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「ふう、爺ちゃんの葬式も終わったか。」
そんなことを呟きながらタバコを蒸す人物が一人。ここは祖父の持ち山の一つであった裏山だった。今は祖父の遺言により自分の裏山になっているが遺族であり家族であった人たちはいい目で見なかった。
理由は簡単だ。
俺が犯罪者だからだ。
正確には元犯罪者で刑は全うしている。しかしそれでも外聞が悪いのは事実だ。元犯罪者のレッテルは日本に置いて大きな意味を持つ。元犯罪者というだけで仕事がつけないことも日本ではザルにあるくらいだ。
「しかし土地貰ったところでなあ。ま、アメリカに帰ってから決めるか……」
だから俺、愛 学35歳は33歳の時アメリカに渡った。英語もろくに話せないがそれでも現状を変えるべく。そしたら株で儲けられた。だから今は資産持ちなのだ。
「ねえ犯罪者のおじさんこんなところ何してんの?」
「花蓮やめなよこの人はもう犯罪者じゃないんだしさ。」
「別に良くない、お爺ちゃんもこんな男に財産あげるなら私にくれればいいって思うくらいだし。」
うるさいのが来た。彼女たちは親戚の従兄弟で年はだいぶ離れているが俺が犯罪者ということは伝わっているためあまり近づかないように言われているのだが若さ故の好奇心という奴だろう祖父が生存していた頃からちょくちょく話しかけてきた。
「はあ、おいおいお前ら叔母さんたちから俺に近づくなって言われてるだろ。」
「そんなのあたしにカンケーないじゃん。」
「いや叔母さんはお前らのためを思ってだな。」
犯罪者と関わっているだけでいい目で見られないぞと言おうとした時だ。
「おじさんが犯罪者になったのって上司がムカついた人だったからでしょ「ゴチンッ!」イッターいなにすんの梨沙。」
「花蓮失礼でしょう。えっと学さん失礼しました。ではこれで。」
「ちょっとーこの山の神社に行くんでしょう。おじさんに許可取らないと。」
花蓮は何やら気になることを言った。
「神社?あーヒダル神のところか?あそこならもうこの山には無いぞ。」
そう彼女たちが行こうとしていた神社は存在していなかったのだ。
彼女たちが行こうとしていた神社はヒダル神と呼ばれる戦国武将好きなら知っている人物が居るかも知れないくらいのマイナーな神であるが地方神としてはそこそこ有名どころであり彼女たちもそれを知って目的を達成するために訪れようとしていたのだった。
「え?」
「ヒダル神の神社は爺さんが死ぬ前に取り壊したんだよ。一応分社だったけど老朽化と管理する人がいないってなってな。」
「嘘それじゃあ来た損じゃん。夏休みの宿題どうしよう。」
「夏休みの宿題?今時そんなことやってんのか。」
「うん、祀られてる神様について現地で調べろってのが課題なの私梨沙と一緒の学校だからそれで2人で来たんだけどそっかーもう無いんだ。」
「それじゃあ書物くらいなら蔵にあるし見に行ったらどうだ?」
神社を壊す前に中に保管されていた書物などは一時的にだが蔵の中に保存していた。
「え、あのボロ蔵の中にあるの?お母さんですら入ったこと無いって言ってたあのボロ蔵に?」
「ボロ蔵言うな、ってか叔母さん入ったことねえのかよ。ハア、しゃーない案内してやるからついてこい。」
「お、おじさんやるじゃん。」
「すみません学さん。」
花蓮は嬉しそうに梨沙は申し訳無さそうについてきた。
「でもなんでおじさん蔵について知ってるの?お母さんも行きたがらなかったのに。」
「俺はお爺ちゃんっ子だったしあそこは代々家宝とかを保存する場所にしてあるって言われてきたからな。掃除とかやってるのは俺だぞ。」
「そうだったんだ……でも、あれ?遺産の相続人って?」
花蓮は財産の存続人は自分の親たちだったと思い出す。
彼にボロ蔵と言えど財産は存在していなかった筈である。
「財産系統は親世代のもんだがボロ蔵関係は爺サマの預かりものであって財産には該当せず国に返す物でその手続人は俺になってるんだよ。」
「へえ、よくお母さんたちが認めたよねそれ。」
花蓮の疑問に梨沙も賛同するようにうなずく。
言ってはなんだが梨沙や花蓮の母親はヒステリックなところもあり元犯罪者の学には辛く当たっていた。故にそんな重要なポジションにつけるとも思っていなかったのだ。
「認めるも何も遺言状に書かれたんだから仕方がないだろう。俺だってやりたくてやってるわけじゃない。爺サマの遺言だから仕方がなくだ。大方ボロ蔵と呼ばれるくらいにくたびれた蔵のモノだから知ってるやつくらいにしか価値がわからないって思われたんじゃないか?」
「それは言えてるお母さん財産にしかキョーミない感じだったし。」
「確かに私の母もそうでしたね。」
いつの時代も絶大な力を持った者の死後は醜いモノだ。生前祖父は莫大な財産を持っていたがその絶大さ故に後継者争いが始まる。
しかし祖父はそれを読んでいたがごとき采配で後腐れ無く死んで逝ったのは見事としか言えないだろう。
「あの爺サマのスゲエところはその采配だよ。財産目当てとはいえ後腐れ無く金が回ったろ。」
「あたしにそんなこと言われてもわからないけどお母さんはこれ以上欲を抱くと回しきれないって言ってたな。」
「私の母は自分のところが忙しくなってきたのかお爺様の財産には手をつけられない状態でしたけどまさかそれも?」
「そのまさかだよ爺サマに頼まれて変なところの株を買わされたんだけど梨沙さんところの会社の対立する羽目になろうとは思っても見なかったけどな。」
「もしかしてお爺ちゃんの葬式で1番儲けたのって?」
そこは金持ちの娘、察しがいいらしい。彼女の年代で株について習っていると言うのもあったがそれでも彼女の金に関する洞察力は優れていた。
「もしかしなくても俺だよ。」
「ウッソーんおじさんお金持ちじゃん。お爺ちゃんってやっぱすごい人だったんだ。」
「それについては驚きですね。お爺様がそこまで読んでいたとは。」
「っとそろそろ長話も終わりにするか着いたぞ。」
そこには見るも無残なボロ蔵があった。
学はズンズンと蔵の中に姿を消した。
花蓮と梨沙は学の背中を追うように蔵の中に恐る恐ると入っていった。
「えっとそこの奥にあるはずだ。」
「ねえおじさんそれはいいんだけどここって外見の割に中が綺麗過ぎない?」
外側の今にも妖怪でも出そうな外観とは裏腹に中はしっかりとした作りになっており壁の殆どがヒノキだった。
つまりは明らかに外見と中身が一致して無いということだ。
花蓮は一体どういう建築法を踏めばこうなるのか一切わからなかった。
「それについては俺も知らねえからな。一応綺麗にしては居るんだがそれ以上に建材のヒノキがいいのか知らないが埃があんまり経たないんだよ。」
「いや、絶対呪われてるかなんかしてるでしょう!」
「私もいくらなんでも不自然過ぎるかと思いますが。」
「そうだよな。ん?」
突如床下に魔法陣が現れた。
なんだコレ? と感じる前に視界に映る景色がノイズみたいに切り替わる。檜の床だった筈の地面は石に、鬱陶しさを感じるほどに明るかった昼下がりの日差しは薄暗さを感じるランプ? の光に……ちょっと待て、意味が分からん。
「ようこそおいで下さいました『勇者様』」
混乱する以前に、状況すら理解しきれてない耳に鈴のように綺麗な声が聞こえて振り返ると、そこには汚れの欠片すらない白いドレスに身を包み、長い金色の髪と美しい青色の目が印象的な美女が居て、巻き込まれてきたのか花蓮と梨沙の姿が見えた。
「突然の事にさぞおどろ……え?」
金髪の美女は俺達の姿を見て、思わず見とれてしまいそうな微笑みを浮かべながら口を開き……途中で言葉を止めた。
後ろにいる時代錯誤なダボダボのローブを着た人物達も止まったように停止し慌てふためいていた。
「お嬢様、だいぶお年を召した方がいらっしゃるのですが?」
「奇遇ですねミーナ、私にもそう見えます。」
意を決したようにローブ姿の人物がお姫様に話しかけ、お姫様もどこか戸惑った様子で言葉を返す。残念なことに今現在俺の思考はこのある日突然殴られ続けるサンドバックのような非日常の状況に追い付いていない。パソコンならばさながらサービスが終了したWindows7のような状態だろう。Windows10にアップデートされなければ動作はもちろんしない。こんなことならとっとアップデートしておくんだった。
視界を動かし同じ境遇であろう花蓮と梨沙の方を見ると彼女たちも状況に理解が追い付いていないのかこちらをチラチラ見ては戸惑った表情を浮かべている。
「ど、どどど、どうするんですかアレ!? コレ、アレですよね! 多分そこにいる殿方は『召喚』に巻き込んじゃったとか、そう言うやつですよね!?」
「お、恐らくそうなるかと思いますが……どうするんですかお嬢様?」
「どうするも何も『失敗しました。てへっペロ』じゃ済まないですし、一先ず全員に事情を説明して……ああ、でも、先に勇者様が誰かだけでも判別しないと……」
「てへっ……って、お嬢様。流石にそのご年齢では若作りが過ぎるかと……」
「なんでそこに冷静な突っ込み!?」
なんだろうこの非常に残念な会話、ファンタジー感が一気に壊された気分だ。今現在起こっている未知の状況への危機感がガリガリ削られていってるような……花蓮はぽかんと口を開けているが梨沙は対照的にガッツポーズを出していた。オタクなのかな……?
んー話の聞こえてきた感じからすると俺が確実なイレギュラーで花蓮と梨沙が来ることは確定していたような感じかな
「こほん。改めまして、ようこそおいでくださいました。私、ダンツィヒ王国の公爵をしております。ウィンディ・アーク・キャロイナルと申します。先ずはいきなりの召喚、申し訳ありません。突然の事に戸惑うかとは思います。先ずはしっかり事情を説明するべきとは理解しております……が、こちら側の都合で恐縮なのですが、説明の前に皆様のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「……あ、これはどうも私しがない投資家をしております。愛 学と申します」
お姫様――ウィンディと名乗った女性の質問に、とりあえずの年長者である俺が先に回答する。ラノベとかだとここで食って掛かる奴が居たり、錯乱して叫ぶような人が居るものだが……実際こうなってみると、混乱と戸惑いが大きすぎて逆に冷静に答えられるものだ。気持ちとしては社畜時代の営業でお客さんと話す感じだ。
「……日向 花蓮」
「……陽炎 梨沙」
俺に続くように二人も自分の名を名乗る。
「マナブ様、カレン様、リサ様ですね。よろしくお願いします。では失礼ですが、少しお待ちください。」
そう言いながらリリアさんが先程とは別のローブの人に目配せし、ローブの人が直径30センチメートルほどの水晶玉のような物を取りだす。何かをするぞとでも言いたげな様子に思わず体が強張るが、リリアさんが慌てた様子で「危害は加えません」と弁明した為、下手に動くのは得策とも思えずその場に留まる……決して異を唱える勇気が無いヘタレと言う訳ではない。
「……どうやら、カレン殿が勇者様として召喚されたようですな。それ以外の方は巻き込まれた形でしょう。しかしマナブ殿に関しては前例がないので私にはわかりませぬ。」
「やはりそうですか。しかし前例がないというのは厄介ですね。」
どうやら花蓮が勇者のようだ。それを聞いて梨沙はがっくりとうなだれているが、これ、マジでどうなるんだろう? この右も左も分からない状況で、放り出された花の女子高生二人だ。面倒事に巻き込まれるのはごめんだが二人をそのままにするのも気が引けた。
正直、俺は聖人でも無ければ上に立つ存在というわけでもない。ただ単なる一傍観者に過ぎない。しかし、血の繋がった家族とまでは言わないが血縁の情というものもあるのは事実。その中の葛藤が俺の中を駆け巡っていた。
何でもかんでもライトノベルの展開に照らし合わせるのは間違っているかもしれないが、この手のストーリーで王族とかが悪者で勇者を奴隷のように使おうとしていたり、勇者以外を冷遇すると言うのは定番中の定番でもある。そのためこれから成されるであろう説明に関しても勘繰る姿勢で居るつもりだった。
「とりあえず三人には一旦事情を説明しますのでこちらにおあがり下さい。」
ウィンディさんに呼ばれ付いていく。
「ねえおじさん、この国についてどう思う?」
小声で花蓮が話しかけてきた。その表情はどことなく怯えているような感じであった。
「現状なんとも言い切れないな。情報が少なすぎる。けどこの国の上は裕福な暮らしをしているってことは確かだな。」
「そうですね学さんの言う通り公爵様はやローブの人たちは中々にいい暮らしをしているようでした。」
話に乗ってきたのは梨沙だ。彼女は花蓮と違いだいぶ落ち着いているように見えた。
「ま、成るようになるだろうよ。」
「お話は済みましたか?」
「ああ、大丈夫だ。と言っても若い子らはまだ戸惑っているようだから落ち着いてからにしてやってくれ。」
「ええ、もちろんです。」
案内され薄暗い地下室らしき場所から出ると、豪華な内装の大広間へと辿り着く。中世風の内装に大きなテーブルと椅子――ここまでは異世界的な雰囲気は無く、あまり実感はわいてこない。
「どうぞご自由におかけください、ミーナ、お三方に何か飲み物を」
しばらくすると紅茶を出された。
「紅茶でも飲みながら話しましょうか。もちろん毒などは入っていませんのでカップは自由にお選びください。」
花蓮と梨沙は真っ先に手を付けるが先ほどの警戒心からすれば手を付けないものと思っていたので学は純粋に驚いた。
「はあ、まあいいか。それで召喚というからには何らかの儀式なんだろう。目的と要件を聞かせてもらおうか。」
「ええ、そうですね。先ず改めて謝罪を、突然別世界にお呼びしてしまい申し訳ございません。さらにはこちらの都合で時間をかけてしまい誠にお詫び申し上げます。」
「あ、いえ……」
「あのその、私達は一体……どうなるんでしょうか?」
一番気になっていた質問を口にしたのは梨沙だった。
「まず、大前提として我々がマナブ様を含めた貴方達3人に危害を加えることがないことを『キャロイナル公爵家』の家名にかけて誓わせていただきます。」
「公爵家ってなんだっけ梨沙?」
「そこからなの花蓮。公爵っていうのはそもそも王族の親族の人が使う爵位のことよ。」
「失礼いたしました確かに召喚者様の国では爵位制度は一般的ではありませんでしたね。」
ハッとした顔で心底申し訳なさそうに話すウィンディ。
「話を戻しますが。先のリサ様の疑問への回答を続けますが恐らく一番ご不安に思われているのは、元の世界に戻れるか否かという点だと思いますがご不安に思われているのは、その点に関してはご安心ください」
「え、帰れるの?」
先ほどの怯えた表情から一転嬉しそうな表情をした花蓮
「ええ、魔法陣の魔力が充填でき次第帰っていただくことが可能です。ただ帰るためにはいくつか条件が必要でして」
「条件?」
「この世界の神の加護を持っていることが条件なのですよ。この世界には召喚者と言われる今で言う貴方達の立場と流れ人と呼ばれる立場の御仁が存在しまして召喚者であればこの世界の加護を持った異世界人流れ人であれば他の世界の加護を持った御仁となられるのですよ。勇者様は100パーセントこの世界の神の加護をお持ちなのですが………」
「おおかた今回はイレギュラーがきたから持ってない人物がいるってところか。ところで加護ってなんだ?」
「それは実際に見てもらった方が早いので今は加護の確認を致しましょう。ミーナ、水晶を」
「はいお嬢様こちらに。」
先ほど使われたものより大きな水晶がワゴンに乗せられてきた。
先ほどから気配感じさせないような足取りで来るミーナという人物は一体何者なのだろうか。一点一点に無駄な動きが一切ない。
一種のメイドのようなものなのであろうがそれでも鼻の下を思わず伸ばしてしまうくらいには綺麗だった。
「それではまず勇者であるカレン様からこの水晶に触れてください。」
日向 花蓮
ステータス・スキル
-----------------------------------
HP53/53 MP52/52
STR 力 : H VIT 体力 : G
INT 知力 : D MID 精神力 : E
AGI 俊敏性 : G DEX 器用度 : F
スキル
勇者 Lv1
言語理解Lvー
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自由神リースの加護
「こちらに触れますとステータスと成って見られるようになります。加護の方をタップしてください。」
「あ、はい。」
自由神リースの加護
自由を司るこの世界の神の加護
スキル取得時に補正あり
「これでこの世界の神の加護かそうでないかがわかります。次はスキルの勇者をタップしてみてください。」
勇者 Lv1
スキル取得に対して補正を与える。
言語理解Lvー
ありとあらゆる言語を理解できる。
「このようにステータスというモノが存在する世界なのですが説明はよろしいでしょうか?」
「はいはーい。」
「はいリサさん。」
「レベルとかは無いんですか?」
「レベル、と言いますと階位のことですね。このステータスという概念に階位は存在しませんがこちらの世界には魔物というモノが住んでおりましてそれを倒せばステータスが上がります。」
「ありがとうございます。じゃあ私もステータスをチェックをします。」
そういって梨沙は水晶を手に触れた
陽炎 梨沙
ステータス・スキル
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HP60/60 MP20/20
STR 力 : F VIT 体力 : D
INT 知力 : D MID 精神力 : F
AGI 俊敏性 : F DEX 器用度 : F
スキル
薙刀術 Lv1
言語理解Lvー
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武道神ムクの加護
「じゃあ次は加護ですね。」
梨沙は新しいおもちゃを見つけた子供のようにはしゃぎながら加護の欄をタップする。
武道神ムクの加護
武道を司るこの世界の神の加護
力・体力・精神力に補正あり
「お次は薙刀術ですね。」
薙刀術 Lv1
薙刀の扱いが上手くなる。
薙刀使用時の威力補正あり
「なんか俺の勝手な梨沙ちゃんのイメージ魔法使いかと思ったけど思いっきり前衛だな。」
「私は前衛の方がいいんです。次は学さんの番ですよ。」
梨沙に急かされるように俺は水晶に触れた。
愛 学
ステータス・スキル
-----------------------------------
HP1565/1565 MP3169/3169
STR 力 : C VIT 体力 : B
INT 知力 : D MID 精神力 : 豆腐
AGI 俊敏性 : C DEX 器用度 : A
スキル
貨幣作成 Lvー
錬金術 Lv1
貨幣操作 Lv9
言語理解 Lvー
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食神ヒダルの加護
「これは………」
「なんですかこのチートステータスは!」
ウィンディさんは驚愕の表情を浮かべ梨沙は自分たちと比べてのあまりの違いに驚いていた。
「てゆーかおじさんの精神力が豆腐ってなに面白いんですけど。」
「知るかんなもん。しかし俺が流れ人扱いでこの世界に来ていることがわかったな。」
「え?」
「論より証拠だ。」
俺はタップした。
食神ヒダルの加護
食を司る異界の神の加護
お腹を下さなくなる
「本当です。ということは貴方の世界の神でして?」
「あ、思い出したあたしたちが調べようとしていた神様だよね。これ」
「確かにそういえば」
「俺が加護を持ってるのは置いとくとしてスキルを見ておくか。」
貨幣作成 Lvー
価値を認識したモノを貨幣にできる
また貨幣を無限に収納できる空間が渡される
錬金術 Lv1
魔力を用いることで金属の扱いやすくなる。
魔力を用いた薬の作成に補正あり
器用さに補正あり
貨幣操作 Lv9
貨幣を思いのままに操れる
器用さに補正あり
「さて次はウィンディたちさんのを見せてもらってからこの世界の常識について話してもらおうか。」