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第59話 アリアちゃんをなだめる

 遅くなり申し訳ありません。

 一件落着? まぁそうだよね。


 私は「異空間箱」でコートを直した。


 あー一仕事した後は気持ちいいーねー。

 もう直ぐ始業式だ、速く第一訓練場に行かないと。





「あ! ユキ!!」


 第一訓練場に向かっている途中にアリアちゃんがに声を掛けられた。

 だけどその表情に愁傷が漂うって見えた。

 たぶんサキちゃんの事だろう。


「どうしたの? 顔が悪いよ?」


 でも、敢えて今まで知らななかった風を装う。

 性格が悪いよ言われたらそうかもしれないが、これには理由がある。


 簡潔言うと、悟られないためだ。

 盗賊どもをあんな風にしたのが私だと知られたらめんどくさいしね、アリアちゃんなら大丈夫かもだけど、勘が良さそうな、特にイリス先生あたりが私のことに気付きそうだ。

 だから私はこれまで知らなかった様に装う。


「落ち着いて、落ち着いて聞きなさい、ユキ。実は――サキが盗賊団に捕まったの」

「なっなんだってー!」


 ……ヤバイ凄く演技が下手だった。

 私はの演技力舐めてたわ、物凄く棒読みになってしまった。


 ちょ、そんなに睨まないでー、サキちゃんは大丈夫だから!


「ユキ!! ふざけないで!! 私は真剣なのよ!! 本当に今、サキの身が危険なのかもしれないのよ!!」

「それはない。サキは大丈夫だよ」

「なんでそんな事言えるのよ!!」


 んー確かにそうだよね。

 私がその盗賊団を打ちのめしたとは言えないし。


 まぁありきたりな理由をいうしかないか。


「落ち着いて、アリアちゃん。そもそも盗賊団の目的は何だと思う?」


 私が冷静だからか、アリアちゃんも次第に冷静になっていった。

 そこで今私の質問を考え込む。


「お金、でしょうか?」

「正解」


 まぁ、まだ有るけど、快楽とかね、女性を慰み者にしたりとか。

 でもそんな事こんな無垢な女の子に教えるとか気が引ける。


「他にも有るけど、今は関係ないね。じゃあ聞くけど盗賊がお金を得るにはどうする?」


 あの盗賊団に少女趣味の人がいなくて本当に良かった、もしサキちゃんに何かしていたら、私、たぶん色々と暴走していたと思うし。


「それは、今の様に他人を襲うのでしょう?」

「半分正解。確かに襲った人の金品を奪うのは合っている。けどもう一つ、襲った人を捕まえて奴隷にする方法でお金を得ることもできるの」


 そうなんだよね、この世界は普通にどれいが居るんだよね。

 大半が犯罪奴隷とか借金奴隷なんだけど、それは正規の奴隷商人の話。

 闇奴隷商人というものが存在して、盗賊が襲った一般人を奴隷にして一部の貴族や商会の会長などを対象に商売をしている。

 闇奴隷商人は殆ど若い女性を取り扱っている、そうじゃないと売れない。

 そうなった者の末路はいつも悲惨なものだ。


 これがこの世界の常識だ。


「それじゃあサキが危険じゃない!! 捕まえるって事はどこか怪我しているかもしれないでしょう!!」

「その可能性は低いよ」

「どうしてそう言えるの!?」

「もし、奴隷が売られるとしたら怪我をしていたら値が下がるでしょう。だから、捕まえるときは出来るだけ丁寧に扱われるんだよ」


 アリアちゃんは掴み掛かってくる勢いだったが、それを聞いてほっとしたのか一歩二歩さがった。

 まぁ、売られるときは怪我を服とかで上手く隠すんだけどね。

 それに、女性を味見とかいって慰み者にされるのだけど、サキちゃんは幼いから助かった。

 でも、それをいう必要は無いだろう。


 そして何かに気付いたのか再び迫ってきた。


「それではサキが奴隷にされてしまうではないですか!!」

「それこそあり得ない、先生が許す訳が無いよ」

「た、確かにそうですわね」


 そのことに気付いて漸く安心して気が抜けたのか、アリアちゃんは深く息を吐いた。


「良かったですわ」

「それじゃ、もう始業式が始まるから行こうよ」

「そうですわね」


 そう思い、私達が第一訓練場に向かおうとした時。


「ユキさん。少し話があります、来ていただけませんか?」


 そう言われて振り返ると。


 満面の笑みの笑顔が張り付いたイリス先生が立っていた。


 選挙行って来ました~。

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