第15話 起きない人の起こし方
眠い、でも起きなきゃ、今日から学園で授業が始まるのだから。
この感覚も久しぶりだな、前世でいつも学校に行く時いつもこんな感じだった、それで布団に包まっていたらお母さんに起こされたっけ、懐かしい。
さて、朝ごはんを食べに行きますか。
ベットから起きるとドアが、コンコン、と鳴った、誰かな?
どうぞ~、と言うとサキちゃんがはいって来た、サキちゃんー! お越しに来てくれたの嬉しい、さっきまでの眠気が嘘の様にい晴れたよ。
「サキちゃんお越しに来てくれたの?」
「そうだよ、一緒にご飯食べに行こう」
「うん、ちょと待って着替えるから」
このシュテルン学園はべつに制服などは無く、自由に服を着ていける、私は、アマベルみたいな服を着ていく、お姫様みたいな可愛い服、でもけして貴族みたいな派手で豪華ではない。
「じゃあ、アリアさんも起こしに行こうかな、アリアちゃん寝てそうだし」
「確かにそうかも、でもユキちゃんも寝てたよ」
いやいや、サキちゃん私はしっかり起きてから、お寝坊さんじゃないから。
「私が起きたときに丁度サキちゃんが来たんだよ、起きてたもん」
私が少し頬を膨らませて言ったらサキちゃんは笑ってくれた。
「さあ、アリアちゃんを起こしにいくよサキちゃん」
「うん」
私達はアリアちゃんを起こしにアリアちゃんの部屋に向かった、コンコン、やっぱりね、予想どうり返事は返ってこなかった、仕方ないので部屋に入らして貰おう、カギ? そんなもん開いてたわ。
これまた予想どうり、アリアちゃんはグウスカと寝てました、子共の寝顔って可愛いね、少し悪戯してしまいたくなる、でもやらないよ。
私はアリアちゃんの体をゆさゆさ動かし、声を掛ける。
「アリアさんーアリアさんー」
これがまた全然起きないの、どうしよう。
そうだ、サキちゃんの「念話」を使って直接頭に声を叩き込もう。
「サキちゃん、ちょと「念話」使って起こしてくれる」
「うん、いいよ」
それからは早かった、サキちゃんが「念話」を使った瞬間にアリアちゃんが盛大に、わー、とベットから起きて騒いだ。
「アリアさん、さあさあ、速くご飯行くから準備して」
アリアちゃんは、私のことを、うら召しそうに、睨みながらも、素直に準備し始めた。
何でそんなに睨むのよー善意で起こしてやったのにー。
「アリアさんもこれから自分でしっかり起きるんだよ、もう、メイドや執事はいないんだから」
「分かってるわよ、今日はたまたま、起きれなかっただけよ」
さて、大食堂に行きますか。
流石、シュテルン学園の女子生徒全員居るから、混んでるね。
さて、美味しい食事も食べ終わった事だし、学園に行きますか、まぁここも学園だけどね。
「やっぱり大きいね」
「確かに大きいよね」
「貴族の貴女がこれぐらいで大きいって言ってどうするんですの」
まぁ、アリアちゃんの言う事も最も何だけど、貴族の中特に、伯爵家などの家はこの学園くらいあるからね。
入り口近くに組別けの紙が貼られてあるね、何か高校受験の発表の時を思い出すね。
さて、私達のクラスは、何クラスかな~。
まぁ、大体予想出来るんだけど、この学園のクラス別けは、Aクラス~Eクラス、まである、Aクラスが優秀なクラスな訳だけど、たぶん二人はAクラスなんだよね、それで私がどうなるか、だよね。
私が公開している情報で凄いのは、HPだけなんだから、Aクラスじゃないかもしれない、サキちゃんと同じクラスじゃなかったら、訴えてやる。
張り出されている紙を見る、……しゃーーー!!! 来たぜーーー!!! やっほーーー!!!
紙には皆の名前が書いて有った、ちゃんとAクラスで、私がAか~結構ぎりぎりだったんだろうな~。
「やったね、アリアちゃんとサキちゃんと同じクラスになれたね」
「そうですわね、それとユキ、私の呼び方変わってますわよ」
おっとうっかり、つい嬉しすぎて意識するの忘れてた。
「うっかりしちゃった、てへぺろ☆」
「なによそれ、もうその呼び方でいいわよ」
アリアちゃん無表情だけど、少し口の端が上がってるよ、嬉しいのかな。
「私も二人と一緒のクラスになれて嬉しいよ」
うんうん、嬉しいよね、サキちゃん、こんなところで何時までも立ち話もなんだし、教室に行きますか。
教室も広いね、席は、…ガーンくそう、アリアちゃんとも、サキちゃんとも離れてしまった、サキちゃん! 私に癒しを!
そうこう考えている内に先生が教室に入って来た。
「はーい、静かにー、席につけー授業を始めるよー」
入って来たのは、昨日学園の門で受付をやっていた、20歳前後の若い男先生だった。
サキちゃんは私の嫁だー! なんちゃて。