第百十六話 意外な出会い
第百十六話 意外な出会い
輝はどうすることもできず、翌日から学校の壁を登ろうと必死に頑張っていた。
「(高すぎるんだよな…… まぁ、ライキにまたしてもらうのはやだしな)」
そして、輝の授業後の秘密特訓は続いてゆき、輝は途中までもメタルで階段を作り、そこからは壁を全速力でダッシュする方法で壁を登りきった。
「凄い景色だな」
壁の上からは、魔法界学法都市ジクールを全貌を見渡すことができ、そこには三つの大きい学校を眺めることができた。
「(あれがそれぞれ学校なのか…… この学校ほど大きくないけどな)」
輝は勢いよく壁から落ちてゆき、地面に打ち付けられた。
「痛った……」
しかし、輝は足を挫いてしまい、起き上がれずにいた。
「(ヤベー、マジで立てない。痛いすぎてまじで…… どうしよ)」
すると、輝の前に手が差し伸べられた。
「大丈夫?」
「痛いです……」
輝が顔を見上げると、そこには赤い制服を着たドアフ族の女子生徒がいた。
「ま、ま、魔機師専門学院! (ラッキー)」
「えぇ、そうだけど……」
「あの…… 友達になってください!」
「えぇ、何急に?」
「俺は輝です! 魔導師専門学校二年生です」
「まぁ、今この学校の上から落ちてきたからね」
「それで友達になってもらえますか!」
「私はレミーだけど…… それと一年生です」
「それで! あぁ、そうか、キリって知ってる?」
「何? キリ? 知らないわ。それよりもあなたが大丈夫なの?」
「歩けそうにないな…… でも、どうしても誰か……」
「いいわよ。でも、何でお兄さんに聞かなかったの? 私の学校に友達多いはずなに……」
「もしかしてボビーのこと?」
「ボビー! はい、ボビーです」
「でも、ボビーはなんか嫌われてるって。学校に入ったから」
「ほんとは、そんなことないけどね。伝統を破ったとか…… と言うのを抱え込んでいるのかな?」
「そうだったのか…… 」
「まぁ、とにかく友達になってもいいわ。だけど、キリは知らないわ」
「そうか…… でも、なんか情報があったら教えてね」
「ボビーによろしくね」
「じゃあね」
「いや、待って! 足はどうするのよ!」
「そうだった……」
「だって魔導師専門学校は全寮制で外出禁止だからね」
「やっぱり知ってたんだ」
「私の学校に来て手当てしてもらう?」
「でも、そんなことしたら……」
「だから、制服変えてさ」
「でも、何でそこまで……」
「そりゃあ、お兄ちゃんとも友達だからね!」
「ボビーいい妹持ったな」
「だから行くわよ! お兄ちゃん用に買った制服があるから、サイズは合わないと思うけど、家まで来て」
「ほんとありがと」
ジクールの街中を歩いていくと、レミーに寄りかかりながら輝は歩いていた。大きな鍛冶屋通りに入り、多くの煙と釜がどの鍛冶屋にもあった。
「ただいま!」
「おぉ、レミーか?」
そこに出てきたのは大柄のボビーがいた。いや、それはボビーの父親であった。
「おぉ? 誰だ? その制服ってボビーのところの?」
「そうだよ、父ちゃん! しかも、ボビーの知り合いだって」
「そうか、そうか。でもあそこの学校の人が何故?」
「それがなんか私の学校に友達を作りたいから出てきたみたいなの。しかも、壁から落ちてきて、怪我しちゃってるみたいで」
「そうか、そうか。なら、仕方ないな。それでボビーはどうしてるんだ?」
「元気でした。今は違うクラスなのですが、去年はルームメイトで」
「そうか、そうか。それでその怪我はどうするんだ?」
「それがね、私の学校で治してもらえばいいかなって連れてきたの。お兄ちゃんの制服残ってるでしょ?」
「そうか、そうか。あれはソナーの坊にやっちゃったな」
「えぇ、じゃあどうすれば……」
「そうか、そうか。俺がやるぞ」
「父ちゃん、直せないでしょ!」
「そうか、そうか。って、何だと! 俺にできないことはないんだぞ!」
「そんなこと言って! 父さんはできないだろ!」
「そうか、そうか。って、父さんだってできるんだぞ! えっと、名前聞いてなかったな」
「輝です!」
「そうか、そうか。テルだな。よし、足を此処に置け!」
そう言って、ボビーの父はテルの足を金床の上に置かせると、ハンマーを振り上げた。
「待ってください! もっと悪くなるって!」
「ちゃんと、治るぞ! どんな魔機だって、これ一発で!」
「でも、俺の足は魔機じゃないぞ」
「そうか、そうか。でも、同じようなもんだろ!」
「あの、他の方法はありませんか……」
「そうか、そうか。そういえば、何で普通に学校、戻らないのか?」
「それが、ですね。そのままは戻れないからです。足が治れば何とか魔法を使って戻れるんですけどね」
「そうか、そうか。おぉ、俺がハンマーでぶっ飛ばしてやってもいいが……」
「えぇ!? それって安全ですか? なんか危険な匂いしますが……」
「そうか、そうか。試してみるか」
「まぁ、足は学校の方で治してもらえるかもしれませんしね」
「そうか、そうか、そうだよな! よし、行くぞ!」
輝たちは魔導師専門学校の壁の前に着いた。ボビーの父は三回りも大きいハンマーを担いでいた。
「準備はいいか?」
「ちょっと、まだ心の準備が……」
「行ーーーーーけ!」
輝は壁を通り越して、学校内に落ちていった。
「うわぁーーーー(てか、また地面に落ちる!)助けてーーー」
輝は恐怖から気を失ってしまった。
輝は目を覚ますと、病室にいた。
「(此処は…… もう異世界にきて何回病室で目覚めてんだよ!)」
「テル! 起きたか?」
「ライキだよな? 何で此処に?」
「てか、何で空から降ってきたんだ?」
「それより、魔機師専門学院に友達できたぞ!」
「それよりじゃないだろ! 足も怪我してたじゃねーか」
「それがね……」
「そっか、悪いことしたな」
「それで俺はこれからどうすればいいんだ?」
「キリの情報はなかったのか?」
「あぁ、知らないって聞いたな。そうか……」
「まぁ、まずはみんなでミーティングだな」
「その前に、壁を乗り越える方法がないと困るんだけど……」
「でも、今回できたんだろ!」
「それが、壁の上まではいけるけどそっからまともに降りられないんだよな。だからこんな怪我を……」
「そんなの適当に魔機を使えばいいだろ!」
「メタルを使ったらもっと危ないぞ!」
「だから魔機っていってるだろ! グラインダーみたいなやつとかないのか?」
「てか、ライキはどうしてるんだよ!」
「いっただろ、普通に正門からだよ!」
「それは無理だな…… 風も氷もないしな……」
「まぁ、何とかなるだろ!」
「身勝手な!」
輝はひとまず学校に戻り、問題なく授業に戻ることができたのであった。




