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下品でかっこよくない元エースパイロットの話

作者: flep

宇宙で長時間活動すると空気と飲み物と食べ物以外にも問題になるものが。


というわけで思いついたお話。

さて、困ったことなのだが、噴射剤がもうない。


反応炉にタネは残っているが、加熱してジェットにする噴射剤がないと高機動やジャンプは難しい。炉はオーバーヒート気味だが、なんとか動くので。手足を使って地上を這いずり回る程度なら問題ない。


おまけに、軍用規格のバーニアは頑丈なので、噴射剤の代用として、液体ならなんでも使える。規格外の液体を使うとエンジンが痛むので、整備班から文句は出るだろうが、命には変えられない。といっても周りは砂漠と岩石しか見当たらないので、簡単に水を汲むというわけにはいかない。


砂漠地帯で飲用水は貴重なので温存したい。というわけで、機内トイレに溜まっている排泄物を噴射剤タンクにまわそうとしてら。アリス(機体統括AI)から文句が出た。


「アンタ、あたしにションベンとウンコを食らわそうとするわけ?」


ちなみにアリスの声はデフォルトで若い女性に設定されている。


背徳的というか、イケナイ趣味に目覚めそうになりながら、設定了承のキーを押す。


「こんちくしょう。噴射剤2%まで回復。固形物が混じってるから、糞詰まる可能性もあるから覚悟しときなさい」


「了解、お嬢さん」


岩陰から水平に飛び出す。上にジャンプしたらいい標的まとだし、途中で糞詰まったら墜落する。なので、後ろ側にバーニアを使って加速。スコープを流し見で射撃。外した。


さらに加速。ここで糞詰まった。ジェットから煙が巻き起こる。きっと、匂いもすごいことになってるんだろうな。ガクっと速度が落ちた眼の前を敵さんの射線が通り過ぎた。射撃管制AIが予測射撃を指示したのだろうが、幸運うんに助けられた。あ、これダジャレね。


振り向きざまに偶然できた煙幕に向かって射撃。運良く命中。しかも、会心の一撃だったらしく爆散。文字通り、きたねえ花火が煙幕を散らしてくれた。


2時間後に来た回収ヘリにつかまって帰還。整備班からは怒涛のクレームが来て、お詫びに全員に奢らされ。今回の出撃で得たクレジットはすべて消し飛んだ。しかも、皮肉なあだ名までつけられた。


幸運うんのよいジョニー”


「俺がそう呼ばれるようになった顛末は、そういうわけだ。だから、弾丸の残量だけじゃなく。噴射剤の残量にも注意しろ」


そういって、機動兵器科の新入生への挨拶を終える。


俺はジョニー・M・高橋。今は機動兵器科の教官をしてる、元エースパイロットだ。ちなみに、"糞詰まりのジョニー"と陰口を叩く奴も居ることは、新兵たちには秘密だ。まあ、多分、卒業までには知られてしまうんだが。

某有名アニメでモビルスーツにトイレが付いていて話題になったのを思い出します。ウオシュレットじゃなくてトイレットペーパーを使っていたのが時代。今は一部の自衛隊の艦艇がウオシュレットを搭載した、という記事さえ見かけるのに。文明が衰退した未来なので、トイレも戻ってしまったのですね。

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