第73話 嵌められました
あァー面倒くさいー。
でも、嘆いたって現状が変わるわけでも無い。
仕方ない、いっちょ頑張りますか!
とは意気込んだものの、まだ私の試合まで時間がある。
少し、学園対抗戦の総当たり戦について説明をしようと思う。
学年誰でも出れるのは前に言った通りなのだが、その全員が一人ずつ試合をするとしたら、とてもじゃないがこの三日間で出来るものじゃない。
だから、ある程度絞り込む必要が出てくるのだ。
それをこの総当たり戦、初日に行うのだ。
一対一で戦うのではなく、多対一。
まぁこのニュアンスは少し違うかも知れないが、大体は合っていると思う。
要は15人が試合会場に一斉に出て来る、その中の一人が明日のトーナメント戦に出場出来る訳だ。
15人で一斉に戦って勝ち残ればいいだけだ。
さて、ここで私にとって難題なんだけど。
ここで負けるべきか、それとも負けないべきか、ということだ。
対戦相手がランダムだから勿論、上級生も出場するだろう、まだ私たち一年は半年しが戦闘訓練を受けていないのだ。
上級生に負けたとしても何の疑問も持たれないだろう。
だとしても、それはシュテルン学園でのことだと思うんだよね。
他の学園の年上たちが私たち程度の戦闘力があるとは思わない、温室育ちの貴族に切磋琢磨という文字は当てはまらないだろう。
貴族で騎士の家計ならば当てはまるだろう。
兄様みたいな例外もいるだろう。
でも、一般的には貴族の学園の上級生が強いとは思わない。
てか、そんな奴らに負けたくないというのが私にはある。
それに、そんな弱い奴らに負けたら兄様が笑われそうで嫌だ。
アホ共が私の兄様に「お前の妹初戦で負けてやんの、ぎゃははー」とかそんな感じに言われたらマジでムカつくし、兄様に不愉快な気持ちにさせてしまう。
そんなのは、断固として許せん!!
だから、私はこの初戦でギリギリで勝とうとおもう。
さも、偶然勝てたみたいな感じに取り繕うつもりだ。
そして、明日のトーナメント戦で負ければ万事解決ではないだっろか? 流石に一年がそれで勝ってしまうと目立ってしまうしね。
まぁでも、今日の戦いで15人の中に優勝候補みたいな強い人が居たら流石に負けようと思っている。
だって、そんな人にギリギリでも勝ったら目立つしね。
◇ ◆ ◇ ◆
今私は選手の控室に居ている。
と言ってもここは平民用と行ってもいい、貴族なんかは個室にいるだろう。
ここは平民の皆が、まぁシュテルン学園の生徒が一挙に集まっている。
だからか、正直言って狭い。
でも、ぎゅうぎゅう詰めという訳でも無い。
確りと動けるだけの広さはある、でも人口密度が高いから少しムッとっする。
これぞ試合前の控室って感じだ。
女子と男子も控室が別々にあるのはありがたいね、変な視線を感じずにストレッチとか出来るし。
そこでサキちゃんとアリアちゃんを見つけた。
「あれ? ユキ総当たり戦出るの? なんか以外」
「私も、ユキちゃんは出ないと思っていたから」
そうだよねー私もあんなルールが無かったら出てないよ。
「なんか一年は全員出なければ行けないみたい。アレン先生がそう言って私のエントリーもしてたみたいだから」
「「え?」」
ん? 何この反応?
「ユキ、そんなルール私たちの学園には無いわよ」
と、アリアちゃんが言う。
「私も聞いたことがないかな? どういうことだろう?」
と、サキちゃんが言う。
ん? んんん?
一体全体これはどういう事なんだ?
アレン先生は全員出場しなければいけない、って言っていたんだけど。
あ、あれ?
こ、これって、もしかして……。
は、嵌められたァァァァァァーーーーーー!!!!!!!
オーマイゴッド!!!
何てことしてくれのアレン先生!!!
「というか、ユキがエントリーとかどうのって言っているけど、そもそも総当たり戦にエントリーなんて必要ないわよ?」
え?
「そうそう、アリアちゃんが言っている様に、さっき入口で点呼と人数確認していたでしょう。それで今回の勝ち抜きの枠を決める訳だし」
そんな、バカなーー!!!
確かにさっき入口で点呼してたけどそういう意味だったの?
ただの居るかの確認だと思ってたんだけど!!
「そ、そんな~~~」
ぐすん、もう私やさぐれちゃう。
この試合終わったら絶対に文句いってやるんだから!!
アレン先生のことが憎いよ~でもアレン先生の事だから私のために、やっているんだろけど、そこがなおたちが悪いよ~。
多分アレン先生はこう思っているんだろうね。
だらけ過ぎは良くないって、それに学園にいる間は貴族に目をつけっられても大丈夫と思っているんだろうね。
法で守られているし、学園にいる間は安全だろう。
そしてこの試合で私に何かを学べと言っているような気がするんだよね。
それが何なのか分からないけど。
これだけは、言わして貰いたい。
余計な世話だーーー!!!!
ああーもうやだよーーーー!!!!
私の心の声は今日も虚しく響いています。
進みが遅いですね、頑張らねば。
次にやっと試合です。




