし、どうすれば良いのかわからずに、ギルドの前で人が通り過ぎるのを待つことにした。

「(誰もこないな……)」

 輝はそのまま眠ってしまった。


 テルが目を覚ますと、ちょうど太陽が空高くに、正午の時間であった。しかし、誰も通った気配もなく、何もせずにいた。

[そろそろ何かをしたらどうですか?]

「(仕方ねーだろ、何もすることないんだからよ)」


 そして、日も沈みかけてきた頃、初めての男性が通った。

「すいません」

「悪いな、忙しいんだ」

「(この世界でも結局こうか……)」


 また、別の男性が通った。

「すいません」

 しかし、無視をして歩いて行った。

「(くそ)」


 すると、かなり年の老いたおばあさんがやってきた。

「なんか困っているのかね?」

「まぁ、はい」

「もしかして、ドレアニクの新入りかね?」

「はい、テル申します」

「ほー、珍しいね。それでどうしたいんだ?」

「実は、この紙にある、ブーム畑に……」

「あいつら、何も説明してなかったのか?」

「説明?」


 日も暮れてしまい、薄暗い中、輝とおばあさんは地面に座って話し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ