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テーマ詩集:翼

翼はあげない

作者: 歌川 詩季

 ちょっと、猟奇的なの知ってます。

 石の下 しめりけをさがして

 這いまわる蟲でいてくれたらいい

 太陽をみつめれば目をつぶすだけさ

 泥水をすする唇がいとしくて

 キスで汚されても 平気だけど


 蜜の味を知った あなたは花に焦がれてしまう

 わたしのもとを離れてく

 それが怖くてたまらないよ


 翼はあげない

 わたしの愛は ささくれだった鉛の足枷

 翼はいらない

 わたしのそばで 憐れに黒ずんでいけばいい


 願いと呼ぶには おぞましすぎるの 今更



 岩陰に 風よけを求めて

 逃げ込んだ蟲でいてくれたらいい

 さもなくば愚かしく身を散らすだけさ

 かさついて割れた唇がかわいくて

 キスで汚されたい 平気だから


 澄んだ青を知った あなたは空を見上げてしまう

 わたしのもとを去っていく

 いつかその日が来てしまうよ


 翼はあげない

 わたしの愛は ねじれて絡む裸の針金

 翼はいらない

 わたしのとなり 醜く苔むしていけばいい


 呪いと呼ぶには いじらしすぎるの 殊更



 翼はあげない

 わたしの愛は めくれあがったメッキの鳥籠

 翼はいらない

 わたしの檻で みじめに息絶えていけばいい


 祈りと呼ぶには 身勝手すぎるの 尚更

 私の、現在の心情ではありません(笑)

 念のため。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  独占欲、執着心、束縛。  「好き」の感情はきれいなものだけではない。  それは人を好きになったことがある人なら、誰でもわかるように思います。    「あなた」を放す気はない「わたし」。 …
[一言]  そうして朽ちるあなたの隣で。  わたしもともに息絶えていく。  それが幸せ。  それで幸せ。  隣でどんなになかれても。  隣でどんなにこわれても。  愛と呼べるほどの想いと。  …
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