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第38話 謎の少女

 ノイルちゃんをもっと子共らしくしたいのですが、どうしても出来ず敬語にしました。

 どうしたら子共らしく話せれるのでしょう……。

 私の名前はゴドルフ・リンドルフ、アルタ王国第三騎士団団長である。


 昨夜にわかにも信じがたい事があった。

 私は昨夜、いつもどうり各騎士団からの報告書を読んでまとめている所だった、だが私が書類をまとめている所で私に声が掛かった。


 「こんばんわ」


 と。

 私は賊が第三騎士団の詰め所に侵入してきたと思い机に立てかけてあった剣を即構えた。

 だが私は解せなかった、もし賊なら何故態々私に声を掛けるのだ。

 賊なら相手が油断している時に忍び寄り奇襲をするのが常套手段というもの、声を掛けるとは態々警戒しろと言っている様なものだ。


 私は声を掛けて来た者を見た、一体どんなヤツが侵入してきたのかと、場合によっては問答無用で切りかかるつもりで見た。


 だが、私の想像していたどんな者でも無かった。

 子共だったのだ。

 私は困惑した。

 何故子共が……だがそれよりも警備の者はこんな子共をやすやすよ入れたのか。

 戸惑いはあったが、この子共が何者かが分かってない以上、警戒を怠る訳には行かないと思い、その子共を見据えた。


 どうやって侵入したのかを聞いた所「瞬間移動」と言ってきた。

 「瞬間移動」だと? そんな貴重な能力ろ持つ子を王国が見逃すとは思えないが。

 それに此処のも来たことが無いと言うならどうやって。

 声を聞くにどうやら少女の様だ、顔はフードを深く被っており見えない。


 ただただこの少女が謎だった。


 少女の目的は私をどこか分からない、ある場所に連れて行く事だった。

 当然私は否定した。

 怪しすぎる。

 少女はどういう反応を示すだろう、私は強引に連れて行こうとするか、駄々を捏ねるだろうと高をくくった。


 だが私の予想を反し、少女は私の言う事を素直に聞いてくれた。

 ……一体なんなんだ。


 少女は話し始めた。

 それは賊の根城を見つけたと言うものだった。

 そして少女は手袋を外しその手に在った指輪は外して付けてくれと言って来た。

 その指はは神秘的な光を発していた。

 意識をしていないと思わず見とれてしましそうだ。

 その指輪を付けろと言ってきた。

 ……怪しい、怪しすぎる。

 勿論私は拒否した。


 少女はこれは『光の剣』だと言う。

 『光の剣』は知っている、剣姫イリスが愛用している高難易度の剣と造り出す魔法だ、そんなものこんな少女が出来る訳がない。

 そもそも剣ではない、それを指摘したら形状は自由に出来るという。


 これを付けたら「千里眼」が使えると言うもう訳が分からなかった。


 少女は如何したら信じてくれると言う。

 私は洟から信じるつもりなど無かった。

 だから冗談で無理難題を吹っかけた、腕を切り落とせ、と。


 これで諦めてくれるだろうと思った。

 だが又しても少女は私の予想を反した。


 自分の腕を本当に切り落とそうとしたのだ。

 信じられない。

 いくら信じて貰う為だからとそんな事するだとうか。


 私が戸惑い少女を見ていると、震えていた……少女は震えていたのだ。

 少女も本当はそんな事したくないのだと悟った。

 そこまでしないといけない理由が有るのだと思った。


 こんな小さな少女にこんな事をさせてはいけない、と、咄嗟に思った。

 そして私は少女の持っていたナイフを払った。


 信じて貰うのなら何でもやるだよう。

 しかたない、と、私は諦めた。


 私は指輪を付けた。


 私は驚きのあまり愕然とした表情に成っていただろう。

 少女の言っていた事は本当だった。

 そこに犯罪組織ネズミが居たのだ。


 私は少女に向かって約束した。

 こいつ等を捕まえると、騎士の誇りの掛けて。

 たぶんこの少女はネズミに何かしらの恨みを持っているのだろう。

 ネズミに何かしらの被害を受けた、例えば親を殺されたとか。

 でないとこんな事はしないだろう。


 だが可笑しい、ここの場所は調べたはずだ。

 第三騎士団副団長のフィンが。


 そんな事を思っていると信じがたい光景を目にした。

 フィンがネズミのメンバーと親しげに話しているではないか。

 この光景が信じられなかったが、事実なのだろう。

 フィンがネズミの工作員だったのだ。

 だから今まで見つからなかった。


 少女は帰ると言い出した用事は済んだ様だ。

 だが、何故私だったのだ? 確かに私なら適任かも知れないがそんな事分かっているとは思えない。

 聞いたら偶然だと言った。

 だけど私で良かった。

 他の騎士たちにこんな事使用なら問答無用で切られていただろう。


 私は指輪を返し少女を見送った。




 夜は更け今に至る。

 私は騎士団団長だけの緊急極秘会議を開いた。

 騎士団団長だけの会議だ、普通は副団長の会議に出るのだが、今回は団長だけの会議とさせてもらった。

 団長は完璧に信頼できる者にしか成れない。

 だが副団長は身元がはっきりしていなくても、腕があれば成れるのだ。

 まあ、副団長でも信頼が無ければ成れないのだが。


 もしかしたら他に工作員が居るかもしれない。

 そう思い団長だけの会議を開いた、という訳だ。


 騎士団は、第一騎士団~第十五騎士団、まで在る。

 そして今は緊急だと言うことで、6人しか集まらなかった。

 まあ、仕方ない。

 遠征やら護衛やら魔物討伐やら騎士団は忙しいのだから。


「な~なんだよゴドルフ、いきなり緊急会議なんて。しかも団長だけ」


 第7騎士団団長が文句を言ってきたそれも当然かもしれないが一様私の方が年上なのだが……。


「担当直入に言おう、ネズミの根城が見つかった」




 皆が驚き私の話を聞いてくれた。

 それもそうだろう、今まで一切分からなかったのだから。

 私は少女の事を伏せて話した、言っても信じないだろうから。

 裏切り者が居ることは当然話した。

 副団長が裏切り者など他に示しが付かないがそんな事言っていられない。


 私が要求したのは戦力だ。

 ネズミは大きな組織故、第三騎士団だけでは対処できない。

 少女との約束も有る。

 失敗は出来ない。


 他の騎士団もネズミには手焼いていたので快く引き受けてくれた。


 どうやって知ったのかしつこく聞かれたが私は答えなかった。

 答えても信じないだろうし、答えたくも無かった。

 少女の想いを軽々しく言ってはいけない気がしたからだ。




 作戦を練り無事ネズミを殲滅出来た。

 少女の想いは、晴れただろうか

 勘違いしていますね。

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