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エヴァンスの商売物語~黎明~  作者: 橘 六六六
三章、新しい商売へ
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【29】七輪の販売




 火を起こした七輪に金網を乗せて、ナイフで肉と干し肉を切り乗せて焼いた。ぼくはそれに塩をふりかけると、芳ばしい香りが露店街に広がった。


 隣でジダンは(またエヴァンスが突拍子も無い事を始めてる。)と思いながら見ていると。


(その前に、あの火を起こしている物は何だ?)


そう思いながらも、自分の商売をしている。肉の焼ける臭いに一人が興味を持ち屋台の前に来ると。ぼくは昨晩用意した木の小さい串で焼いた肉を一切れ刺して、お客さんに


「どうです?この肉を焼いている『七輪』。これは持ち運びが簡単な焜炉(こんろ)で『七輪』って言う。ぼくが開発した物ですが、これを銀貨1枚と銅貨10枚の所を今回は銀貨1枚で売ります。これは頑丈で1回買えば一生使えますよ! 」


と見栄を切り始めると。お客さんが肉を食べながら話を聞いてくれている。すると、物珍しさや肉を食べたさに人が少しずつ集り。話し続けるぼくの話しに興味を持ち。


 次第に人々は七輪を手に持ち。七輪に興味を持ち始めた。そこでぼくは七輪の利点をどんどんお客さんに叩き込み


「これが有れば鍋を掛けてスープも作れる。魚も焼ける。そして何より何処でも調理が出来るんです。どうです? そこの屋台で何か買って来て焼いても良いですよ。」


そう言うと。好奇心旺盛な男の客が屋台で鶏肉を買って来て。ぼくの七輪に乗せてみるとパチパチと音を立てて美味しそうな香りを周りに広げ。ぼくは鶏肉に塩を掛けてあげ、焼き上がると男は鶏肉に齧り付き。


「旨い! これが有ったら旅も楽しくなるな! 」


と声に出した。それから一人、また一人と七輪を購入して。七輪34台はアッと言う間に売り切れてしまった。ぼくはガッツポーズを取ると、ジダンが


「お前、すげえもん考えたな。思わず俺も買っちまったぜ。これで仕事しながらも温かい飯が食えるよ。」


と、ぼくの肩を叩いた。そしてぼくも嬉しくてジダンの胸を叩き喜んでいると



「これは凄い物を開発しましたね。エヴァンス君。」



聞き慣れた声に振り向くと。その声の主はフロイツ商会会長のフロイツであった。フロイツは七輪を手に取り


「火は有るが、熱くない。このまま持ち運べる。エヴァンス君。これを私の商会で扱いたい。ここで話すのも何ですから、私の事務所へ行きましょう。」


ぼくは屋台を片付けて。フロイツの事務所へと付いて行った。フロイツの事務所はドルトリア城近くのフロイツ商会の裏手に在る一軒家で。その中にぼくは通されると、この世界での一般的な建物と違い。柔らかい絨毯が敷かれきらびやかな装飾品に囲まれていた。



エヴァンス(10才)


銀貨87枚


銅貨12枚


木綿の服×2

柔らかい靴×1

青い布×1

皮の袋×1

紙×10

ペン×1

インク×1

白いシャツ×1

紺色のジャケット×1

七輪×1台


【人脈】


露店商人の男 ジダン

露店商人の男 トルポ

宿屋の娘 エリナ

宿屋の親父 ガルボ

世界最強女戦士 ワルキュリア

フロイツ商会会長 フロイツ

旅芸人ピストリオ一座

モンパカ車屋 ポポロ

ドワーフ ヨサーク、ゴサーク

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