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エヴァンスの商売物語~黎明~  作者: 橘 六六六
二章、始まる異世界商売
23/34

【22】ワルキュリアの弱点




 お客さんから、ぼくは銀貨1枚を受けとり。ワルキュリアに銅貨20枚のお釣りを頼んだ。そして受取り、何か違和感を感じて銅貨を数えると22枚有った。ぼくは銅貨2枚戻して、お客さんに20枚の銅貨を渡し。もう一度銀貨1枚を出したお客さんにお釣りを渡そうと、ワルキュリアに銅貨10枚を頼んだが13枚渡してきた。


 ぼくはお客さんに銅貨10枚だけ渡すと。3枚を戻してワルキュリアに


「も、もしかして。ワルキュリアって数が解らない?」


そう訊ねると、ワルキュリアはモジモジしながら頬を赤らめ。


「恥ずかしながら、剣の道一筋だったもので...... 。」


そう言うので。ぼくはワルキュリアを待たせて接客を続けて、客が途切れるまで必死に頑張った。


 昼が終わる頃には商品も全て売り切れて。売り上げは銀貨29枚と銅貨7枚となった。煉瓦と金網と魚醤を麻袋へ入れて。ジダンに礼を言うと。ジダンは


「そういやぁ。ドルトリアの北東の森にドワーフ達が住んでる村が在るんだが。そこならエヴァンスの言っていた七輪ってヤツも有るかもな。」


と、ぼくに教えてくれ。ぼくは礼をもう一度言い。ワルキュリアと二人で市場の食堂でドルトリアライスを食べて宿屋へと戻った。ぼくはとりあえず部屋にワルキュリアを呼び、晩御飯まで数字の勉強をする事にした。


 ぼくは所持金を数えると銀貨が57枚と銅貨が29枚になっていた。換算すると、金貨1枚、大銀貨1枚、銀貨2枚、銅貨29枚である。


 テーブルに銀貨と銅貨を出して。ワルキュリアを目の前に座らせ。銅貨を1枚出して


「1」


と言うと、ワルキュリアも復唱し。『10』まで数えた。そして次にワルキュリア一人で数えて貰いそれを何回か繰り返した。そこまではワルキュリアも無事に数えられたが。10以上の数字には苦戦をしていた。


 どうにか数字の勉強は銅貨30枚で銀貨1枚に成る所まで進むと。晩御飯の時間になり、二人でロビーへと降りたが。その間もワルキュリアは


「1、2、3...... 。11、12...... 。」


とブツブツ数えながら歩いていた。ロビーでテーブルに着くとワルキュリアは嬉しそうに


「エヴァンス様! ここの階段は24段有りました!」


と喜びながら報告してきたので。とりあえず褒めると、ワルキュリアは子供みたいに嬉しそうに色んな物を数えた。ぼくは気になったので、ワルキュリアに持ち金を出してもらったら。やはり繰り上がりを理解しておらずに銅貨だらけになっていた。



 ぼくは思いやられながらも、ワルキュリアを教育していく事にした。





エヴァンス(10才)


銀貨57枚


銅貨29枚


木綿の服×2

柔らかい靴×1

青い布×1

皮の袋×1

紙×10

ペン×1

インク×1

白いシャツ×1

紺色のジャケット×1



【人脈】


露店商人の男 ジダン

露店商人の男 トルポ

宿屋の娘 エリナ

宿屋の親父 ガルボ

世界最強女戦士 ワルキュリア

フロイツ商会会長 フロイツ

旅芸人ピストリオ一座

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