第百十五話 ソーシャライゼーション
第百十五話 ソーシャライゼーション
初めての急かされないジクールを満喫していた輝とライキは、ケレンとカレンと合流した。勿論学校では制服以外はないので、全員制服を着ている。そのまま、四人は輝にとってはこの世界初のカフェに行った。
音楽はジャズのような音色、しかし楽器に多少の違和感を感じた。とにかく、お金を持ち合わせていない輝は三人が飲んでいる中一人水を飲みながら座っていた。
「それで…… 今日はどうするんだ?」
「そうね、キリを…… どこからどう?」
「決まってないのかよ」
「別に決まってるとか言ってないでしょ!」
「でも、決まってないとも言ってないぞ! しかも、あの流れ的にもう知ってるみたいじゃねーか!」
「それはテルの勝手な推測よ!」
輝とカレンは常に口争いを巻き起こした。そして、ケレンは時々、カレンを援助し、ライキはあくまで傍観者だ。
「何なら他の学校の生徒に聞いてみてもいいんじゃねーのか」
「でもライキ、そんなの知ってるわけ……」
「いや、意外と知ってたりするかもしれないだろ。後、生徒同士コネクションもあると、便利だしな」
「そうね、やっぱりライキは頭いいわね、テルと違って!」
「いや、俺もそう言おうと思ってたんだ」
「嘘つき!」
「勝手に言ってろ!」
カフェの窓越しに外をみると、やはり多くの生徒がいた。輝の通う魔導師専門学校の制服は高級そうな黒と白のモノトーンに対して、赤色の制服、青色の制服、そして緑色の制服を着た生徒がいた。また、魔導師専門学校の女子のスカートはスカートというよりもドレスに近かった。
「なんか、いろんな学校があるんだな」
「あぁ、あの赤い制服は魔機師専門学院だな」
「へぇ、ライキは物知りだな」
魔機師専門学院はドアフ族は見たところ多いらしく、また男子はズボン、女子は膝丈のスカートといった普通の赤色の制服であった。
「あの青い可愛い制服は男子禁制よ。名前は」
「青魔導師高等学校ね」
「変わった名前だな」
青魔導師高等学校の制服は青い色気を醸すミニスカートにセーターとかなりの違和感があった。
「そうだったわね、でもあの緑は見たことないわ」
「あれは新しくできた天才がある待ってるところだよ。確か、魔賢者量産学校とか言ったっけ」
「なにそれ? 変なの」
「ちなみに、そこの記念校長俺の元師匠な」
「今もだろ!」
「そうなったけど、一様授業は学校で受けるからさ」
そして、魔賢者量産学校の生徒は男子も女子もズボンを履いており、皆が揃ってレンズを耳にかけていた。
「じゃあ、俺いってくるわ」
「おい、ライキ。いいのか?」
「何だ? だって、師匠が……」
「だからだよ! あと、あの学校の生徒は頭いいからな」
「ライキ、まさか俺を無能だって……」
「そうはいってないだろ。とにかくいってくるわ」
ライキはカフェを一人でに飛び出し、道を歩いている緑色の制服を着た魔賢者量産学校の男子生徒に話しかけた。
「よ!」
「何だ? なんかようか?」
「ちょっと聞きたいことがあってな」
「てか、その制服って魔導師専門学校だろ? 外出禁止の全寮制じゃなかったっけ?」
「バレなきゃいいんだよ」
「そんなことか。それで聞きたいことって何だ?」
「キリって知らないか?」
「キリ? どんなやつだ?」
「男……ってことしか」
「そんなんわかるわけないだろ! 偽名と使ってるかもしれないだろ」
「それもそうなんだけどな。何か情報が欲しいんだ」
「何でお前にそんな! まず、名乗れよ」
「おぉ、悪かった。言い忘れてたな。俺は魔導師専門学校二年生、ライキだ」
「待て、ライキって……」
「俺のことを知ってるのか?」
「記念校長の弟子の……」
「何だ? 師匠のことか」
「魔賢者マグニス様の新しい」
「そうだが」
「私の無礼をお許しください! 私は魔賢者量産学校同じく二年生のトリノスです」
「そんなかしこまらなくても……」
「何かキリについての情報が入ったらすぐに教えます」
「だが、どう伝えるつもりなんだ?」
「このコンタクト用魔機使えば」
「いいのか? これ高価だろ!」
「いいのです。私がこうしたいので!」
「わかった。じゃあ連絡してくれよ」
「わかりました!」
「じゃあな、トリノス」
「はい、ライキ様」
「様は止めろよ」
「了解しました。ライキ……」
「あぁ」
ライキはカフェの店内に再び入ってきた。
「なんかうまくいったみたいだな」
「あぁ、まぁ、師匠のおかげだけどな」
「師匠がいいのやっぱりな……」
「でも、テル? お前の師匠は魔法協会副会長だろ」
「神出鬼没のな」
「A+級魔導師だろ」
「だけど、仕事してないだろ!」
「まぁ、とにかく。まず、俺はできることをした。あと二つの学校ともなんかあったほうがいいんじゃないのか?」
「まぁ、そうか……」
「じゃあ、テル、行って来い!」
「いや、俺はこういうの…… あと別に俺はキリに恨みがあるわけでもないし」
「カレン?」
「私たちは青魔導師高等学校の二年生に知り合いいるわ」
「じゃあ、あとはケレンだろ?」
「いや、私たちは見つけたからね。だから、テルよ」
「何で俺が……」
「魔機師専門学院の生徒だな」
「まぁ、そうか……」
「じゃあ、あとは任せた」
「仕方ないか(ボビーに聞けば……)」
その日、輝たちは学校に戻った。輝は学校に戻るや否、ボビーに会いに B組に会いに行った。
「ボビー」
「何だ? 久しぶりじゃん、テル!」
「もう大丈夫だぞ!」
「もう、何を聞くかわかってるんだな」
「元ルームメートだしな。あと、俺を何回も心配してきたしな」
「恥ずかしいこと言うなよ。それで、何か用あるんだろ?」
「そうそう、ボビーって魔機師専門学院って知ってるか?」
「あぁ、あの学校だろ。赤い制服の」
「テルに頼まれてるから断りにくいけど」
「知らないか?」
「知ってるけど……」
「けど?」
「ちょっとあの学校は……」
「何だ? あそこドアフ族が多いって聞いたけどな」
「だからだよ」
「どう言うことだよ。まさか、嫌いな奴がいるみたいな」
「ちょっと似てるけど、逆かな……」
「嫌われてるってことか?」
「あぁ。なぜなら、ドアフ族は基本あの学校に入学するからな」
「つまり、お前だけ入学したから顔を合わせにくいってことか……」
「そう、だから知り合いはかなり多いぞ。悪いな」
輝は唯一の伝手を失い、キリをどう探そうか、困っていた。どうにか魔機師専門学院に知り合いが必要であることを知りながらも、どうすることもできずに尻込みしていた。




