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次の神様になってくれ ~色を変える能力を持った僕の、無茶で無謀な神様ダマし~  作者: 由木兼人
第二章一幕 真入学編 / 俺の力になってくれ
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第二章 2 | 『四月一日』②


◇ narrator / 来次(キスキ) 彩土(ハニ)

───────────


 清光の言葉を聞きながらも足を進めていると、例の公園まで到着した。

 座れる場所はないかと見渡して、ブランコが目に付く。


 僕の視線に気付いたのか、清光はブランコの方へと先に歩いて行った。

 ふむ、今も予知を使ってるのか、それとも普段から使ってるからそういう習慣が身に付いたのか、それとも純粋に育ちが良いのかもしれないが


 こういう判断やら何やらが早くて、自分からサクサク行動するところは嫌いじゃ無いことも無い。


 やはりイケメンでさえなければ友達になれたかもしれない。

 それと僕の左手を欲しがるサイコパス野郎でさえなければ。



「──で、エイプリルフールだと何かまずいの? 特になにも問題なさそうな気がするけど」


「大ありだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。……春休みの間に届いた書類とか全部目を通したか? 新しい生徒手帖とか」


「見たよ、これだろ? ていうか別にちょっと嘘を吐かれるくらいどうってことなさそうだけどな」



 春休みに届いた新しい生徒手帖を胸ポケットから出す。

 それをパラパラとめくりながら、今の会話に関係のある部分を思い出し思い出ししながらしゃべる。




 そう、確かこう書かれてあった。

────────────────────

※この生徒手帖は

 貴君が本校の生徒であることを示し、同時に次期神となる為の候補生であることと、神々の庇護下にあることを示す物である。

 この生徒手帖を所有する者ならば、その者が例え卒園後であっても神々の庇護下にあるものとする。


 庇護下にある者に対して、神々は不当な害を為す事はできず、また外部から不当な害を被りそうな場合は、それを保護する責任を負うものとする。


 また、庇護下にある者は上記を理解した上で自らの育進に励む義務があるものとする。

────────────────────



 ()()()()()()()()()()()()()

 つまりはソレは僕等生徒に対して「嘘を吐く」という害も含まれるという事だろう。


 そして、その決まり事が何故かエイプリルフールの間だけは外されるということか。何故だ……?



「──つまり4/1日に限って、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。普段なら嘘を吐かない神々も、4/1日だけは違う。俺達は自分の力で見つけるしかないんだ」



 なるほど理由は分からないが、とりあえず神々は今日僕達に嘘を吐く事ができ、場合によってはその場所を探すのを妨害してくる可能性もある訳か。


 でもだとすれば、前より左手の力を扱いなれた今なら、僕にも少し打てる手がある。

 それに……



「そういう話なら大丈夫だ。()()()()()()()()()()()()。それに神が嘘を吐けるのは今日だけなんだろ? 最悪明日以降、学園内の日付が4/2日になってから聞いたら良いじゃないか」


「……いや、4/2日は来ない。さっき6日分時間が遅れてるって言ったが少し複雑なんだ。4/2日どころか、2日~6日までは何があろうとやって来ない。6()()()4()/()1()()()()()()()()()()()4()/()7()()()()


「──なんだそれ。じゃあ6日間ずっと嘘を吐かれるかもしれないのか。どうしても神に教えて貰う事はできないって訳か?」


「そうだ。神々は何が何でも生徒の力だけで辿り着かせたいんだろうな。さっき言った放課後までっていうのはつまり、6日後の4/7の放課後になるまでにって意味だ」



 つまり、今日からの六日間で、そのよく分からない場所に生徒だけで辿り着くしかないのか。


 そして清光の言葉感から推測するに、その場所について生徒間で共有する事もできないらしい。

 文字通り、自力で探し出すしかないという事。



「なるほどね、あらまし理解できた気がする。でもなんで神々はこんな訳わからない事をするんだ? ……まさかこれ選定試練(セレクトゲーム)なのか?」


「──どうかな。そこは俺も詳しくは分からない。この話は学園に入ってからだとできない。だから外で待ってたんだよ」


「……そうか。助かったよ、ありがとうな」



 僕は思う事があって今の清光の言葉で左手を試してみる。


 うん。()()()()()()()()()()


 清光が話している時の声音や呼吸、脈拍やらをもろもろ『把握』して探る。

 平常時と比べて、清光の身体からの信号に特に差は無い。

 間違いなく嘘は吐いていない。

 即席ではあるが、これなら左手を嘘発見器として扱う事ができるだろう。



「そろそろ学園に戻ろう。遅刻にならないにしても、出遅れるのは良くないからな」



 清光はそう言って腰を上げると公園を出て、元来た道を引き返し始める。

 僕もそれに倣って後ろに着いた。



「──で? 結局そっちはどんな感じなの? 活州とはやっぱりこじれちゃってるの?」


「しつこいな君は。俺のことはいいって言っただろ」



 答えないで顔を逸らす清光を横目で見ながら、僕はさっき思い出した事を再び頭に浮かべ、考える。


────────────────────

 ()()()()()()()()()()()()()()()、その者が例え卒園後であっても神々の庇護下にあるものとする。

────────────────────


 何だこの書き方は、まるで──

 もしこの生徒手帖を無くしたり奪われたとしたなら、どうなる…?


 僕は杞憂だと思いながら、学園に向かってその歩調を早めた。



読んでくださってる方ありがとうございます (*'-'*)

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