第39話 話聞かないタイプって居るよね
「「瞬間移動」」
私は魔大陸ーに山、グランデア山の麓……には来てい無いよ。
麓じゃなくて山だよ、だって私人間だしそればれると面倒だしそもそもお忍びで来てる訳だし。
という訳で麓の街には来てい無い。
肉眼で麓の街は見える、大体歩いて1時間だろうかそんなくらいだ。
さて、ここらでお別れだ。
「ごめん、街まで送って上げたいけど此処でいいかな?」
私の言葉にノイルちゃんは一瞬ん? みたいな顔をしたが、直ぐに笑顔になってくれた。
「分かった。此処までありがとう。貴女が助けてくれなかったら私は今でもあそこに居たかもしれない、このお礼は何時か」
「あまり気にしないでね。それと知らない人とかに付いていっちゃだめだからね」
「うん、大丈夫」
「あと何か困ったら周りの魔族の人たちに頼るんだよ、一人より二人、二人より三人なんだから」
「大丈夫だよ」
「それと、ちゃんとした食事を取らないと栄養とか偏るから野菜も食べるんだよ」
「あはは、貴女お母さんみたいな事言うね」
ちょっと酷いよ、心配しているのに。
「そういえば、自己紹介してませんでしたね。私は、ノイル・セイブル改めて今日はありがとう」
微笑みながらペコリとお辞儀した。
これは、言っていいのだろうか?
ダメだよね、でも……。
私が逡巡していると何か察したのかノイルちゃんは微笑みながら言った。
「答えれないのなら構わないですよ。そういう事情もあるでしょうから」
うう~。
どうしよう、よし家名は言わないで名前だけ言おうこれなら問題無い……はず!
「いえ、私はユキと言うわ」
「ユキですね分かりました」
じゃあさよならだね。
「じゃあ私はもう帰るね、あそれと私の名前できれば他の人たちに言わないで欲しいのだけど……」
やっぱり保険は掛けておきたいしね。
念には念を……名乗ってる時点で入れて無いね。
「分かった。それじゃ」
「しゃあね」
私は手を差し出した、握手と言うヤツだ。
ノイルちゃんも意図が分かってくれて握り返してくれた。
あっそうだ! 忘れてた忘れてた、ノイルちゃんのプロテクトを解除しとかないと、解除しないと不便な時とかあるもんね。
解除っと。
その時、悪寒が走った何故かは分からないが、避けろ! と本能が言っていた。
私はバッと後ろに振り返った。
「『ゲート』」
そんな声が聞こえて。
「ノイル!!!」
と。
30代ぐらいの人が行き成り私に迫ってきた。
何で行き成り!? と思ってある者が目に入った。
30代くらいの男、黒髪黒目でどこかノイルちゃんの面影が有る人の後ろに丸い空間の断面みたいなのが出来ていた。
これは良くファンタジー世界のある長距離移動手段のアレだろう、もしくは四次元ポケットから出てきたドコデ○ドアとか。
男は真っ黒い禍々しい剣を持って私に物凄い速度で迫ってきている。
でも大丈夫私には「完全防御」がある……あーーー!!!
ヤバイヤバイヤバイ!!!
私「完全防御」の自動発動オフにしているじゃん!!
こんな一瞬でオンになんて出来ない。
私は咄嗟にとういか殆ど無意識に斜め後ろに跳んでいた。
「ハァア!」
「グッ」
男が叫び剣を横一線に振るった。
後ろに跳んだけど避けきれずに攻撃を食らってしまった。
致命傷一歩手前くらいかな、痛いだろうな……アレ? 痛く無いよ? どういう、ああ、そういえば「完全防御」と一緒に痛覚も無くしていたのか。
良かったーーー、いや、良くは無いけど痛いのは嫌だしね。
私は綺麗に着地した。
文句言ってやろう。
「ちょっと行き成り何するのよ」
男はノイルちゃんを庇う様に立っている。
とうのノイルちゃんは固まって驚きのあまり固まっている。
「黙れ! 人間が! お前達がノイルを攫ったんだろう!」
これは、話聞かないタイプみたいだ。
「……人間……?」
固まっていたノイルちゃんが復活した様だ。




