第12話 世の中そんなに甘くない
先生は吹いた後、何度か席をした…先生、吹くとか少し失礼じゃないてすかね。
まぁ、先生が何処を観て吹いたかは、分かる、私のステータスで先生が観れる中で1つしかない。
先生は、間違いではないかと、何度も私に対して「鑑定」を行なった、そして間違いではないと分かると、驚愕に目を見開き、開いた口がふさがらない様であった。
「先生どうしたんですの?」
アリアちゃんが、先生の様子に怪訝そうにした、そして何がそんなに、驚いているのか、気になったのか、先生に声を掛けた。
「い、いえ何でもありません」
先生は正気に戻り、生徒の前で醜態など、さらしていないかの様に、取り繕った。
先生、ステータスを書いている手が少し震えていますよ…。
「これが、ユキさんのステータスです…こんなステータス私は始めて見ましてよ、ある意味あなたが一番才能があるかもしれませんね」
先生は、書いたステータスをアリアちゃんに見せた。
ユキ・ライトリア
HP245(体力120 パワー50 スピード75)
MP6
スキル
「異空間箱」……異空間に物を収納できる収納された物は時間が止まるただし生きている物体は収納不可
魔法適正
光
闇
アリアちゃんは、さっきの先生みたいに、目を見開き、開いた口がふさがらない様であった、もう、信じられないと言う様に私を凝視してくる。
そう、HPがバカ高いもである、二人ともHPを見て驚いているのだ。
だが、そんな二人の心境を他所にユキは…恐れていた、恐れていた事が起こってしまった、ここ一ヶ月そこだけは、そこだけは見まいと思っていたのに、MPが全然変わってないじゃないか! くそったれぇぇぇーーー!
分かって、分かっていたのに!
でも、現実をこんなに直ぐに現実を突きつけられるなんて、心の準備がぁぁぁ!
仕方ない、分かっていた事だ、受け入れろ! 受け入れるんだ! 私は受け入れることが出来るはずだぁー!
少し落ち着いた、私は淡い期待を抱いていた、もしかしたら、MP5から6になった時みたいに、今回も上がっているんじゃあ、なんて思っていた、だけど思い知らされたよ、世の中そんなに甘くない、ってことを、はぁ。
「ユキ、あなた凄いじゃないこんなHPが凄い人居るなんてしらなかったですわ」
「そんな事ありませんよ、HP以外はダメダメですし」
アリアちゃんが褒めてくれるが、全然嬉しくない、見てよ私のMPを!
こんなダメな人、あなた見た事ないでしょう。
「確かに、ユキさんは、ハズレ適性とも言われている、光と闇の適正ですし、MPが非常に少ない、だけどそれを差し引いても、あなたには才能がある、例ば、身体強化魔法を使っている人に、素のステータスだけで勝つ事も出来るでしょう、もう一度言います、あなたには才能がある、それは私が保証します」
そんなに言われたら、何も言い返せないね。
て言うか、光属性と闇属性って、ハズレ適性とか言われているんだね、どちらの属性もすごい魔法があるのにね、とんだ言いがかりだ。
「さて、ステータスの確認は終了いたしました、もう直ぐ入学式ですね、私が行なわれる体育館に案内いたします、荷物などは入学式が行なわれている時に各寮に運ばれます、荷物は預けましたか?」
「しっかりと預けましたわ」
「預けていないけど大丈夫ですよ」
私は「異空間箱」に荷物を入れてある、預ける必要は無い、先生は予想していたみたいだが、アリアちゃんは予想などしていなかった、らしく驚かれた。
「なんで大丈夫なんですの、もしかして荷物がないんですか」
肩をガシッと掴まれて問いただされた、アリアちゃんもしかして、着替えの服とか下着とか持ってきて無いとか思っています? 私そんなに不潔じゃあないよ、むしろ清潔には気を使う方だよ。
「アリアさん、さっき私のスキル見ましたよね」
「スキルが何だって言うんですの」
だから、私のスキルに答えがあるから。
アリアちゃんは再度、私のスキルが書かれた紙を見た、そして気づいたようだ。
「そういう事ですの、「異空間箱」に全て荷物を入れた訳ですか」
そういう事だよ。
さて、そろそろ時間じゃないかな。
「アリアさん、ユキさん時間が近づいて来ました、行きますよ」
私達は先生に促がされて、建物を後にした。
体育館は結構な広さがあり、全校生徒、教師が全員入ってもまだ、余裕がありそうだった。
スキルの却下の能力を少し変えました。