【23】野良魔女 ポポロ=マングースカ
晩御飯を食べ終わると。部屋へと戻りワルキュリアに数字の勉強を続けたが。ワルキュリアはお腹いっぱいになって眠ってしまっていたので、起こして部屋へと戻らせた。
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ぼくは、商材も無く。ワルキュリアと二人で北東の森に出向いてみる事にした。宿で準備をしているとワルキュリアが部屋に来て
「エヴァンス様、ドワーフの村へはドルトリア王国より歩いて半日程です。急いで参りましょう。」
「けっこう遠いんだね。それじゃあ今日はエリナに言って晩御飯は止めて貰って置こう。」
そんなやり取りをすると。急ぎで東門へと向かった。東門へと行くと馬車乗り場で変な動物が2頭居た。馬でも無く、大きいが毛がフサフサでモコモコしている。目がクリクリとしていて耳がちょこんと立っている。そして脚が短い。
ぼくはソーッとその動物に近寄ると、その動物は大きな舌でベロンっと。ぼくの顔を舐めてぼくは慌てて顔をマフラーで拭いた。するとその動物の背中で小さい女の子がゲラゲラ笑い
「この動物はモンパカって言うのよ。可愛いでしょ?この子達がなつくなんて珍しいわ。」
女の子は赤毛で真っ黒なトンガリ帽子を被り、黒いマントを着ている。ワルキュリアはその子に剣を向け
「エヴァンス様。その者は魔女ですぞ。お下がりください。」
その言葉に、ぼくは身構えたが。女の子は笑いながら
「滅獄のワルキュリア=ドラクルス。心配するな。私は魔女だが、お前のせいで職を失い。今はモンパカ車の運転士をしている野良魔女のポポロ=マングースカだ。」
ポポロがそう言うと。ワルキュリアは剣を収めて
「私のせいで職を失ったと言うと...... ? 」
「お前の悪名が凄過ぎて。ゲンシュタット帝国が攻めて来なくなったので。王国専属魔術師以外は解雇になったんだよ。」
「それはすまなかった! 」
とワルキュリアはポポロに土下座をすると。ポポロはまたまた笑いながら
「世界最強の女戦士から土下座をされるとは。心地好いもんだな。よし! お前ら、モンパカ車を使わんか? 馬車より早いぞ。」
そうポポロが言うので。ぼくは
「ぼく達はここから北東に在るドワーフの村へ行きたいんだけど。幾らで乗せてくれるの? 」
そう訊ねると。ポポロはモンパカの顔を撫でながら
「往復で銀貨2枚で。いや、銀貨1枚と銅貨10枚にまけてやる。」
「それならお願いしようか。ワルキュリアこの馬車に乗ろう。」
「馬車じゃない! モンパカ車だ! 」
そんなやり取りを経て。ぼく達がモンパカ車の荷台に乗り込むと、ポポロは杖を掲げてモンパカの上でクルリと回した。
エヴァンス(10才)
銀貨57枚
銅貨29枚
木綿の服×2
柔らかい靴×1
青い布×1
皮の袋×1
紙×10
ペン×1
インク×1
白いシャツ×1
紺色のジャケット×1
【人脈】
露店商人の男 ジダン
露店商人の男 トルポ
宿屋の娘 エリナ
宿屋の親父 ガルボ
世界最強女戦士 ワルキュリア
フロイツ商会会長 フロイツ
旅芸人ピストリオ一座