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エピローグ

 決勝戦から一週間後。


 今大会の主催者であり、決勝戦でテロ行為を犯したルーファウスは投獄されることになった。


 決勝戦でのアクシデントもあり、今年のキングオブシスターズは、優勝者不在のまま閉会。勝負は来年に持ち越しだ。


「ねえ、お兄ちゃん」


「うん? 何だ?」


 帰りの飛行機の中で、マユは窓の外を見つめたまま呟いた。


「席がないからって……どうしてマリアちゃんがずっとお兄ちゃんの膝に座ったままなの? そこは……マユの特等席なのに」


「お兄様……もう、お腹がいっぱいです……」


 マリアがオレの膝の上で寝ている。しかも、何てべたな寝言を言ってくれるんだ。しかもヨダレ垂れてるぞ。


「お兄様……お代わり……」


「お、おい。マリアちゃん。オレは食い物じゃないって!?」


 マリアちゃんが寝ぼけてオレの体に吸い付いてくる。


「ぐぬぬぬぬ!!」


 マユはそれが随分と気に入らないらしく、窓を向いたまま牙を剥いていた。


「マユはお姉ちゃんになったんだから、我慢しろ」


「ふんだ。お兄ちゃんの妹は、マユ1人だけなのに……」


 マユめ、すっかりすねてしまったな。


「あんまり騒ぐなよ。マリアが起きちゃうだろ」


 オレの膝の上で眠るマリアは本当に幸せそうな寝顔で、夢の中だった。


 ……大事にしてやらなきゃな。血が繋がらないとはいえ、これからはこの子も妹なんだ。


「それよりマユ。お疲れ様。今回は残念だったけど、また次回があるさ」


「う、うん……」


 来年のキングオブシスターズでもう一度、ユノやリコちゃんとぶつかるだろう。


 あるいは、彼女たち以上の新たな(きょうてき)が現れるかもしれない。


 だけど、それでも!


「マユは最高だよ。今度こそ、お前が頂点さ。お前はオレにとって最高に可愛い妹なんだから」


 マユは突然オレに振り向くと、瞳を潤わせ抱き付いてきた。


「お兄ちゃん……うん! うん! 大好き!!」


 マユはオレに抱き付くと、甘えてきた。


「まったく、お前もまだまだ子供だな……っと」


 マユは急に力尽きたように眠りに落ち、オレの肩によりかかってきた。今までの疲れが一気に出たのか。


「お兄ちゃん……」


「お兄様……」


「「大好き」」


 今は眠れ、妹達(せんしたち)よ。そして、再び戦いの火蓋が切って降ろされるまで、愛らしく微笑んでいてくれ。


 ~完~

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