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第13話 運命の悪戯

 入学式が始まった。

 正直に言おう、退屈だ。

 校長みたいな人が坦々と喋っている、あったね~前世で学校に入学した時、こんなところは異世界でも変わらないんだね。

 やっと終わったよ、あまりに退屈すぎて途中からウトウトしてしまった、でも寝なかったよ、頑張ったよ。

「一年生の方ー寮に案内するから着いてきてー」

 案内役の先生が叫んだ、この学園は6年生だ、大体の学園は6年制だが、兄様の学園は9年制だ、兄様のところは、座額もキッチリやるのだが、ここシュテルン学園は座額は二の次で、戦闘技術を学ぶ。

 それは、大体の人がアルタ王国の騎士団、魔法師団に志願するからだ、この学園は才能ある多くの庶民を国の軍に輩出してきた実績がある。

 才能ある者がわざわざ学園に行った後、わざわざ家の家業を継ぎに戻るだろうか? 普通は自分の才能を活かし、軍に入るだろう、それ以外はお嫁さんとか、ごく稀に冒険者とか。

 そう、やっぱりと言うか何と言うか、いや…流石、剣と魔法の世界と言うべきだろう、この世界は冒険者と言う職業があるのだ、ゲームみたいだね。

 冒険者になるには、冒険者ギルドに行き、冒険者登録をすればいいのだ。

 私は将来、冒険者になるつもりだ、カッコいいじゃないか、冒険者、冒険者は世界中を旅して冒険する、私はそれに憧れているのだ、前世から。

 親に絶対に反対を受けるだろうが、そんなの知った事じゃない、家に居たら政略結婚とかされそうだし、自分の将来は自分が決める。

 そんな事を考えていたら、寮に着いたらしい。

 寮は当然、男子寮、女子寮がある、寮は向かいになっている、私は女子寮の入り口に張られてある紙を見て部屋を確認した、確認した後、寮長に部屋のカギを取りに行く、寮長は目が釣りあがった、怖いおばさんだった、でもこの人ぱっと見怖そうだけど、やさしい人であった、まぁ言葉はきついが優しい人である事は間違いない、だって。

「お前がユキかい、お前の部屋に荷物がとどいいてなかったよ、バカやって荷物なくしたんじゃないだろうね、もし荷物がなくて困っているんなら私にいいな、少しぐらいなら面倒みてやるよ」

「大丈夫です荷物はありますから」

「そうかい、もう用は無いだろう、さっさと行きな」

 そう、口は悪いけど私の心配をしてくれたのだ、べつに寮に来る人の荷物をわざわざ確認や点検なんてしなくていいだろうに。

 さて、部屋に着きました、中に入って見るとベット、机、小さいクローゼット、それ以外何も無い、5~6畳ぐらいの普通の部屋だ。

 この寮は朝と晩に大食堂でご飯が出る今は昼過ぎだ、昼は弁当が出される。まだ晩御飯まで2,3時間ぐらいあるね、今日は弁当が無いようだ、来たばかりだしね、私は「異空間箱」から服を出し、クローゼットに仕舞う、私が持ってきたのって、必要最低限しかもって着てないんだよね、服、ペン、紙、護身用の剣ぐらいなんだよね。


 暇だ…寮の中を探検しようかな、まぁ、在るのは、大食堂、大浴場、トイレ、ぐらいなんだけど、暇だしね。

 私が部屋を出るのと同時に右隣の部屋の人も出てきた。

 これは…まさか、運命と言うヤツではないだろうか。

 そう、右隣の部屋の人はサキちゃんだったのだ。

「サキちゃんーーー!」

 私はつい嬉しすぎて、我を忘れてしまって、サキちゃんに抱きついてしまった。

 サキちゃんは、いきなりの事で驚いていた。

 

「サキちゃん、ごめんなさい、嬉しくて取り乱してしまったわ」

「いいんですよ、そんなの、でも喜んで貰えて嬉しいです」

 サキちゃんは少し照れながら言ってくれた。

 ああ! この笑顔! この笑顔が見たかった!

「さっきから騒がしいですわよ」

 私の部屋の左隣の部屋の人が出てきて、苦情を言ってきた。

 え…こんな偶然ってあるの?

 有ったのだから、そうなのだろう、左隣の部屋の住人は、アリアちゃんだった。

「アリアさんごめんね、気を付ける」

 私をみたアリアちゃんは少し驚いた顔をした。

「ユキだったの、まぁ、これから気を付けなさいよ」

 うん、そうするよ。

 サキちゃんはどう反応していいか分からず、おどおどしていた…かわいい。

「よし、二人共私も部屋に来てよ、皆で自己紹介しよ」

 よし、良い案だ、これで、サキちゃんに私のことを知って貰える。

「うん、いいよ」

「構いませんわ」

 サキちゃんはいきなりの事で戸惑ったが、まだ私の名前も知らないし、もっと知りたいしね、って感じで了承してくれた。

 お転婆さんは、何も考えて無さそう。

 さて、サキちゃんと仲良くなるぞー!

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