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異世界でもコツコツ強くなっていきます!  作者: 黒陽
三章 ギルド入会
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第二十話 魔法界マグナール

 第二十話 輝と魔法界


 輝は食後特にすることがなかったため、街をぶらぶらと散歩することにした。

「街を歩いてくるよ」

「絶対に帰ってきてよ」

「わかってるって。行ってきます」

「行ってらっしゃい!」

「(これが夫婦って感じなのかな?)」

[どうでしょうね]


 輝は家を出た。すると、やはり誰一人ローブを羽織っていなかった。また、活気も昨日以上にある、大変賑やかであった。

「(すげー人多いな)」

[前までとは比べ物になりませんね]

「(金を盗まれないようにしないとな)」


 と輝が考えた側から輝のズボンのポケットが軽くなった。

「(あれ)」


 輝は慌てて、手をポケットに入れるが何も入っていない。そんな中、輝は群衆の中をくぐり抜け、走っていく帽子を被った者を見つけた。

「(あいつか!)」


 輝は全速力で追いかけるがやはり人混みのせいでなかなか進むことができなかった。輝は帽子の者が路地に入っていくのを見た。

「(こっちか)」


 そして路地裏に入っていくと、箱が山積みになっており、行き止まりになっていた。そこには帽子を被った、輝よりは少し幼い少年らしき姿をしたものがいた。

「追い詰めたぞ!」

「……」

「貴様は誰だ! 金を返してもらうぞ!」

「もう忘れたのか?一日ぶりだな」

「誰だ! お前のことなんか」


 すると、帽子を脱ぎ捨てたそこには、あのライキがいた。

「ライキ! 卑怯な真似を!」

「いや、金は返すよ。こんなぽっちいらないからな」


 ライキは輝に封筒を投げた。

「次はちゃんとしまっておけよ」


 輝は中身を確認するとポケットの奥にしまった。

「じゃあ何のようだ?」

「俺を弟子にしてくれ」

「(何言っているんだ)」


「おーおー、テルももう師匠になれる身分か」

 どこか上から声が二人に聞こえた。

「(ん?)誰だ?」

「誰だ?」


 すると、路地の横の屋根から男がおりてきた。

「ベルト!?」

「そうだよ、昨日は良かったな、勝てて」

「何だ知ってたのか」

「どうせ魔法使ったんだろ、上手くバレないようにやったか?」

「うるせーな」


 ライキは唖然とベルトを見ている。


「ちょっと待った、お前は誰だ? ここは君のいるべき場所じゃないよ」

 ベルトはライキを見て言った。

「ちっ、それはこっち台詞だ!」

 ライキはベルトの方に走って行った。

「おう、やんのか」


 その瞬間、ライキの体から閃光が放たれた。そして、ベルトの頬に一発殴りつけた。しかし、殴りきるまでに至ることもなく、ベルトは容赦無く、ライキの溝を打った。

「なかなかやるな」

「くそ、強い!」

「名前は?」

「ライキだ」

「君、見込みがあるね。テル、俺弟子間違えたかもな」

「(今の速さ!)……」

「俺はベルト、テルの師匠だ。ライキ、お前はいくつだ?」

「十六だけど」

「それにテルよりも一歳若い! 惜しい事したな」


 確かに、電気は熱以上に使い勝手が良く、電気も熱を発する。それに、自己可動式のようだ。つまり、完全に輝の上位互換ということだ。


「だがな、ライキ、師匠になるためには資格がいる。それに、こいつはなりたてのH級魔道士だ。こんな奴よりも、お前ならもっといい師匠を探せる」

「でもどうやって……」

「とにかく見つけろ!」


 ライキは帽子をかぶり、路地を出て行った。

「って、ベルト! H級ってどういうことだ?」

「つまり雑魚ってことだよ」

「階級式なのか?」

「あぁ、下から、Z、Y、X、H、G、F、E、D、C、B、A、A+(プラス)だ」

「ベルトは?」

「俺はC級だ」

「意外とカスいな」

「俺の師匠でもB級だった。まず、A以上にあったこともない」

「どうしたら上がれるんだ?」

「師匠が魔道士の場合はすぐにH級になることができる、だが、いない場合は、魔法学校への入学する必要があって、G以上に行くためには、学校の卒業が必須条件だ」

「じゃあ俺も行くのか?」

「だが何か功績をあげれば必要はないぞ」

「下の方は何だ?」

「犯罪者たちの階級、ランクだ。まぁ、詳しいことは自分で学べ」

「(なんだよこいつ)」


 すると、ベルトは輝に何かを手渡した。カード状の者には、TERUと記載されており、横にはHと書かれている。アルファベットというものは同じようだ。「これって、魔法界の言語なのか?」

「あぁ」

「(ローマ字ってことか、トクの必要性さらに減るな)それでこれからどうするんだ?」

「魔法首都レクリアノスに行くぞ、この身分証明は行くのに必要だ」

「わかったって」


 ベルトは路地の壁に手を当てて、何かを言った。すると、ハサークの時のように壁に扉が現れた。


 扉に入って行くと、前とは違う店主がいた。輝は小声でベルトに聞いた。

「前と違うオーナーだぞ」

「当たり前だろ、これは家族経営だぞ」

「(なるほど)」


 実際、この移動を自由にできる店は、魔法の家族が代々遺伝している、魔法であるのだ。


「それで兄さん、どこ行くんだ?」

「レクリアノスだ」

「身分証明を」


 ベルトはポケットからテルと同じようなカードを出して店員に渡した。輝も慌ててカードを取り出して、渡した。すると、カードをスキャンし、すぐに返した。また小声で輝はベルトに聞いた。


「何であの山には行けたんだ?」

「あそこは魔法協会の管轄対象外だ」

「なるほどね」


「よし、それで何で払うんだ?」

「マジクで」

「二人で千マジクだ」


 輝はまた小声で、

「たか!」

 すると、ベルトは輝を睨みつけた。

「(わかった)……」

 輝は黙った。


 ベルトは千マジクを支払った。


「B室を使え」


 輝とベルトはB室に行き、扉を抜けると、活気に溢れた、街にたどり着いた。皆が話し、笑い、楽しむとても賑やかだ。

「すごいな」

「当たり前だろ、魔法界最大都市だ!」


「いろんな人種がいるな、この世界はなんなんだ?」

「ここは、魔法界マグナール、ここは国際的な世界でもあるからな。俺たちハイルランドに住んでいるのは、人族がいて、実は、耳が尖っているのがエルビー、でエルビーが住むガルミランド。他にも色々あるけど、人族、エルビーが基本多いかな」

「(エルビーってエルフみたいだな)ガルミランドにはどうやったらいけるんだ?」

「ハイルランドとガルミランドは島交があるから、ちょうど百日経っただろ、だからこれからエルビーもハイルランドで増えるはずだぞ」

「そうなんだ」

「あと、エルビーは基本何かしらの魔法が使えるんだ」

「じゃあエルビーの方が上位だな」

「だが、人の方が賢いなどのデータは出てるけどな。まぁいい、行くぞ」

「次はどこに行くんだよ」

「魔法協会本部だ!」


 そして、街の中を、人ごみの中を通って行くと、ある大きな建物の前で止まった。赤煉瓦造りの西洋風の建物だ。

「ここだ」


[魔法協会本部]

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