表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エヴァンスの商売物語~黎明~  作者: 橘 六六六
二章、始まる異世界商売
16/34

【15】ドルトリア市場



 

 ジダンはぼくが戻ると


「おうエヴァンス今日は何を売るんだい?」


「昨日マリシアで買ってきた、塩と魚の干物だよ。」


「へぇー。そりゃ俺の所の商品が霞んじゃうなぁ。」


「そうでもないよ。多分終わったら判るよ。」


ぼくは笑顔でジダンにそう返すと。ジダンは肩を竦めて苦笑いをした。朝日が明々となり始めると、ぼつぼつと人が集り始めた。すると、内陸地のドルトリアで塩が銅貨2枚で売られている事に一般の人達が興味を持ち集まって来た。


 商売で無い限り、高価な塩は余り購入しないが。銅貨2枚で買える事と、余り多過ぎない事から食卓に味気が加わる事に喜び人々は小分けの塩を求めて来た。そして人が徐々に増え集り。塩になかなか辿り着けない客はジダンの屋台を眺めて余裕の有る銅貨で小物を買い始めた。


 塩の横に並べられたカツオダラの干物が銅貨4枚で売られている事にも次第に客は気付き始めて。昼を過ぎる頃にはぼくの屋台は品切れとなり。そのままその客はジダンの屋台へと流れて行った。ぼくは今日の売り上げを数えると、銀貨25枚に銅貨10枚となっていた。


 日頃と違い、客が溢れる状況に忙しそうにしているジダンにぼくは礼を言い。足早に市場へと向かった。ぼくは昨日のピストリオ一座の話を思い出しながら


(リシュテルでは1割の税金が掛かるので有ればそれ以上の利益率で、農村地帯のリシュテル領で需要の有る物を考えなければ。)


心の中でそう呟きながら、ぼくは市場の商品を眺めていた。それこそリシュテル領とドルトリア王国は似たような風土で特産物も被っていて何も浮かばなかった。


 果物や穀物も被る物ばかりで。ぼくは今回の護衛と行商の掛け合わせは止めようかとも考えた。それこそマリシア領の様な海産物で有ればリシュテル領でも需要が大きいかも知れないが。


 ぼくは市場をウロウロしながら。食堂に辿り着き。白の実と言う『お米』に似た穀物を炊いたご飯の上に豚肉を甘辛く煮た物を乗せてある。ドルトリアライスと言う物が銅貨3枚で売られていたのでそれを注文して席に着いた。


「フロイツさんも変わっているよな。リシュテル領に直接行けば、馬車賃も銀貨1枚で済む距離なのに。わざわざいつもマリシアを経由して行くから銀貨3枚も使うんだぜ。往復で6枚。4枚も損をしている。しかしうちらは儲かるから良いけどさ。」


その様な声が聴こえてきて。ぼくはマフラーで顔を隠してそちらを見ると、こないだの馬車の騎手達であった。ぼくはドルトリアライスを食べながら聞き耳を立てた。

エヴァンス(10才)


銀貨30枚


銅貨30枚


木綿の服×2

柔らかい靴×1

青い布×1

皮の袋×1

紙×10

ペン×1

インク×1

白いシャツ×1

紺色のジャケット×1


【人脈】


露店商人の男 ジダン

露店商人の男 トルポ

宿屋の娘 エリナ

宿屋の親父 ガルボ

世界最強女戦士 ワルキュリア

フロイツ商会会長 フロイツ

旅芸人ピストリオ一座

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ