表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/80

第70話 オリジナル魔法

(へーあの坊主、その年で火属性の上級魔法『グランドファイヤー』を使うとは、やるじゃねえか)


 カラドボルグがいきなり話しかけてきた、偶に自分で話しかけてくる時がある。

 気分屋なことだ。


 因みに【一心同体】という戦技を使っているらしいが、勿論これが本来の使い方ではない。


「そうなのかな? でも、そうかも知れないね」


 上級の魔法一発で倒れてるとかと、思わないではないが、そもそも上級魔法自体使えることが凄い事を失念していた。

 私の周りには規格外の人たちが一杯いるからそれを基準にしてはいけないね。


(あの坊主は最初の一撃に全てを掛けていたみたいだが、相手の方が何枚も上手だったわけだ)


 彼のMPでは一っ発が打つのには限度だったのだ、普通は後の試合の事も考えて温存したり、手の内を序盤から晒すのは悪手だと思うのだが、彼は兄様と対峙した時に気づいたのだろう。


 全力で倒さねば、こちらがやられる、と。


 それほどまでの実力の差があったのだろう。


(それにしてもお前の兄はヤバいな、そんじょそこらの奴らとはわけが違うあれは一種の化け物或いは神童だな)

「そんなの私の兄様なんだから当然じゃん!」

(それに関しては主も人の事はいえねぇーな)


 はて? 何のことやら。


(まぁーいいが、『リモートコントロール』か、昔あれに似た魔法を使っている奴を見た事がある。懐かしいなぁー結構てこずった記憶がある。だが、最もそれとは違う、お前の兄が使ったのは汎用性を重視をしている魔法だ、それにまだ不完全要素が多過ぎる、あれはオリジナルだな)

「ん? オリジナルって」

(オリジナル魔法、個人が自分に合った様に魔法を作り出すことさ。既存の魔法とは違い一から手探りで作らなければいけない。だが、それには魔導に深く精通しなければならない、あの年でそれを出来るたァー恐れ入る)


 やっぱり兄様は凄いんだ!

 うんうん! そうだよね!!


 でも、だからか「真理眼」で見ていたけど不完全要素が余りにもあったからどうしてだろうと疑問に思っていたんだけど、まだ作り出して間もないのだろう。

 因みに属性は無属性だ。


 でも、オリジナル魔法かー。

 凄くいい響き、私も使ってみたい! でも……どうせ無理なんだよ!! コンチキショウ!!!


 はぁー仕方ない、それは前々から分かっていたこと。


 それにしても本当に兄様はすごいんだね、あんなにも凄いのに驕ってい所が全然ない、そんな謙虚で真面目な兄様が大好きです。




 ◇ ◆ ◇ ◆




「う~ん。やっぱりもう少し改良しないと使えないな」


 僕、キリ・ライトリアは試合の退場の廊下で一人うなっていた。


「そうかい? 僕にはあれでも大丈夫な気がするんだが、研究熱心なことだね。オリジナル魔法を使っている時点でもう凄いとしか言えないのに」


 そこへ第三王子のハンスがやって来た。


 面倒な奴が来たなー、と思い僕はため息を吐く。


「オイオイ、それはないんじゃないか、これでも王子なんだぞ?」

「どの口が言うんですか、僕は今真剣なんですから絡まないで下さいよ」

「……最近君の僕えの態度が段々とザツくなってるのはきのせいかな? 僕はーさみしいよ」


 しくしく、とハンスは両手で顔を覆う。


 こいつがそんなやわな精神をしていないことは僕は承知している。

 確かに、最初は王子ということで尊敬もしていたし敬意えお払っていた、でも段々と付き合っていく内に心を許すようになってから王子の態度が……なんというか悪い方に変わっていったのだ。


 それはいいことなのか悪いことなのか正直分からないが、僕に対して素を出してくれる様に信頼してくれる事は嬉しく思うけど、もう少し節度を持ってほしいとも思うこともある。

 というか常に思っている。


 僕は額を抑えてもう一度溜息を吐く。

 ここには人がいないことはわかっているから僕たちは素で話し合える。


「で、どの辺がまだ未完成なんだい?」

「前に言ったように、僕のオリジナル魔法の元になったのは文献に残っている人物、今は架空の人物とまで言われた存在。大賢者マーリンが使っていたと言われている『THE・コントロール』を基に造ったものなんだ」

「ふんふん」


 こいつ、本当に聞いているのか?


「……大賢者マーリンが使っていたオリジナル魔法『THE・コントロール』は魔法に対して補助魔法として使っていた。これは魔法使いでは画期的な発想だと僕は思う。そもそも魔法を更に魔法で補助をするなんて考えて付かないからね。それで僕はスキルを魔法で補助をしようと考えたんだ、それによって今までのスキルの限界を突破して新たな可能性が開ける様な事が出来ると考えた訳だけど。上手くいかないだ、今僕が使っているオリジナル魔法は改良しないと使い物にならない。具体的に言うとスキルを補助しきれていないんだ、スキルという力が膨大過ぎて全てを覆えない」

「ん~わかんねー」


 じゃぁ何で聞いたんだよ。


 僕はケラケラ笑っているハンス王子にジト目になる。


 まぁいいや、いつものことだ。


 大賢者マーリンは偉大な人だ、今の既存の魔法の約3割は大賢者マーリンが作り出したと言われている、数数多かずあまたある魔法の3割とは物凄い膨大な数だ。

 人の人生は多種族よりも短い、それなのにそこまでの偉業を成し遂げている、それら魔法は皆が使えるように改良され魔法だ。

 それだけじゃない彼個人だけが使えるオリジナル魔法も沢山造っていると言われている。


 それに大賢者と言われたマーリンは決して驕った人物ではなかったみたいだ、世のために大陸魔剣カラドボルグと戦ったとも。

 ……ある文書には魔法の変人だと書いているものも有ったが。


 僕はそんな偉大な人物になりたいと思っている。




 読み返して見て思ってことがあります。

「無詠唱」「詠唱破棄」の違いが判りずら過ぎます。

 少し複雑なため例を出します。


『炎の塊よ、今ここに力となり、我の前に現れよ ファイヤボール』


 という詠唱があったとします。

「詠唱破棄」の場合


『ファイヤボール』


 スキルですから「詠唱破棄」は詠唱は要りません


 ですが「無詠唱」の場合どれだけ理解しているかによって詠唱が縮みます。


『炎よ現れよ ファイヤボール』


 これでも「無詠唱」になります、この事を「詠唱短縮」と表している所もありました。


 何で私はこんなにややこしい事にしたんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ