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LOADING1 非公開兵器

ロボット系小説を書いてみました。ぜひ読んでください!

ゼストン12年、極東の小国ワノーと西洋の軍事大国メルカが全面戦争を過激化させた。全世界が思ったメルカの圧倒的勝利。だが予想を反して、小国のワノーが勝利した。それは世界で最も能力者-アビリティーズ-が多く、国民のなかに3分の1以上ふくまれているからだった。

彼らは戦闘において、多大な力を発揮し、小国ワノーを勝利へ導いたのだ。だが、この戦争で世界の人種偏見は国籍の違いではなく普通の人間-ノーマル-か能力者-アビリティーズ-かの区別になり、世界は混乱してしまう。この物語はこの波乱の世界を生き抜いた少年たちの話である。------

ここは世界最高の軍事大国メルカ。世界で最も面積が大きく、そして普通の人間-ノーマル-と能力者-アビリティーズ-の紛争が最も激しい国である。その国にある一人の少年がいた。

「けっ、あのエムッぱげ調子のりやがって・・・」

彼の名はエルズ・タミアッツ、メルカの大貴族タミアッツ家の長子だ。彼が言っている「エムッぱげ」とは、父ウルク・タミアッツのことだ。実はエルズは能力者-アビリティーズ-なのだ。だが当然家の中で差別が生じ、エルズだけは遠くのミルトロ山の山頂に追いやられている。そして一族の中で唯一軍の最凶部隊、「ロスター」に所属している。

「ま〜たやったの?エル兄〜。」

話しかけてきたのはエルズの弟パトーだった。またやったというのは、エルズが父ウルクを能力-アビリティー-で気絶させたことだ。今回は年に一度の家参りなのだ。毎度のように、父から文句を垂れられたんだろう。丁度その時、軍から緊急入電がかかってきた。

「エルズ!ワノーがガウン島に攻めてくる、急いで戻れ!!」

「はっ!」

エルズは家を飛び出し、軍部へと向かった。

「隊長!状況は!?」

エルズは軍艦に飛び込んできた。見たところはあまりよくない。

「我等の出番、あるやもしれん・・・」

隊長ボウージャ・ハンモンは少し微笑んで、エルズに呟く。ロスター隊長ボウージャは「ヴィータラグーンの奇跡」をなした名将であるが、戦いに緊張感を全くもたない。エルズは、そんなボウージャを憧れて軍への入隊を志願したのだ。

「よし、ロスター出動要請が入ったぞ。皆心してかかれよ。」

「イェス、マイロード。」

エルズは最新戦闘機ブリッツのパイロットだ。それ故、この戦いは絶対負けられないのだ。

「ブリッツ、出る!」

エルズはブリッツに乗り、軍艦から発進した。エルズのブリッツには、他の戦闘機にない多彩な武器が搭載されている。例えば軍艦用重砲「ソプラス」、貫通アーム「ジドッカ」に両翼が切り離されて攻撃を仕掛ける「ジャックバンパー」をもっている。エルズは優秀な能力者-アビリティーズ-なのだ。

「ハイネット!撃てえっ!」

その合図ともに激戦が始まった。ブリッツは空から軍艦をめがけて重砲ソプラスを乱射するが、敵軍も負けじと砲撃を次々と放ってくる。そしてどうにか、軍艦を3隻撃破できた。しかし敵の追手が迫ってくる。

「ふん、低脳の普通の人間-ノーマル-が一人前に戦闘機に乗るなよ。」

追手のパイロットの名はオレン・カスタマン、ワノーのSクラス兵士の一人でその名は世界に知れ渡っている。彼の戦闘機はオレンジ色が特徴である。すぐにエルズも気付くが、逃げることもできない。

「なんてむちゃくちゃな・・・勝てるわけがない。」

必死の抵抗を見せられ、オレンも手間取っているが明らかにエルズが不利だろう。

「落ちろぉ!ド低脳め!!」

ミサイルを打ち込まれたブリッツは、きりもみしながら近くの小島へ落下した。そして同時に、通信も途絶えてしまった。

「隊長・・・ブリッツの通信が途絶えました。」

その頃、落ちたエルズは奇跡的に無傷だった。いや、彼の能力-アビリティー-を使ってダメージをゼロにしたのだ。

「なんだあ?これ・・・」

落ちたところには、見たことのないロボットみたいなものが大量にあった。倉庫のマークを見て、これはワノーのものであると確信した。

「これってNWか!」

NWとは世界に知られていない、非公開兵器のことである。とっさにエルズは、あの兵器を奪うことを思いついた。

「おっ、警備薄いじゃん。これなら!」

エルズは基地に向かって、突っ込んでいった。当然ながら、警備はそれに対応しようとする。

「普通の能力者-アビリティーズ-とは違うぞ。」

そう言うとエルズの影が動き出し警備の足元に当たると、警備たちは動けなくなってしまった。

「くそう!体が動かん・・・」

「どーよ、オレの能力-アビリティー-の芸術の影-シャドウアート-は。今のはその一部で、拘束の影-シャドウゲイル-だ。」

警備を難なく乗り越え、機体に乗ったが操作の仕方がわからない。

「どーなってんだぁ?・・・あぐぁ!」

機体の操作レバーらしきものに触れた瞬間、全身に耐え難い衝撃が走った。通常では考えらないほどの痛さだ。

「うぐっ、これって能力者-アビリティーズ-の細胞に反応するシステムなのか?」

「侵入者を排除せよ。」

その声とともに、この島の守備部隊全員が倉庫に流れ込んでくる。操作すらわからないなかで、敵に囲まれたエルズは頭をかかえる。

「こんのぉ、こうなりゃヤケだ!」

やぶれかぶれに左操作レバーの左側のスイッチを押すと、腰につけた銃みたいなものを敵に向けて撃ったではないか。どうやら左のスイッチは銃撃系の武器が使えるようだ。しかも、黒い弾は自分の能力-アビリティー-だった。

「この機体、能力者-アビリティーズ-の力をそのまま使えるのか。」

今度は、右操作レバーの右側のスイッチを押してみる。すると、剣撃系の武器が使えた。

「うっわぁ、剣までオレの力を使ってんの・・・」

その剣も黒い影に包み込まれていた。エルズはこの光景に驚きと感激を覚えた。

「おっし!覚悟しろよ、守備部隊。」

右足のペダルを踏むと機体は前進した。しかも、その速度はこの大きさで100km/時近くを出している。これは地上巨大兵器では、類を見ないスピードだ。

「どけどけっ!そうだ、この機体について聞きたいからな。誰か捕虜として連れていこう。」

そこに逃げ出していた研究員らしき人物を捕らえて、飛んできた方向を見た。

「これって飛べるかな?おい、空飛べんのかよこれ?」

「左右の操作レバーを同時に、上に上げれば飛べる・・・」

研究員はハキハキと答えた。殺されるよりましだと踏んだんだろう。そして軍艦に通信信号を送った。

「おお、エルズ。無事だったのかね・・・」

「はい。ですが、ブリッツは大破してしまいました。しかし私は、それ以上に素晴らしいものを敵の中間基地より持って帰ってまいりました!」

「ほう、それは?」

「見ればわかります。」

そういってあの機体を持ち帰ってきた。隊長ボウージャや隊員たちも唖然としている。

「こんなの、初めて見たぞ。しかしよくやった、レイヴ勲章を与えよう!」

エルズは名将の証レイヴ勲章を憧れの隊長、ボウージャから与えられた。



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