第58話 出陣じゃ!!!
は? どういうこと?
おかしいでしょう!! ふざけるな!!
私の可愛いサキちゃん、私の愛しいサキちゃん、私の私の私の……。
いや、今は落ち着く時だ。
こういう時こそ落ち着くのが大事、先ずはその盗賊団を見つけ出さなばならない。
ふふふ、この世の地獄を見してやろう。
先ずは「千里眼」で奴らを見つけ出す、そして「座標操作」と「瞬間移動」でその盗賊団を殲滅してやろうじゃないか。
「千里眼」発動!
幸い場所は大体教えてくれた。
見つけた!!
確かにサキちゃんが盗賊団に捕まっている。
でも、良かった、幸い酷い扱いは受けていない。
だた意識は失っているみたいだけど。
もし、私のサキちゃんに不埒なことを使用ものなら只じゃ済まないよ。
まぁ今の時点でも只じゃ済まないけど。
もしサキちゃん、が盗賊どもに襲われてイヤイヤに……あ、ちょっと見てみたい、って! ダメでしょうが!! 私にそんな趣味は無い!!!
「真理眼」で観たけどどうやら睡眠の魔法を掛けられているみたいだ。
私は先生と分かれて人気の居ない場所へ移動した。
そして、黒のフード付きもコートを着る。
フードを深く被り、準備完了。
座標固定! いざ!! 出陣じゃ!!!
今の盗賊団は一か所集まっている、これは絶好のチャンスははは! 貴様らには地獄という地獄をとくと味合わせてやろう!!
私は盗賊団の中心に「瞬間移動」した、手にはカラドボルグをもって。
「おお! なんだ!!」
「おい! 子供がいきなり現れたぞ!!」
「どうでもいい、捕まえようぜ!」
ふん、下種どもが。
だがそんな下種どもは今から地獄を味わう、殺しはしない、私が嫌だから。
「貴様ら!! 今から地獄を見せてやる!! だが、降参するなら少しは痛みが無くなるぞ!!」
そう私は言った。
もし、自分の非を認めるならば少しは配慮してやろうという私の慈悲だ。
だというのに。
「ぶははははは。良いね良いね! はーい、降さーん。なんちゃって」
「あはは、俺らが地獄を見せてやるよ」
「ぷぷ。ダメだ笑いが止まらねぇ」
そうかそうか、誰一人降参しない、と。
「オラァーー!! 地獄とやらを見せてくれよ!!」
私の近くにいた男が私に襲いかかって来た。
それを私は袈裟斬りで男の胸を割いた。
「いたぁーーくない?」
それは驚くだろう、胸を割かれ、鮮血が辺りに飛び散っているにもかかわらず、痛みがないのだから。
今はだけどね。
私は近くに居た男どもに全てカラドボルグで斬って行く。
「なんだ!! こいつ速いぞ!!」
「追い切れねぇ!!」
「斬られたのに痛くねぇぞ!!」
そもそもお前らと私の自力が違うんだよ、私の動きについていける訳が無い。
私の近く居た盗賊どもを粗方斬り終わった時、最初に斬った男が。
「グウぁ! なんだ!! 段々と痛味が!!!」
そして周りの奴らも。
「い、いてぇ、痛えぇぇぇーー!!!」
「段々と段々と痛くなって行きやがる!! 何なんだ!!」
「あああぁぁぁ何をしたーー!!!」
戦技【地獄の時間】
私はこれをずっと使っている、効果は剣で斬った対象に痛みを味合わせるものだが。
始めはなんの痛みも無い、だが段々と痛みが増していく。
始めの痛みは頬をはたかれた程度だが段々と痛みが増していき最終的には全身の内蔵という内蔵をかき回されるぐらいの痛み、それは死なないなに死を味わっているかのよう。
その痛みが1時間続く。
だが当人達に取ってみればその時間は永遠のようである。
この戦技は気絶が出来ないのだから。
さて、私のスピードに掛かれば速く片付いたな、もう全員斬り終わった。
「ぎぃざぁまぁぁぁぁぁ!!!」
まだ、動けるのか。
「忠告はしたよ」
そいつに回し蹴りを食らわして後方に飛ばせる。
「うがぁぁぁぁ!!!」
この戦技が発動している間は絶対に気絶が出来ないからね、苦しみはまだまあだこれからだよ。
私はサキちゃんの方を見る。
ぐっすりと眠っている、まるで子供が母親を前に安心して眠っているようだ。
私は少し離れた草むらに移動する。
「千里眼」をずっと発動している。
ついさっき、学園から二人の教師が飛び出た。
アレン先生とイリス先生だ。
飛び出た、と言うよりも跳んだかな。
「なんだこの状況!?」
「……苦しんでいるようですね。サキさんは無事のようです」
アレン先生が魔法のたぶん『ゲート』でここに直接跳んできたのだ。
もう大丈夫だろう。
私は「瞬間移動」で学園に戻った。
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