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ゴミステーション発に乗り  作者: 柳 空
第一章 前日譚
11/59

第四幕 災いのプロローグ④

これにて、第四幕終幕です。


(コメントを頂いたのですが、返信ってどうすればいいのでしょうか!?(・゜д゜`≡・゜д゜`)アワアワ)

コメントを下さった方(名前は出さない方がいいと判断しました)、本当にありがとうございます!

アドバイス、しかと応用させていただきます!


楽しんで読んでいただけたら幸いです。


川内は、半ば追い出される形でフルスターリを出た。

連れてきた部下には少し、申し訳ない事をしたな。と内心で思っていると、目の前を誰かが立ち止まった。

「よぉ、川内。まだ死んでなかったんだな。」

「よぉ、野田。お前もまだ出世してねぇんだな。」

見ると自分と同じように部下を数人連れた野田が立っていた。

「先日の件は、どうもお世話になりました。」

「お世話だなんて、そんな大したことしてませんよ。…それより、どちら様ですか?」

不機嫌顔を隠そうともせずに、閑崎かんざきが水面に喰ってかかった。

水面もわざとらしくひねくれた返答をした。

余裕そうな川内達と、苛立ちを隠そうともしない野田達。

その代表二人が、互いにあと一歩の距離まで歩み寄った。

「まさか、こんなに早く会うことになるとは思わなかったよ。」

「俺としては、二度と会うことは無いと思っていたよ。」

ハハッと笑う川内。それを睨みつける野田。

空気が張り詰め、温度が下がる。

「それで、今日はここに何の用だ?まさかとは思うが、いちを勧誘、なんて馬鹿なことを考えちゃあいないだろうな?」

「その通りだが?何か問題でも?」

馬鹿にしたような笑みで川内が答えた。

「川内…っ!」

野田の右手が川内のコートの襟首を掴んで引き寄せた。

「ふざけるな…っ!あの子を、…あの子達を、お前の身勝手に巻き込むなっ!」

絶対に許さない。

そう言いたいのだろう。と川内は野田の眼を見て小さく溜め息を吐いた。

野田はそれに気付かずに言葉を続けた。

「あの子達は、まだ、表社会こちら側に戻ってきても生きられるはずだ!それを、お前はっ!!」

明宏あきひろ。」

川内が野田の言葉を遮る。

浮かべていた笑みは、ことごとく消えていた。

「バカを言うな野田。白は黒で塗りつぶせても、黒は白でも、他の何色なにいろでも塗りつぶせないんだ。」

川内もまた、野田のスーツの胸倉を掴んだ。

「一度、裏社会こちら側に来たら最後。生かしたいのなら、常に牙を研がせること。違うか?」

二人の間で火花が散る。

互いに、互いの意見を譲らない。

部下達は、二人が醸し出す空気オーラに、近づく事すら出来ない。

睨み合いは、無言のまま数分は続いていたかもしれない。

それほどの緊張感だった。

先には動いたのは川内だった。

掴んでいた野田の胸倉を、乱暴に突き放した。

「…やはり。お前にはじめを任せたのが間違いだったな。アイツは、俺が連れて行くべきだった。」

「ふん。馬鹿を言うな。誰が、あの子達を捨てたお前なんかの所に行かせるか。」

野田がスーツをととのえながら言った。

「この世にるのは、白と黒。善をかたる悪と、善を騙らぬ悪。そのどちらかだけだ。」

野田より少し高い目線で、川内は野田を見下すように見た。

「この世には、黒も、白も、灰色もる。悪人がいるなら、善人だっているんだ…っ!」

川内より少し低い目線で、野田は川内を睨んだ。

「「やっぱり。テメェとは、合わねぇな。」」

二人はそれだけ言うと、互いが行く方向へと足を進めた。

一度として、振り向くことはしなかった。


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