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After The World End  作者: N番目のカイリ
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#1 回想

俺が生まれた時、地上が汚染されてから20年がたとうとしてた。

その20年前、第三次世界大戦によってさまざまな兵器が使われ、地上は汚染、更には様々な国の人が別々の土地へ逃げたり移動した為に言語の混乱なども起こった。

この時、誰もが人類滅亡を確信した国々はこの危機的状況の打開として半永久の停戦条約を交わした。そしてこの世界的大惨事を奇跡的に生き延びた人々は地下に居住区を作り、他人種の国家を形成し発展を遂げた。この新たに形成された国家は3カ国である。

元軍人などが多く、鉄の採掘量もトップを誇る軍事国家アイズン。

元はただの学会だったがその知識力で国家を形成した研究国家ケレウス。

様々な人種が平等に暮らしていける法律のある中立国家ナチュラル。

それぞれの国家はお互いの得意な産業、工業、農業などを生かし地下生活豊かにしていった。しかし、大戦によって汚染された地上には戻ることが出来ず、この二十年間人類は太陽の照らす大地で生活は出来ないとされてきている。だが、ガスマスクをしていれば一部の地上は歩くことが出来る。まあ、歩いたところで見れるのはあたり一面の廃墟に凶暴化した野生生物ぐらいだが...

そんな俺が生まれる前の説明を済ましたところで俺の生まれたときからの話をしよう。

俺の生まれは中立国ナチュラル領の通称D3地区といわれるところで普通と言っていいか分からないが父に軍人を持つ家庭に生まれた。キースと名付けられた俺は普通に育っていったそう15歳になるまでは…

《キース回想 15歳の誕生日》

「母さん、今日は何の日か分かる?」

その日は俺にとって特別な日だった。この大戦後の世界において15歳は成人とまではいかないが、大人の一歩手前になったとして軍に入隊や仕事などが出来る歳なのだ。そして今日はその日、15歳の誕生日。

「ふふ、何を言っているの?あなたの誕生日じゃない。」

微笑みながら母は若い俺に言葉を返した。覚えてる限りではそれが最後に見た笑みかもしれない。

と、そこに軍人と言えど普段温厚な父がおびただしく玄関のドアを開けて仕事から帰ってきた。

「お前達、急いで支度しろ!まずいことになった!」

俺にはその時理解は出来なかった、生まれて15年間過去に起こったものとしか知らなく身近には聞かない言葉に、そう「戦争」と言うものがどういうものかが。

「あなた、一体どうしたの?そんなに慌てて。」

落ち着かない様子の父をよそに母はのほほんと問いかけた。父はそんな母を見て状況を察して欲しそうな顔をしたが、乱れた息を整えてから答えた。

「アイズンが協定違反を犯し、この全世界に戦争をふっかけてきたんだ。ケレウスには、もう攻撃が始まっていてこのナチュラルにも進軍を始めたんだ!」

その話を聞いた途端、いつもマイペースな母は手に持っていた今日の夜に行う誕生日パーティーの料理の皿を床に落として言葉には表せない程の顔をした。

そんな俺は落ちた料理に落胆しながらも事の重大さを少しだけ理解した。


「戦争」…

父は、人がどんどん死んでいき、土地も荒廃する。それのせいで我々は地下で暮らす事になった。

と聞かされて育ってきた。

大戦のような戦争は二度と起こしてはならない。その為の抑止力になるため我々軍人、政治家は平和な暮らしを支えてきたとも聞かされた。俺はそんな父を自慢に思い、誇りとも思った。

だが、今その「戦争」が起きようと、いや起きていると言うべきか。

『アイズンが、協定を破り世界に戦争をふっかけてきたんだ』

その言葉から、俺の人生は変わった…




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